この半導体ニュースのまとめ

・Samsungの2026年第2四半期決算は売上高171兆5000億ウォン、営業利益89兆5000億ウォンで過去最高
・DS部門はHBMやサーバDRAM、eSSDなどAI向けメモリ需要を背景に売上高・営業利益ともに過去最高を記録
・HBM4の量産出荷やHBM4Eのサンプル出荷、長期販売契約の拡大によりAIメモリ供給体制を強化へ

Samsung Electronics(サムスン)が7月30日、2026年第2四半期の決算発表を行った。連結売上高は前四半期比28%増、前年同四半期比2.3倍の171兆5000億ウォン、営業利益も前四半期比56%増、前年同期比19倍の89兆5000億ウォンでいずれも過去最高を記録した。

  • サムスンの2026年第2四半期決算概要

    サムスンの2026年第2四半期決算概要 (出所:サムスン、以下すべて同様)

半導体の技術的リーダーシップをさらに強化

半導体事業を担当するDevice Solutions(DS)部門の売上高は、前四半期比56%増、前年同期比4.6倍の127兆5000億ウォン、営業利益は前四半期比35.5%増、前年同期比223倍の89兆2000億ウォンでともに過去最高を記録した。このうち、半導体メモリ事業の売上高は、前四半期比62%増、前年同期比5.7倍の120兆8000億ウォンだった。DS部門の売上高は同社の売上高全体の74%を占め、メモリ事業の売上高がDS部門全体の95%を占めた。同社全体の営業利益の99.7%をDS部門が生み出したことになる。一方のスマートフォン(スマホ)、PC、家電製品を扱うDevice eXperience(DX)部門の売上高は前四半期比9%減の48兆ウォン、営業損失は8000億ウォンとなった。

  • ビジネスセグメントごとの業績

    ビジネスセグメントごとの業績

メモリ事業は、HBM4をはじめとしたサーバ向け製品を中心にAI需要への対応をしたことで、サーバ関連の売上高が売り上げ構成比で過去最高を記録したとするほか、HBM4Eのサンプル出荷を主要顧客に開始するなど、技術競争力を高めたことを強調している。

  • メモリ事業の概況

    メモリ事業の概況

下半期についてもメモリ事業がAIインフラへの継続的な設備投資とエージェンティックAIの普及拡大にけん引される形で堅調な成長が期待できるとするが、結果として増産を図っているものの供給不足が続くことが予想されるともしている。

同社のメモリ事業担当副社長のキム・ジェジュン氏は、「2027年はメモリの供給が今年よりも悪化する見通しで、2028年も改善見込みは低い」と述べ、一部の証券市場関係者のAIバブル崩壊懸念を払しょくしたほか、「メモリ不足が続く中、長期販売契約(LTA)を増やしており、すでに大口顧客10社と原則5年間の長期契約を結んでいる」ことも明らかにした。

米国に3番目のファウンドリファブ建設を計画、4番目のファブ建設も検討

システムLSI事業は、フラッグシップ製品の季節変動と中国におけるモバイル需要の低迷の影響を受けたが、モバイルSoCとイメージセンサの販売拡大により四半期売上高を維持し、上半期の売上高は過去最高を記録した。

2026年下半期も、部品コストの上昇と消費者需要の低迷が続くと予想されるが、次世代フラッグシップSoCの販売促進やカスタムSoCの新規受注獲得に向けてセンサおよびLSI製品の競争力強化に注力していくとしている。

  • システムLSI/ファウンドリ事業の概況A@システムLSI/ファウンドリ事業の概況

    システムLSI/ファウンドリ事業の概況A@システムLSI/ファウンドリ事業の概況

ファウンドリ事業の収益は、インセンティブ関連の引当金計上前において、HBMベースダイの需要と米国顧客からの堅調な受注に牽引され大幅に改善。主要顧客の設計受注も拡大しているという。

2026年下半期を見据え、第2世代2nmプロセスによる新型モバイル製品の生産を本格化させるとともに、4nmベースのLPUおよびベースダイ製品の販売拡大を計画している。米国および中国顧客からさまざまなプロセスに対する需要が高まりを見せており、2桁%の成長を目指すとしているほか、先端プロセスの提供とAI/HPC分野の設計採用拡大による中長期的な成長を目指すとしている。

同社のファウンドリ事業担当副社長のカン・ソクチェ氏は決算説明会にて、米国で3番目のファウンドリファブの建設を2026年末よりテキサス州で開始し、2030年より米国で2nmプロセスを増産すると述べたほか、1.4nmプロセス向けファブの建設も検討しているとした。

ディスプレイや車載分野でも成長

同社子会社のSamsung Dispaly(SDC)の業績は、連結売上高が7兆5000億ウォン、営業利益が7000億ウォンだったという。

  • SDCの概況

    SDCの概況

中小型ディスプレイ事業でハイエンドモバイルOLED製品が堅調で収益が改善したほか、大型ディスプレイ事業におけるゲーミングモニターの成長で販売数量と収益の向上につながったという。

2026年下半期については、低消費電力製品と多様なフォームファクターでプレミアムスマホ需要に対応することに注力する予定とするほか、タブレット、ゲーム、車載市場への差別化製品の供給拡大を目指し、8.6G IT OLEDラインのタイムリーな量産化を果たすことで収益の拡大を目指すとともに、大型ディスプレイ事業におけるゲーミングモニターの顧客基盤拡大と製品ラインナップの強化による成長を目指すとしている。を牽引していくとしている。

なお、車載エレクトロニクスを担当する子会社ハーマンは、車載セグメントの売上拡大に加え、ポータブル製品を中心としたオーディオ製品が好調で業績の改善が進んだという。

2026年下半期には、高い成長が見込まれる車載セグメントの需要への対応を目指すとするほか、製品ラインナップの強化とブランド認知度の向上を基盤にオーディオ製品の事業拡大も図るなど、車載事業とオーディオ事業の両方で収益拡大を推進することで、安定した成長を維持していくとしている。