この半導体ニュースのまとめ

・ASMLが2026年第2四半期決算を発表
・通期見通しの2度目の上方修正を実施
・EUV/DUV露光装置の値上げを検討。すでにTSMCには通達を実施

ASML Holdingは7月15日、2026年第2四半期の決算を発表した。それによると売上高は前年同期比21.3%増の93億2650万ユーロ、純利益は同27.4%増の29億1760万ユーロ、粗利益率は54.0%と、いずれも市場の予測を上回った。

  • ASMLの2026年第2四半期決算概要

    ASMLの2026年第2四半期決算概要 (出所:ASML、以下すべて同様)

露光技術別の売上高割合を見ると、EUV露光装置の販売台数は前四半期と変わらず16台だが、ArF液浸が前四半期比6台増、ArFが同3台増、KrFが同5台増とDUV露光装置の販売台数が増加している。また、出荷先の国・地域別割合を見ると中国が前四半期の19%から14%へと下がった一方、台湾が23%から30%へと伸ばしている。

  • 2026年第2四半期の露光技術別売上高割合

    2026年第2四半期の露光技術別売上高割合

第3四半期も好調が持続、2度目の通期見通しの上方修正を実施

同社は2026年第3四半期の売上高見通しについて、110億~120億ユーロ、粗利益率を55%~57%と予測。この見通しの中央値は前四半期比で23.3%増となり好調が持続することが見込まれる。

好調な業績を背景に同社は2026年通期売上高を430億~450億ユーロとなるとの見通しも発表した。従来見通しは360億~400億ユーロであったため、中間値ベースで16%の上方修正となった。通期見通しの上方修正は今期2度目で、前年比32〜38%増となることが見込まれる。粗利益率の見通しは54%~56%としている。

  • ASMLの年間売上高および最終用途別内訳推移

    ASMLの年間売上高および最終用途別内訳推移

EUV/DUVの生産能力増強を計画

ASMLの社長兼最高経営責任者(CEO)であるクリストフ・フーケ氏は、「第2四半期の総売上高、粗利益率ともにガイダンスを上回った。主に、既存顧客基盤管理事業の売り上げが予想を上回ったことによるものである。AI関連の継続的な投資とAI技術の継続的な進歩により、高度なロジックとメモリの需要が高まり、半導体業界の成長見通しがさらに強化されている。それに伴い顧客も生産能力の拡張を加速させている。その動きがASMLの長期的な需要に対する可視性を高めている」と、AI需要の高止まりに伴う生産能力拡充がけん引役になっていることを強調。上半期の受注状況も好調であり、それを踏まえる形で2026年の従来型EUV露光装置の生産能力(約65台)を2027年に30%増強、2028年にも30%増強する計画を明らかにしたほか、DUV(ArF液浸)露光装置についても2026年の生産能力(約130台)を2027年に30%増強、2028年も30%増強させることも明らかにした。

EUV露光装置の値上げを検討

なお、ASMLのロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)は決算説明会にて、従来型EUV露光装置(NA=0.33)について価格見直しの可能性に言及した。

同氏は「EUV露光装置の生産性(スループットなど)は引き続き向上しており、それが今後の値上げに向けた十分な余地を生み出している」と述べた。ただし、顧客によるリードタイム(顧客による発注からASMLによる納品・検収完了)までの時間が長いため、値上げの効果はすぐには業績に反映されないことも指摘している。

従来型EUV露光装置をもっとも多く採用しているTSMCにはすでにこの値上げ計画が伝えられている模様で、TSMC側からは反発の声がでていると一部のメディアは伝えているが、Samsung ElectronicsやSK hynixなどASMLの主要顧客の業績が軒並み好調であることから、値上げに踏み切る環境は整っているとみられている。