日本山村硝子と山村フォトニクスは4月21日、半導体の先端パッケージ向け大面積ガラスセラミック基板の開発を加速させることを目的に、台湾の工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute:ITRI)ならびに中國製釉(China Glaze)と研究開発、評価・検証、量産までの体制を構築することで合意したと発表した。AIやHPC分野の進展を背景に、次世代半導体材料市場への本格参入を目指す。

次世代パッケージ材料として注目されるガラスセラミック基板

ガラスセラミック基板は、低誘電特性と高い寸法安定性を両立できるとして、従来の有機基板で課題とされてきた高周波領域における信号損失や、熱負荷に起因する反り・変形への対応力向上が期待される先端パッケージ向け次世代基板材料の1つに位置づけられており、演算処理を速めるAIアクセラレータやデータセンター向けGPU、高速通信モジュールなどへの応用が見込まれているという。

  • 先端パッケージングにおけるガラスセラミック基板の適用イメージ

    先端パッケージングにおけるガラスセラミック基板の適用イメージ (出所:日本山村硝子)

今回の連携の狙いは、大面積対応を視野に入れつつ、低誘電特性と機械的信頼性を両立したガラスセラミック基板の実用化にある。その実現に向けて、日本山村硝子が低誘電損失かつ高強度を実現するガラスセラミック材料技術を担い、山村フォトニクスが大面積セラミックシートの成形技術と生産・販売を担当。一方の台湾側ではITRIがTAF認証を取得した高周波電気特性の測定・検証能力の提供やサプライチェーン連携のコーディネートを担い、中國製釉がセラミック基板材料の配合や焼結技術の開発および量産対応を行うとしている。研究開発から評価、量産までをカバーする体制により、実用化を加速する狙いだ。

次世代半導体材料分野への本格参入

すでに日本山村硝子は、2026年1月に開催されたネプコンジャパンにおいて、ITRIと共同開発したガラスセラミック基板の試作品を展示しており、今回の連携は展示段階から量産を見据えたフェーズへの移行と位置付けることができそうだ。

  • ガラスセラミック基板の試作品

    2026年1月に東京で開催された「ネプコンジャパン」に日本山村硝子とITRIが共同開発したガラスセラミック基板の試作品が出展された (出所:日本山村硝子)

山村グループは、ガラスびん事業で培ったガラスおよびガラスセラミックの材料技術を基盤に、エレクトロニクスやエネルギー、医療分野などへ事業領域を拡大してきた。今回の日台技術連携を通じて、半導体先端パッケージング材料市場への参入を加速するとともに、国内外の研究機関・パートナー企業との協業を強化する構えだ。

AI時代の半導体の高性能化には、従来のプロセスの微細化に加えて、後工程における材料や技術の進化がカギを握るようになっている。次世代先端パッケージング材料の候補は複数あるが、その中で今回のガラスセラミック基板の実用化に向けた取り組みが、山村グループにとっての次の成長領域を切り拓く布石となるのかが注目される。