市場調査会社Counterpoint Researchによると、2025年のWFE(Wafer Fab Equipment:前工程製造装置)メーカーの売上高総額は前年比12%増の1430億ドルとなったという。上位5社(ASML、Applied Materials、Lam Research、東京エレクトロン、KLA)だけでも同14%増の1140億ドルとしているほか、2026年の売上高も同約11%増の1591億ドルともAI需要を背景とした設備投資の継続による成長が期待できるとしている。

  • WFEメーカー別の2024年~2026年の売上高

    WFEメーカー別の2024年~2026年の売上高(予測含む。単位:10億ドル) (出所:Counterpoint Research Wafer Fab Equipment Tracker)

全体の6割超を占めるファウンドリ

WFEの売り上げを用途別に見ると、ファウンドリ向けは同8%増と伸び、全体の65%を占めたとする。ファウンドリの顧客がAI/HPC向けチップの需要を高めており、その対応として装置投資を増やしたため。また、ファウンドリ 2.0として見た場合、同16%増の3200億ドルとなり、TSMCのような先端プロセス投資のほか、SMICのような地域プレイヤーの拡大、ASE Groupなどによる先端パッケージングへの取り組み拡大などがけん引したとする。

特に従来はウェハ処理に連動して設備投資が、今後10年はそうしたウェハ処理に加え、チップレット/先端パッケージングの進化により、1チップあたりの装置集約度が高まり、微細プロセスによるチップレットを1チップに集積する動きの高まりから、純粋な前工程のみから、よりバランスの取れたシステムレベルの設備投資へと移行し、パッケージング/検査装置が露光装置などと並ぶ形で急速に成長するとしている。

一方のメモリ向け売上高は同16%増で、主にAI分野からの需要に対応することを目的とした生産能力の拡大が背景にあり、中でもHBM4はベースダイが従来のDRAMプロセスからロジックプロセスへと移行するなどアーキテクチャの大転換をもたらす存在としているほか、今後の微細化によるEUVの適用層数の増加が成膜やエッチング装置などの需要を高めるともしている。

中国の比率が正常化へ

WFEメーカー上位5社における中国市場向け売上比率は、2025年に32%まで低下した。これは地政学的な輸出規制と他地域の投資拡大により相殺されたためで、より市場が「正常化」に向かっているとCounterpointでは指摘している。

また、Counterpointでは、過去10年間でWFE投資は拡大を続け、上位5社の売上高は2015年から2025年にかけて年平均成長率(CAGR)14%で成長したとするほか、この期間は能力増強型の設備投資から技術主導型の設備投資へと本質的な転換が進んだと指摘。単なる生産能力の増加だけでなく、ウェハ1枚あたりの装置集約度が構造的に高まったとしている。

  • WFE上位5社の年間総売上高(単位:10億ドル)の過去10年間の推移

    WFE上位5社の年間総売上高(単位:10億ドル)の過去10年間の推移 (出所:Counterpoint Research Wafer Fab Equipment Tracker)

なお、Counterpointでは、旺盛な需要を背景に先端パッケージ向け投資が進んでおり、2026年にはその生産能力は業界全体で前年比80%増となる可能性があるとしており、ファウンドリ、DRAM/HBM、先端パッケージの3者が半導体投資の主導役となる傾向が少なくとも2030年ころまでは続くとの見通しを示している。