この半導体ニュースのまとめ

・NXPの車載向けUWBソリューション「Trimension NCJ29D6」がBMW Groupの車両に採用
・BMWのDigital Key Plusに加え、車内に取り残された人や動物を検知するプレゼンス検知にも対応
・セキュアな測距と短距離レーダー機能を1チップで実現し、車載UWBの活用範囲拡大を支援

BMW Groupの車両にTrimension NCJ29D6を展開

NXP Semiconductorsは、同社の車載向けUWB(Ultra-Wideband)ソリューション「Trimension NCJ29D6」ファミリが、BMW Groupの車両に採用されることを発表した。

採用は2026年の一部車両プログラムから開始される予定。Trimension NCJ29D6は、セキュアな高精度測距と短距離レーダー機能を1チップで組み合わせた車載向けUWBソリューションで、BMW GroupのUWBベースの「Digital Key Plus」や、車内プレゼンス検知などに活用される。

  • NXPのUWBソリューションを活用したBMWの車両イメージ

    NXPのUWBソリューションを活用したBMWの車両イメージ (出所:NXP/BMW)

Digital Key Plusでハンズフリーアクセスを実現

BMWのUWBベースのDigital Key Plusは、従来のキーフォブに代わり、スマートフォンやスマートウォッチを車両の鍵として利用できる仕組み。ユーザーが車両に近づくと、UWBによる高精度な測距により、車両が端末の位置を把握し、安全にロック解除を行う。端末を取り出さずにハンズフリーで車両のロック/アンロックを行えるほか、接近時に個別のライト条件やウェルカムシーケンスを起動するなど、パーソナライズされた体験にもつなげられる。

車両アクセス用途では、端末が実際に車両近くに存在することを確認できるため、リレー攻撃などへの耐性を高めやすい点もUWBの特徴となる。

車内プレゼンス検知で取り残しリスクを低減

今回の採用では、Digital Key Plusに加え、プレゼンス検知も重要な用途となるとしている。UWB技術を用いて、車内に取り残された人や動物の存在を検知でき、乗員や動物が残されている可能性がある場合に、車両ユーザーへ警告メッセージを送ることを可能とする。

欧州や中国では、今後の規制要件やNCAPプロトコルにおいて、車内のプレゼンス検知機能が重視される可能性もあり、NXPはUWBベースの車内検知を安全性向上に向けた機能として位置付けている。

1つのUWBシステムで複数用途に対応

Trimension NCJ29D6の特徴は、車両アクセスに必要なセキュアな測距と、車内検知に用いる短距離レーダー機能を1チップで実現している点にあり、これにより自動車メーカーにとってはシステム価値を高めつつ、設計や実装の複雑さを抑えることができるようになることから、NXPでは今後、キックセンシング、侵入アラート、自動充電などといった機能も提供できるようになるとしている。

車載システムでは、ソフトウェア定義型車両(SDV)やコネクテッドカーの進展に伴い、車両とスマートデバイス、ユーザー、周辺環境を安全につなぐ技術の重要性が高まりを見せており、今回のBMW GroupによるTrimension NCJ29D6の採用は、UWBがデジタルキー向けの無線技術から、車両体験と安全支援を統合するセンサ基盤へと広がりつつあることを示す動きといえるだろう。