SEMIは4月13日(米国時間)、SEMIの技術コミュニティであるESD Allianceがまとめた最新の電子設計市場データ(EDMD)に基づいた調査の結果、2025年第4四半期の電子システム設計(ESD)業界の売上高が前年同期比10.3%増の54億6630万ドルとなったことを発表した。直近4四半期の移動平均でも、前年同期の4四半期と比べて10.1%増となっており、電子設計分野がAI需要の拡大を背景に、安定した成長局面にあることが読み取れる。

CAEからSIP、サービスまで幅広く成長

今回示されたデータを読み解くと、製品・アプリケーション別で明暗が分かれていることが見えてくる。

最大市場である「コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)」は、前年同期比5.0%増の18億8740万ドルと堅調に推移した一方、「ICフィジカル設計および検証」は同2.6%減の7億7720万ドルとマイナス成長を記録した。

成長が際立ったのは、「半導体知的財産(SIP)」と「サービス」で、SIPは同18.3%増の20億8320万ドル、サービスは同19.6%増の2億3390万ドルとしており、いずれも4四半期移動平均でも2桁成長を維持していることから、設計資産の再利用や外注化が進んでいる構図が浮かび上がる。

このほか、「PCBおよびマルチチップモジュール(MCM)」も、同1.8%増の4億8460万ドルとわずかながらプラス成長を達成。チップレット化や実装の高度化に伴い、設計段階での基板・パッケージ検討が引き続き重要になっていることがうかがえる。

成長の中心は米州とAPAC、日本は2桁のマイナス成長を記録

国・地域別に見ると、米州の調達額は同13.9%増の24億7350万ドルと、国・地域別でトップとなっているほか、APACも同11.3%増の20億5080万ドルと、いずれも2桁成長を達成しており、市場の重心は明確に米州とアジア太平洋(APAC)にあることがうかがえる。

また、欧州・中東・アフリカ(EMEA)も同9.8%増の6億8340万ドルと堅調に拡大したものの、日本は同18.8%減の2億5850万ドルとマイナス成長を記録。4四半期移動平均でも日本のみが7.4減とマイナスを記録しており、国内では設計投資の慎重姿勢が続いている様子が見て取れる。

従業員数は増加基調も足元では調整懸念

このほか、調査対象企業の総従業員数は、前年同期の6万2833人から、2025年第4四半期には13.8%増の7万1517人へと増加した。ただし、2025年第3四半期比では2.3%減となっており、採用拡大の一服感も示唆されている。需要が急伸する分野に人材が集中している一方で、生産性向上や外部リソース活用によって、急激な人員増を避ける動きが出始めている可能性もある。

ESDの市場規模の推移を四半期別で見ると、全体金額は2023年第3四半期に前年同期比で0.3%減のマイナス成長を記録して以降、9四半期連続でプラス成長を達成してきた。また、四半期総額も2023年第4四半期までは30億ドル台で推移していたものが、2024年は四半期ともに40億ドル規模を計上、2025年に至っては四半期ともに50億ドル台を維持してきた。そうした中にあって、国・地域別でも米州は2024年第2四半期に20億ドル台を突破して以降、20億ドル台を維持してきたほか、EMEAも2024年第3四半期に6億ドルを突破(2023年第4四半期に一度6億ドルは突破したが、2024年第1および第2四半期は5億ドル台に減少)して以降、6億ドル台を維持。APACは2023年第2四半期に15億ドル台を突破して以降、2025年第3四半期に20億ドルを突破するなど、徐々に市場規模を拡大してきたが、日本は3億ドルを突破したのが直近3年で2023年第2四半期、2024年第2四半期、2024年第4四半期、2025年第1四半期だけで、直近3四半期に至っては前年同期比でマイナス成長が継続するなど、市場規模の拡大がなかなか進んでいない状況が続いている。

  • 2022年第1四半期以降の国・地域別の金額推移

    2022年第1四半期以降の国・地域別の金額推移 (出所:SEMI発表資料をもとに編集部作成)

日本政府も半導体設計エンジニアの育成に注力する姿勢を見せるなど、取り組みを進めているが、そういった人材の育成はこれからといったところで、金額の推移にもそれがでてきていると言えるだろう。