米国の代表的な軍需会社であるLockheed Martin(LM)とGlobalFoundries(GF)は、GFが信頼できる半導体チップを製造するための厳格なセキュリティ要件を満たしているという米国防総省の認定を踏まえた戦略的提携を発表した。これによりLMは、国家安全保障上の機密である軍事用半導体を安全で、迅速かつ手頃な価格でGFに生産委託できるようになる。

この提携では、パフォーマンスを向上させる最適化されたチップパッケージングのための3Dヘテロジニアス技術を含む、幅広い先進および次世代チップ技術の共同開発も手掛ける予定だという。具体的には、低電力かつ高速データ転送のためのシリコンフォトニクスや高温動作可能なSi on GaNデバイス、チップレットの共同開発などにも取り組む予定だという。

ニューヨーク州ならびにバーモント州にあるGFのファブは、米国政府から信頼できる製造工場という認定を受けており、陸、空、海、宇宙における米国の最も機密性の高いシステムで使用する安全なチップを製造することが許可されている。これを踏まえて両社は今後、重要な防衛システムに使用される半導体のサプライチェーン強化に取り組んでいくとしている。また、この共通目標のさらなる推進に向け、外部からの資金調達の機会創出や技術開発、米国政府との協力なども行っていくとしており、両社はこの協力関係について、国家的な経済安全保障と国内サプライチェーンを強化するというCHIPS法の目的を直接支援するものであるとしている。

なお、LMの会長 兼 社長 兼 最高経営責任者(CEO)のジム・タイクレット氏は、「LMは、新たな脅威に先んじて顧客を守るための最先端の21世紀のセキュリティ機能の提供に注力している。これは安全に製造された半導体から始まるものであり、我々は国家安全保障上の真の責務である国産マイクロエレクトロニクスへのアクセスを増やすために、GFと協力できることが楽しみである」と述べている。一方のGFの社長 兼 CEOのトーマス・コールフィールド氏は、「GFは、何十年にもわたって米国政府と航空宇宙・防衛産業の信頼できるパートナーであり続けてきた。今回、LMと協力して、ミッションクリティカルなセキュリティシステム向けに信頼性の高い機能豊富な半導体を確実に供給するというニーズの高まりに対応できることを誇りに思う」と述べている。

GFは、CHIPS法の施行以降、国防総省の認定企業として、軍事防衛用半導体チップの受注が増加している模様で、併せて業績も改善傾向にあるという。ちなみに2022年、国防総省は製造能力拡大・投資優先局(MCEIP)を通じて、GFの差別化された45nm SOIプラットフォーム(ニューヨーク州マルタのファブ8)で製造された米国製半導体を戦略的に調達するという1億1700万ドルの契約を締結している。