180層・板厚15mmのプリント基板を実現
OKIグループでプリント配線板(PCB)を手掛けるOKIサーキットテクノロジー(OTC)は、AI半導体に搭載される広帯域メモリ(HBM)向けウェハ検査装置用として、従来の124層・板厚7.6mmから約45%の高多層化と約2倍の高板厚化した180層・板厚15mmのプリント基板を設計・生産する技術を開発したことを発表した。
AI半導体の高性能化に伴い、チップごとの信号線の数が増加する一方、プロセスの微細化に伴い、ウェハ上に形成されるチップの数が増加しており、そうした数の増加に対応するために検査装置のプリント基板も高密度化(狭ピッチ化)とより多くの信号処理のために積層数を増やすことが求められている。
しかし、高板厚化に伴って、プリント基板の各層をつなぐビアの特性インピーダンス制御の難易度が上がることや、電源層へのビア貫通による電源性能の劣化、細く長いビアを正確に加工するドリル技術の制約などがあり、これまでの技術では、1枚の超高多層プリント基板で対応できる上限は124層・板厚7.6mmであったという。そのため、将来的な高速・高周波・高密度のデータ転送ニーズに対応することが難しかったという。
60層の基板を3層積層で性能を維持しながら高層化を実現
今回の技術開発では、複数の多層プリント基板の表面のビアとビアを接続する積層接続を用いて、高多層プリント基板を形成する「導電ペースト基板間ビア接続(Sintering paste for via bonding)技術」と、板厚15mmまで対応可能な「超高厚PCB製造技術」を開発することで、こうした課題の解決を可能としたとする。
具体的には、60層のプリント基板を3枚積層接続することで180層・板厚15mmを実現したという。これにより、多層プリント基板ごとに、従来の確立された技術でビア特性制御、信号品質、電源性能の課題に対応できるようになったことに加え、超高多層化と性能・品質の両立も可能としたとする。
なお、同技術は、半導体検査装置用の高多層・高精細・大型プリント基板として、高い設計・生産技術力をベースに長年にわたって製造してきた実績を有する同社の上越事業所において、2026年10月からの量産出荷を目指して、量産技術の確立と設備導入を進めていくとしている。
