この半導体ニュースのまとめ

・TrendForceによると、2026年第1四半期のファウンドリ上位10社の売上高合計は前四半期比3.7%増の479億5000万ドルと四半期ベースで過去最高を更新
・AI関連の出荷拡大に加え、テレビやPC向け周辺ICの前倒し発注もあり、例年の季節減速が緩和
・第2四半期もAI向けの需要や価格上昇前の前倒し発注を背景に、売上高が更新されると予測

TrendForceによると、2026年第1四半期の半導体ファウンドリ上位10社の合計売上高は、AIやHPC向け半導体の出荷が好調に推移したほか、テレビやPC向け周辺ICの追加注文による従来の季節的な減速の影響が緩和されたことから、前四半期比3.7%増の479億5000万ドルとなり、四半期ベースの記録を更新したという。

  • 2026年第1四半期ファウンドリ売上高ランキング上位10社

    2026年第1四半期ファウンドリ売上高ランキング上位10社 (出所:TrendForce)

AIサーバ向け需要で増収のTSMC

個社別にみると、首位のTSMCがAIサーバ向けGPUやxPUの需要継続を追い風に、売上高を同6.4%増の約358億6000万ドルと増収を確保。市場シェアも72%まで拡大させており2位のSamsung Electronics(サムスン)との差を10倍以上に拡大した。

その2位のサムスンの売上高(Samsung Foundry、DS部門の売上高のうち、メモリ/自社向けシステムLSIを除く)は、テレビやPC関連からの受注獲得があったもののスマートフォン(スマホ)の季節変動によってほぼ相殺された結果、同5.8%減の32億100万ドルとなり、シェアも6.5%まで低下されている。

3位は中国SMICで、テレビやPC向けの追加注文に加え、2025年下半期に行った一部の8インチ顧客に対する値上げも功を奏し、ウェハ出荷量と平均販売価格(ASP)が前四半期比で小幅に増加。その結果、売上高も同0.6%増の25億500万ドルとし、シェアを5.1%としている。

4位はUMCで、テレビおよびPCサプライチェーン全体における在庫積み増しの恩恵を受けた結果、稼働率とウェハ出荷数量が前四半期比で改善。しかし、8インチウェハの出荷割合が増えたことで、ASPは約5%低下となった結果、売上高は同3.2%減の19億3000万ドルとなり、シェア3.9%にとどまった。

5位はGlobalFoundries(GF)で、家電関連の恩恵が少なく、スマホ関連の季節的な低迷もあり、ウェハ出荷量とASPが低下した結果、売上高は同約11%減の16億3400万ドルとなり、シェアも3.3%に低下させた。

このほか、前回8位だったVanguard International Semiconductor(VIS)がテレビ用ディスプレイドライバIC(DDIC)のASP低下の影響で売上高3億9800万ドルとなり、変わって前回9位のNexchipがテレビ、PC関連需要の増加を背景に売上高を同3.2%増の4億ドルとした結果、8位Nexchip、9位VISと順位が入れ替わった。

第2四半期も過去最高更新へ

なお、TrendForceは2026年第2四半期についても、テレビやPC分野からの早期在庫積み増しの効果が続くと予想しているほか、スマホメーカーの新製品開発サイクルへの突入による受注環境の堅調な推移が見込まれるため、稼働率改善に伴う年後半のウェハ価格引き上げの示唆もあり、前倒し発注が進むこともあり、上位10社の合計売上高はさらに伸び、過去最高を更新する可能性があるとしている。

生成AIとエージェンティックAIの拡大が、先端プロセスノードだけでなく周辺の電源管理製品や成熟プロセスノードにも波及効果を及ぼし始めており、ファウンドリ市場全体の需給と価格形成を押し上げている。今回の調査結果は、AI需要が先端ロジックにとどまらず、サプライチェーン全体の受注行動と価格戦略を変えつつあることを示す内容といえそうだ。