GlobalFoundries(GF)は10月17日(米国時間)、米バーモント州のエセックスジャンクションの200mmウェハ工場(IBMより譲渡)に対し、次世代GaNチップの生産を促進することを目的として3000万ドルの連邦資金を獲得したと発表した。

同州選出の上院議員であるPatrick Leahyが資金獲得に尽力したという。同資金は、まだ募集や支給が始まっていないCHIPS法によるものではなく、2022会計年度の連結歳出法によるものだという。Leahy氏は、2020会計年度と2021会計年度にもGFでのGaN技術の研究開発のために合計1000万ドルを確保しており、2023年も連邦予算を確保できる見込みだという。

資金の出所は国防総省ながら車載にも注力

この資金の出所は、具体的には米国国防総省のトラステッド・アクセス・プログラムオフィス(Trusted Access Program Office:TAPO)で、ディフェンス・マイクロエレクトロニクス・アクティビティ(DMEA)の一環だという。TAPOの主な使命は、重要かつ機密性の高い兵器システムプラットフォーム用の高度な半導体を調達することで、TAPOは、2019年以来、デュアルユースのGaN on Si開発をサポートしてきた。背景には、GaNが国防総省が米国の技術的優位性を維持するために必要とする高出力、高周波デバイスに適した安定した半導体であり、その安定供給を受けるためだという。GFでは、軍事用のみならず、電気自動車や産業用モーター、およびエネルギーアプリケーションを含む高出力アプリケーション向けGaNチップの製造に今後さらに注力していくとしている。

なお、GFのバーモント工場には、約2000人の従業員がおり、年間60万枚以上の200mmウェハの製造を担当。世界中のスマートフォン、自動車、および通信インフラアプリケーションなどに向けてウェハを出荷しているという。同ファブは 国防総省認定のTrusted Foundry(国防上の機密を守れることが認定されたファウンドリ)であり、米国防総省と提携して、米国でもっとも機密性の高い航空宇宙および防衛システムで使用されるセキュアチップの製造も担当している。