2026年のノートPC出荷台数は前年比2桁のマイナス成長を予測
2026年のノートPC市場は最終市場の需要悪化とサプライチェーンにおける供給圧力に伴うコスト上昇懸念から調整の動きが従来予測よりも深刻化するとの見通しから、当初の年間出荷台数予測であった前年比9.2%減から同14.8%減へと下方修正したことをTrendForceが明らかにした。
マクロ経済における逆風に加え、物価の上昇が消費者の購買意欲を抑制する形となり、消費者市場の回復は期待を下回る状況となっていることに加え、半導体メモリなどの主要部品のコスト上昇が続いており、ノートPCメーカー各社は利益率の維持のために、上昇したコストを徐々に最終価格に転嫁する動きを見せている。
その結果、そうした影響で今後の数四半期にわたって、ノートPCの価格上昇が続くことが見込まれているが、それを見た消費者の購買意欲はさらに低下、様子見の姿勢が強まることで、ノートPCメーカーの出荷ペースも鈍化することが予想されるという。
部品供給とコスト管理の安定性を有する大手が有利に
また、AI向けコンピューティング需要の急速な拡大が半導体資源の配分を変えつつあり、AI/HPC向けに先端プロセスと先端パッケージが優先的に投入される余波で、メインストリーム/エントリーレベルのプロセッサの供給が圧迫される状況となってきている点も、コストの上昇につながるだけでなく、製品供給そのものの安定性を低下させ、製品計画や出荷時期の不確実性を高める要因ともなる。
こうした動きによる構造的な圧力の高まりに伴い、2026年にはノートPCブランド間において二極化が進むことが予想され、規模の経済と長期的なサプライチェーンパートナーシップに支えられた大手ブランドが、部品の安定供給とコスト管理を比較的安定的に維持できる有利な立場になるとTrendForceでは指摘している。
Appleは最近、低価格ノートPC「MacBook Neo」を発表したが、この動きの背景には、自社開発のApple Siliconチップを活用することで外部CPUサプライヤへの依存度を低減し、生産能力の配分やコスト交渉における柔軟性を高めているとTrendForceでは指摘している。また、高度に標準化された製品仕様、合理化されたモデルラインナップ、そして集中化されたメモリ容量と構成により、調達量の拡大を図り、長期契約交渉を優位に進めることを可能としているともする。
こうした低価格帯への進出、積極的な価格戦略の採用、競合他社よりも強力なサプライチェーン管理を維持できる能力などを背景に2026年のAppleのノートPC出荷台数は前年比7.7%増となり、市場全体のトレンドを上回るとTrendForceでは予測している。
一方、小規模なPCブランドについては、価格決定力が限られていることや、部品不足、納期変動の影響を受けやすいなどの課題に直面しており、出荷実績に影響が生じる可能性があるとする。
台数見通しをさらに下方修正する可能性も
なお、市場全体としてTrendForceでは、需要低迷、コスト上昇、サプライチェーン再構築という複合的な課題に直面しており、価格圧力に対する大幅な緩和と最終市場の明確な回復が見られない限り、市場の低迷が続くとしており、出荷予測のさらなる下方修正の可能性もあるとしている。