ASMLが4月15日、2026年第1四半期決算を発表した。それによると売上高は前年同期比13%増の87億6700万ユーロ、純利益は同17%増の27億5700万ユーロとなり、7四半期連続の増収増益となった。また、粗利益率は53.0%で、ガイダンスの上限に達したほか、売上高に占めるEUVの比率が前四半期の48%から66%に向上し、業績を押し上げたとする。
また、2026年第2四半期の見通しとしては、総売上高を84億から90億ユーロ、粗利益率は51%から52%と予想しているほか、研究開発費は約12億ユーロ、販売費および一般管理費は約3億ユーロを見込んでいる。2026年通期見通しについては、AI需要が継続するとの見通しから10~20億ユーロ引き上げて340億~390億ユーロへと上方修正しているが、売上高総利益率(粗利益率)は51~53%と従来予想を据え置いた。
なお同社は2025年12月期を最後に新規受注の開示を中止したため、受注額の公開は無くなったが、同社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるクリストフ・フーケ氏は「受注は引き続き好調である」と述べている。
EUVが売り上げの伸びをけん引
装置売上高に占めるEUV露光装置の比率は、前四半期の48%から66%に急増した。また、用途別でメモリ向けが前四半期の30%から51%に急増した。国・地域別では前四半期で36%を占めていた中国が19%に下落した一方、台湾が前四半期の13%から23%に増加、韓国も22%から45%へと急増させている。
中国市場の減速は、地政学的な圧力の高まりによる部分もあると見られている。2026年4月も、米国の議員らがすべてのDUV露光装置に対する輸出規制強化と、エンジニアに対し特定の中国施設での機器保守を禁じる提案をするなど、未だに米国の対中規制強化は続いている。
一方、韓国向け比率が急増した背景について、韓国業界情報によると、Samsung ElectronicsがASMLから10nm以下の先端プロセス向けに約20台のEUV露光装置を確保した模様であるほか、DUV露光装置も含めた露光装置の発注台数は約70台に達するという。これらは主に平沢キャンパスのP5L1(第5製造棟第1ライン)の1c DRAMおよびHBM4の製造に充てられるという。
また、SK hynixもASMLから2年間で11兆9500億ウォン(約1.3兆円)規模でEUV露光装置を調達する予定で、韓国の業界関係者の推定では約24台分だと見られており、主に1c DRAMの量産に使われる見込みであるという。
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韓国大手メモリメーカー2社のEUV露光装置の発注および活用見込み先 (出所:TrendForceがASML、SeDaily、The Elec、Korea JoongAng Daily、DealSiteの情報をもとに作成)
韓国大手メモリメーカー2社のEUV露光装置の発注および活用見込み先 (出所:TrendForceがASML、SeDaily、The Elec、Korea JoongAng Daily、DealSiteの情報をもとに作成)
2033年に向けたEUV露光装置ロードマップを公開
なおASMLは、2月開催の国際学会SPIEにて2033年に至るEUV露光装置のロードマップを公表した。低NA(NA=0.33)EUV露光装置、高NA(NA=0.55)EUV露光装置ともにMMO(マシンマッチングオーバーレイ:半導体リソグラフィ工程において、複数の露光装置間でウェハ上の回路パターンが完全に重なるようにする装置間の位置合わせ誤差)、スループット(1時間当たりのウェハ露光枚数)ともに2033年に向けて継続的に進化させるとしている。


