半導体市場調査会社である台TrendForceによると、2022年第4四半期のDRAM市場は前四半期比32.5%減の122億8100万ドルとなったという。同四半期の前四半期比での下げ幅は第3四半期の同28.8%減と比べても大きく、世界経済が大きな金融危機の真っ只中にあった2008年第4四半期の同36%減に近いものだという。

主な要因としては、DRAM価格の急落が挙げられる。第3四半期にDRAMの需要が激減。サプライヤ各社は在庫が急速に積み増されることとなり、第4四半期の大口契約価格交渉で大胆な値引きにより在庫の圧縮を図る動きを見せたという。中でもサーバDRAMの契約価格は、DDR4で前四半期比23~28%減、DDR5では同30~35%減と大きく下げたという。

  • 2022年第4四半期のDRAMサプライヤ売上高ランキング

    2022年第4四半期のDRAMサプライヤ売上高ランキング (出所:TrendForce,2023年3月)

トップ3社ともに契約価格の引き下げで売り上げが減少

DRAMサプライヤのトップ3社(Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technology)はいずれも、2022年第4四半期の売上高が同25%~41%減とマイナス成長を記録した。トップのSamsungは、価格競争を積極的に仕掛けたこともあり、世界的な需要低迷にもかかわらず、出荷を増やしており、結果として売上高は前四半期比25.1%減の55億4000万ドルと、トップ3社の中ではもっとも下げ幅を抑えた。2位のSK hynixのDRAM売上高は同35.2%減の約33億9800万ドルとなったほか、3位のMicronは同41.2%減の約28億2900万ドルと大きく下げる結果となった。

これらトップ3社の2023年の生産計画としては、Samsungは華城事業所のライン15のレガシー生産ラインを最適化する予定であるため、同工場ではDRAMウェハの投入量がわずかに減少する見込み。代わりに、平澤事業所のP3L が、2023年第1四半期にパイロット生産を開始し、同社の総DRAMウェハ投入量の成長を後押しすることとなる。

SK hynixは、2022年第4四半期に生産の削減をアナウンス。そのため、DRAM製造ラインの稼働率は2023年第1四半期の92%から 第2四半期には82%にまで低下すると予測されている。中でも中国・無錫市のファブでの減産が大きい模様である。生産量を増やすのは韓国の利川本社工場M16で、ここはEUVを用いた先端DRAMファブに位置づけられている。

Micronは、台湾と広島ともに生産を縮小している。同社のDRAMライン稼働率は84%に低下、2023年を通してこのレベルに留まると予想されるという。技術面では、Micron広島が1β-nmプロセスでの大量生産を開始したほか、台湾でも2023年内に1β-nmプロセスが導入される予定で、ウェハ投入は2023年半ばからを、量産は2023年後半から行われる予定だという。

このほか、台湾のDRAMサプライヤに関しては、Nanyaはじめ3社とも2022年第4四半期の売上高は前四半期比30%台の減少となった。Nanyaの売上高は、契約価格の急落の影響で同30%減となった。現在、20nmプロセスをメインにDRAMを製造しているが、向上稼働率は約70%程度だという。Powerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)の自社分DRAMの同四半期売上高は約39.5%減となり、Winbondの売上高は同30.3%減となっている。