アドバンテストは4月14日、米国カリフォルニア州サンノゼおよび近郊のサニーベールに、「Advantest Innovation Center(AIC)」をそれぞれ開設することを発表した。
同センターは最先端の研究設備とテスト装置を備えた施設で、同社として初の本格的なイノベーション拠点として、半導体バリューチェーン全体にわたるパートナーとの協業を通じた次世代テストソリューション開発の加速を狙う役割を担う存在となる。
AI・HPC時代で高まるテストの難易度
生成AIやHPCの進展により、半導体デバイスは急速に複雑化している。先端パッケージングの進化やチップレット構成の拡大、データ容量の増大に加え、皮質や信頼性の基準そのものも高度化しており、そうした課題に対応する先進的なテストソリューションの開発が求められるが、そのためにはテスト装置メーカー単独の取り組みでは限界があり、設計・製造・後工程・実装までを横断したサプライチェーン全体の知見を結集、連携させる必要があるという判断が、同センターが設立に至った背景として挙げられる。
「場」の整備でパートナーシップの前倒しを推進
同センターは、最先端の設備やクリーンルームを備え、先端パッケージングや複雑なデバイスアーキテクチャに対応する最新テスト技術と、ウェハテストからファイナルテストまでの各工程をカバーできるソリューションを備えている。また、シリコンバレーという立地も、半導体やIT企業といった同社の顧客が多く本社を構えており、そうした環境を最大限に活用するための戦略的判断といえる。
最大の特徴は、開発の初期段階からパートナーシップを構築することで、参加企業とともに検証・実装を進めることができる点にある。半導体デバイス開発の設計段階からテスト手法を盛り込むことで、的確な知見に基づく長期的なロードマップ策定が可能となるとともに、課題対応に向けた研究開発の方向性を早い段階から整合させることが可能になるという。
アドバンテストは、同センターを通じて、HPCやエッジAIを含む新興市場に向けてワークフローそのものを革新する最先端テストソリューションの提供を目指すとしている。複雑性が増す半導体デバイスに対し、テスト工程を含めていかに早く最適解を見いだせるかが、今後の競争力を左右する。アドバンテストのSenior VPで新規リサーチ基盤推進室を統括する長谷川宏太郎氏も、「高度化する先端パッケージングや複雑化するデバイスアーキテクチャに対応するため、業界横断の連携が今後のイノベーションを加速する鍵になる」と述べている。
同センターの開設は、テスト装置メーカーとしてのアドバンテストが、単にテスト装置を供給する存在にとどまらず、装置を活用する顧客、そしてその先にある最終顧客が製造された半導体デバイスをどのようにシステムとして活用するのかを理解したうえでその信頼性と生産性を提供するパートナーとなることを目指した第一歩と言えるだろう。同社が、米国に協業の場を構えた意味は、そうしたシステムとしての最適解を求めるといった顧客からの要望の変化を先取りした動きとして受け止めることができそうだ。
なお、サンノゼのイノベーションセンターについてはすでに稼働を開始済み、サニーベールのイノベーションセンターについては、2026年夏の開設予定で、すでに主要メーカーやサプライヤとの連携も開始済みだと同社では説明している。