SK hynixが4月23日、2026年第1四半期の決算を発表した。それによると売上高は前年同期比3倍の52兆5763億ウォン、営業利益は同5倍の37兆6103億ウォン(営業利益率72%)、純利益は同5倍の40兆3459億ウォン(純利益率77%)で、前四半期でもそれぞれ60%増、96%増、2.65倍と好調であったという。売上高は四半期ベースで同社初の50兆ウォン超えを達成したほか、営業利益、純利益ともに過去最高を更新した。

  • SK hynixの2026年第1四半期の決算概要

    SK hynixの2026年第1四半期の決算概要 (出所:SK hynix)

  • SK hynixの2026年第1四半期決算図解

    SK hynixの2026年第1四半期決算図解 (出所:SK hynix)

同社は、AI用途がエージェントAIへと進むにつれて、メモリ需要がDRAMとNANDの両方で拡大していると分析しており、DRAM、NANDともに、有利な価格環境が今後も継続すると予測。増える需要に対応するべく新製品の投入を進めていくとする。

HBMに関しては性能、歩留まり、品質、供給安定性の全方位で強化していくとするほか、第6世代10nm技術である1c nm DRAMプロセスベースのLPDDR6と192GB SOCAMM2の出荷を強化していくとする。一方のNANDに関しては、絶縁体に電荷を蓄積することでフローティングゲート方式と比べて単位面積あたりのセル面積を削減し、読み書き性能を向上できるCTF(Charge Trap Flash)技術ベースの321層QLCクライアントSSD「PQC21」や、TLC/QLCのエンタープライズSSD(eSSD)製品でAI需要に対応を図るという。

また、供給能力を上回る需要の増加に対応できる安定した供給能力の確保が競争優位性につながるとし、2026年の投資額を前年比で大幅に増加させ、M15Xの本格稼働、龍仁クラスタのインフラ整備、EUVなどの重要機器の確保を進めているとするほか、生産拠点の戦略的な拡大を図っていくことも強調する。

韓国と米国で先端パッケージング工場建設を開始

設備投資としては4月22日に韓国の清州テクノポリス工業団地で、先端パッケージング工場「P&T7」の起工式を開催した。

  • P&T7の起工式の様子

    P&T7の起工式の様子 (出所:SK hynix)

  • P&T7の建設現場風景

    P&T7の建設現場風景 (出所:SK hynix)

  • P&T7の完成予定図

    P&T7の完成予定図 (出所:SK hynix)

P&T7は、 HBMなどのAIメモリ用先端パッケージング工場で、数兆ウォン規模の投資が行われる予定となっている。同工場は同社青洲キャンパスの5番目の生産施設であり、既設の4つの前工程施設(M11、M12、M15、M15X)と連携することで、AIメモリ製造の中核拠点となることを目指している。

また、米国でも4月17日よりインディアナ州で先端パッケージ工場建設に向けた基礎工事が始まったと韓国の経済メディアが伝えている。同社は2024年、同州に約38億7000万ドルを投じ、138エーカー(約56万m2)の敷地にAIメモリ向け先端パッケージング工場の建設計画を公表。本格的な稼動は2028年下半期からで、主に次世代HBMであるHBM4EおよびHBM5といったAIメモリが組み立てられる可能性が高いとされる。

  • 米インディアナ州の先端パッケージング工場の完成予想図

    米インディアナ州の先端パッケージング工場の完成予想図 (出所:SK hynix)

このほか同社はMI5Xについても第2クリーンルームの稼働を2か月前倒しし、2026年3月より開始させたほか、1c DRAMプロセス向けにEUV露光装置20台あまりを追加投入する計画なども打ち出すなど、積極的に生産能力の拡充を推進する姿勢を見せている。