2024年にTSMCが打ち出した「Foundry 2.0」。ファウンドリ、IDM(メモリ除く)、OSATそしてフォトマスクサプライヤまで対象範囲を広げたエコシステムを意味しており、実務的には設計、マスクショップ、前工程、後工程の連携がこれまで以上に緊密になる必要があることを意味している。

ハイテク市場動向調査会社であるCounterpoint Researchのファウンドリ市場調査「Foundry Market Supply Tracker」によると、2025年のFoundry 2.0市場は前年比16%増の3200億ドルと過去最高を記録したとする。先端プロセスと先端パッケージングの両方で、AI向けGPUとASIC需要が堅調に推移したことが背景にあり、TSMCのような専業ファウンドリのほか、主要OSATベンダー各社も受注増の恩恵を受ける形で成長を果たしたという。

  • Foundry 2.0市場における2025年の企業ごとの売上高のシェアと半導体業種別売上高シェア

    Foundry 2.0市場における2025年の企業ごとの売上高のシェアと半導体業種別売上高シェア (出所:Counterpoint Research)

専業ファウンドリの成長をけん引するTSMCと中国勢

ファウンドリ業界トップのTSMCは2025年第4四半期の成長率を前年同期比25%増とし、通年売上高も前年比36%増と高い成長率を達成している。

同社の2026年見通しについては、「TSMCをめぐる議論の焦点が変わりつつある。もはや重要な論点は単なるウェハ生産能力ではなく、システムレベルでの統合である。前工程の微細化がより制約を受ける中で、ボトルネックが後工程へ移りつつある。こうした状況において、先端パッケージング、特にCoWoSが差別化要因となっており、2026年の業績を左右する主要項目の1つになる可能性が高い」との見方を示している。

TSMC以外の専業ファウンドリの2025年の成長率は同8%増と緩やかであったが、業界2位のSamsung FoundryはTSMCの顧客が調達先の多様化模索の動きを見せており、4nmの需要が比較的堅調なことに加え、2nmの立ち上がりが高付加価値な設計案件の獲得につながることが期待され、2026年の成長は確実だと同社では予測している。

そのほか、中国政府主導の国産化推進を追い風にSMICが同16%増、Nexchipが同24%増と2桁成長が維持されると同社では予測している。

IDMの回復はTIとInfineonがけん引

IDM各社も2025年下期に在庫調整の最悪期をおおむね脱し、成長軌道へと戻りつつあり、TIが前年同期比13%増としたほか、Infineon Technologiesは通期で前年比5%増を記録。2026年に向けた成長の安定したベースラインとなると見られると同社では説明している。

OSATは2025年に前年比10%増とし、先端パッケージングの需要の底堅さを示した。特にTSMCの生産能力は依然として逼迫しているため、パートナーの大手OSAT各社がAI半導体の需要の吸収役となっている。

今後もCoWoS-S/CoWoS-Lが先端パッケージのロードマップの中心で、TSMCの生産能力の伸びが限定的である中、顧客はOSATとの提携による追加能力確保を推進しており、先端パッケージ業界全体の生産能力は2026年に前年比で約80%拡大する可能性があるとする。

なお、Counterpointでは先端パッケージングがAI導入を左右する制約要因になりつつあり、顧客が能力確保を急ぐ中、OSATは過去のサイクル以上に構造的に有利な立場にあり、複数年にわたる成長が見通せる状況にあるとしている。