半導体市場動向調査会社の米Semiconductor Intelligence (SI)が、2025年第4四半期(10~12月期)の半導体企業売上高ランキングを発表した。

それによると、同四半期のトップ20社の売上高合計は前四半期比14%増と2桁成長を遂げたとのことで、AI分野に関連する企業の躍進が目立つ。また、WSTSによる2025年に半導体市場規模は前年比25.6%増の7920億ドルとされており、新型コロナからの回復需要で記録した2021年の同26.2%以来の高い成長率となった。ちなみにNVIDIAは2025年11月~2026年1月期の売上高を採用しているほか、Broadcomは集計タイミングで決算未発表のため、事前ガイダンス時の売上高予想の値を採用する形でランキングに入れた状態にある点、およびファウンドリは売上高のダブルカウントを避けるために含まれていない点に注意が必要である。

2025年第4四半期の半導体売上高トップ20に日本企業は3社がランクイン

トップはそのAI分野から最大の恩恵を受けるNVIDIAで前四半期比20%増の681億ドル。2位のSamsung Electronicsが同33%増の300億ドルのため、その差は2倍以上となっている。3位はSK hynixで同34%増の224億ドル、4位はBroadcomで同6%増の191億ドル、5位には同0.2%増の137億ドルのIntelと続く。6位は同21%増の136億ドルとしたMicron Technologyで、13位のキオクシア(同21%増の35億ドル)、17位のSandisk(同31%増の30億ドル)を含め、メモリ企業全体で成長率は同27%増と高い成長率を達成しているが、NVIDIAを除いた非メモリ企業の売上高合計の伸び率は同3%増に留まっている。

メモリ企業を除いた形で7位以下を見ると、7位が123億ドル(同8.7%増)のQualcomm、8位が103億ドル(同11%増)のAMD、9位が48億ドル(同5.7%増)のMediaTek、10位が44億ドル(同6.7%減)のTexas Instruments(TI)、11位が43億ドル(同7.1%減)のInfineon Technologies、12位が39億ドル(同1.7%減)のソニーセミコンダクタソリューションズ、14位が33億ドル(同5.1%増)のNXP Semiconductors、15位が33億ドル(同4.5%増)のSTMicroelectronics、16位が32億ドル(同2.7%増)のAnalog Devices(ADI)、18位が22億ドル(同4.6%増)のルネサス エレクトロニクス、19位が22億ドル(同6.0%増)のMarvell、そして20位が15億ドル(同1.3%減)のonsemiとなっている。なお、これらの成長率は為替の影響を避ける形で現地通貨で計算されている点に注意が必要である。

  • 2025年第4四半期の半導体企業売上高ランキングトップ20社

    2025年第4四半期の半導体企業売上高ランキングトップ20社 (出所:各社決算データを基にSIが作成)

2026年第1四半期は明暗分かれる予測

各社の2026年第1四半期に関するガイダンスを見ると、発表しているメモリメーカー3社(Micron、キオクシア、Sandisk)はいずれも前四半期比で2桁成長を予測しているほか、NVIDIAも同14%増とAI需要が続く見通しを示している。

一方、Intelは同11%減、ソニーも同25.1%減と2桁のマイナス成長予測としているほか、Qualcomm、AMD、MediaTek、NXP、ST、onsemiは季節要因などによる1桁程度のマイナス成長予測としており、NVIDIAを除く非メモリ企業全体の売上高は同4%減となる見込みで、AIにどこまで関わっているかで明暗が分かれる様相が見て取れる。

ちなみにIntelはマイナス成長の要因の1つとしてメモリ不足を挙げているほか、QualcommおよびMediaTekもメモリ不足をマイナス成長の要因として挙げている。米国のハイテク市場動向調査会社IDCも2025年12月にメモリ不足によって2026年のスマートフォン(スマホ)およびPC出荷台数の減少可能性を指摘している。

  • 2026年のスマートフォンとPCの出荷台数見通し

    2026年のスマートフォンとPCの出荷台数見通し。左が2025年11月時点の予測、中央が2025年12月時点の穏健なシナリオ、右が悲観的なシナリオ (出所:IDCの発表資料を基にSI作成)

このほか市場調査会社や機関の2026年通期の見通しは、過去の傾向に基づくCowan LRAモデルの前年比9.5%増やFuture Horizonsの同12%増といった比較的低い予測値を示すグループと、RCD Advisorsの同23%増、WSTSの同26.3%増、SIの同30%増と高い成長率を示すグループに分かれる状況となっている。

  • 主な市場調査会社や機関の2026年見通し

    主な市場調査会社や機関の2026年見通し (出所:SI)

この中でSIが最も高い成長率予測を示しているが、AI需要の高止まりが少なくとも2026年前半までは続くと見ているためで、2025年第3四半期の前四半期比16%増、第4四半期の同14%増に加え、2026年第1四半期も好調な成長が見込まれ、少なくとも2026年通年の成長率は20%を超えると見ており、メモリ不足によるスマホやPC市場への影響も、AI市場の需要に産業機器や自動車の安定成長が重なる形で成長をけん引するものと予想されるとしている。