この半導体ニュースのまとめ

・ルネサスが1.155mm角の超小型GreenPAK「SLG46801」のサンプル出荷を開始
・何度でも設定変更できるMTP機能を搭載し、実装後もI2C経由で更新可能
・スマートリングやスマートウォッチ、IoTセンサなどの小型化と部品削減を支援

ルネサス エレクトロニクスは9月24日、アナログ・デジタル混載コンフィギュラブルIC「GreenPAK」の新製品として、マルチタイムプログラマブル(MTP)機能に対応した「SLG46801」のサンプル出荷を開始したと発表した。

  • 「SLG46801」のパッケージイメージ

    「GreenPAK」の新製品「SLG46801」のパッケージイメージ

パッケージには1.155mm×1.155mmの9ピンWLCSPを採用。スマートリング、スマートウォッチ、フィットネスバンド、VRグラス、カメラ、IoTセンサノードなど、実装面積に制約がある小型電子機器への搭載を想定し、量産開始は2026年11月を予定している。

複数のアナログ・デジタル機能を1チップに集約

GreenPAKは、アナログ回路、デジタルロジック、タイミング、システム管理などの機能を、小型かつ低消費電力のICに集約できる製品群で、SLG46801は、2個の高速アナログコンパレータ、設定可能なルックアップテーブル(LUT)、カウンタ・ディレイ機能、10kHzと25MHzの発振器、電圧トレラントGPIO、I2C互換シリアルインタフェースを内蔵する。

  • GreenPAKの製品ラインアップ

    GreenPAKの製品ラインアップ (出所:ルネサス)

複数のディスクリート部品を置き換えるほか、マイコン単体では不足するセンシング、制御、グルーロジック、タイミング機能などを補完できる。これにより、部品点数や基板面積、BOMコストを抑えながら、必要な機能を電子機器へ組み込めるようにする。

基板への実装後も設定変更が可能

SLG46801は、I2Cインタフェース経由で機能を更新できる不揮発性メモリを搭載。同メモリを活用したMTP機能により、最終製品へ実装した後でも、バグ修正や設定変更、動作条件の調整などを行える。機能変更のたびに部品を交換したり、基板を改版したりする必要がなくなり、開発工数とコストの削減につながると同社では説明している。

また、設定データの信頼性を高めるため、オプションとしてCRC-8によるエラー検出とリードバック保護機能も備えるともしている。

1.71V~5.5Vの電源電圧範囲に対応

さらに、動作時と設定時の双方で1.71V~5.5Vの電源電圧範囲に対応する。ルネサスによると、MTP対応GreenPAKとして最も広い電源電圧範囲で、低電圧のウェアラブル機器から5V系を使用する民生・産業機器まで幅広く適用できるという。

GPIOは、I2Cインタフェースを利用したI/O拡張にも対応し、入出力の方向を動的に切り替えられる。マイコンの端子数が不足する場合など、ピン数に制約があるシステムの設計自由度を高めることが可能となるとする。

パッケージは9ピンWLCSPのほか、1.6mm×1.6mm×0.55mmの12ピンSTQFNも用意。基板面積の最小化を重視する用途ではWLCSP、GPIO数や実装時の取り扱いやすさを重視する用途ではSTQFNといった使い分けを想定している。

GUIベースのツールで回路を構成

回路設計には、ルネサスが無償提供するGUIベースの設計環境「Go Configure Software Hub」を活用。設計者はコンパレータやLUT、カウンタ、発振器、GPIOなどの機能ブロックをGUI上で組み合わせ、必要な制御回路を構成できる。プログラミング、エミュレーション、シミュレーションも同じ環境で行えるため、専用ASICを開発する場合と比べて初期費用や開発期間を抑えながら、汎用ロジックICや複数のディスクリート部品を使用する構成よりも小型なカスタム回路を実現できるという。

なお、ルネサスによると、GreenPAKデバイスの世界累計出荷数は40億個を超えているという。今回のSLG46801については、主にウェアラブル機器やIoTセンサをはじめとする小型電子機器に向けて、基板面積と部品点数を削減しながら量産後の仕様変更にも対応できる製品として展開していくとしている。