アットマークテクノは、11月20日~22日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている組込み総合技術展 & IoT総合技術展「ET&IoT Technology 2019」にて、2020年1月より販売開始予定のArmadillo-600シリーズ最新モデル「Armadillo-610」の紹介などを行っている。

Armadillo-610は、先行して販売されているモジュールタイプ「Armadillo-640」の兄弟製品という位置づけで、CPU(NXP Semiconductorsのi.MX6ULL)やメモリなどは同じながら、インタフェース部分を省き、50mm×50mmのモジュール型としたモデル。別途、インタフェースの開発などが可能な拡張ボードも用意されるので、カスタマはそれを用いて、必要なインタフェースとArmadillo-610を組み合わせてシステムを構築することができるようになる。

  • Armadillo-610

    Armadillo-640とArmadillo-610。CPUやRAMなどの仕様は共通。違うのはインタフェースの有無

ブースに居合わせた同社の実吉社長は、「ようやくArmadillo-600シリーズとして、すぐにでも使いたい人向けにArmadillo-640、大量に利用したい人にArmadillo-610といった提案ができるようになった。今後もArmadillo-600シリーズとして発展させていく展開を考えている」とコメントしており、カスタマのニーズを見極めつつ、さらなるポートフォリオの拡充なども図っていきたいとしていた。

また、同社ブースでは参考出展として、Armadillo-640向け「BLE5対応オプションモジュール」も展示されている。これは、Armadillo-640に搭載するだけで、最新規格であるBLE5対応の組み込みプラットフォームを構築できるようにするモジュールという位置づけ。BLEの通信モジュール部分は太陽誘電の実績のあるものを使用しており、オプションモジュールとしてもすでに提供できる体制は整っているとする。参考出展としたのは、対応する通信端末側(ビーコンなど)がまだまだ少ないため、ということで、もしBLE5を活用するなんらかのソリューションを開発したいという人が居れば、対応も可能であるので、アットマークテクノの担当者などに声をかけてもらえれば、としていた。

  • BLE5

    Armadillo-640向け「BLE5対応オプションモジュール」

このほか、同社ブースではCEATEC 2019でもデモを行っていたAzure Sphere対応リモートI/O(IoTアダプタ)「Cactusphere(カクタスフィア)」のデモも行っている。

デモ自身はCEATEC 2019で行ったものと同じターンテーブル上に4本のペットボトルを配置。高さが違う光電センサで、それぞれの本数をカウントするというものだが、発表以降、今あるセンサでIoTをやりたい、というニーズが相当数あることが見えてきたという。ちなみに、正式発売は2020年3月を予定しており、それまでに詳細などが決定されることとなっている。

  • カクタスフィア

    Azure Sphere対応リモートI/O(IoTアダプタ)「Cactusphere(カクタスフィア)」のデモの様子