TSMCは6月8日に定時株主総会を開催し、劉徳音(Mark Liu)会長が、2022年通年の売上高は前年比30%程度の伸びとなるとの見通しを示した。先端プロセス需要が底堅く続くと見ていることが背景にあるという。

また魏哲家(C.C. Wei)社長兼COOが2nmプロセス開発に関して、「技術開発を進めており、試験生産などに注力する」と順調に進んでいることを強調した。

さらに、半導体工場の誘致を進める欧州への進出については、劉徳音氏が、「欧州の顧客は少なく、需要も少なく、今のところ具体的な進出計画はない」と述べたが、これはあくまでも現時点での判断のようである。熊本に進出する際も、決定するまで同様の発言を繰り返していたためである。

このほか、米アリゾナ州に建設中の新工場については、コストが予想より膨らんでいるが、対応できる範囲内にあるとの見方を示したほか、米国の半導体企業への補助金政策については、関連法案がいまだに連邦議会で可決されておらず、一部の経営者や議員が外資への支給に反対しているが、「米国は世界から投資を集める必要があるので、補助金を米国企業に限って支給することは想定していない」と、あくまでも補助金が支給されることを前提とした米国進出であることを強調した。