この半導体ニュースのまとめ
・レゾナックが世界最大級となる直径300mmのSiC単結晶基板の開発に成功
・SiC単結晶の成長から300mm基板への加工まで一貫して実現
・パワー半導体に加え、AIサーバやHPC向け放熱基板などへの応用も期待
レゾナックは9月15日、直径300mm(12インチ)のSiC単結晶の成長と基板加工に成功したことを発表した。
300mmという口径は、現在開発が進められているSiC基板として世界最大級のサイズとなる。同社は今回の成果について、SiC基板およびSiCエピウェハの大口径化と高品質化に向けた重要な技術的マイルストーンと位置付けている。
大口径化が難しいSiCウェハ
SiCは、シリコンと炭素から構成される化合物半導体材料で、シリコンと比べて高い絶縁破壊電界や熱伝導率を持ち、高温環境でも動作できることから、電力変換時の損失や発熱を抑えられるパワー半導体材料として活用が広がっている。
SiCパワー半導体は、電気自動車(EV)の駆動用インバータや車載充電器、再生可能エネルギー設備、産業機器などで採用が進んでいるほか、電力消費量が増加するデータセンターでも、電源の高効率化に向けた活用が期待されている。
一方、SiC単結晶は、シリコンと比べて大口径かつ欠陥の少ない結晶を安定して成長させることが難しく、ようやく市場として200mm(8インチ)のウェハが出回るようになっていた段階にある。
今回の成果について同社は、長年培ってきたSiC単結晶成長技術および基板加工技術を基盤とし、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業で得た成果の一部も活用することで実現したと説明している。
200mm SiCエピウェハの出荷も開始済み
なお、レゾナックは、SiC単結晶基板の表面へ、半導体デバイスの特性を決めるSiC結晶層をエピタキシャル成長させたSiCエピウェハとして150mm品を主軸に、200mm 品の供給も開始している。
エピウェハの供給を事業としているため、今回の300mm SiC単結晶基板は、ただちに量産投入する製品ではなく、将来の大口径SiC基板とエピウェハに向けた研究開発成果となる。レゾナックは今回得られた結晶成長と加工の知見を、パワー半導体に加え、AIサーバやHPC向けの放熱基板、先端パッケージング、ARスマートグラスなどへの用途拡大も見据え、SiC材料の技術開発を継続していくとしている。
