Dell Technologiesは米国時間2026年5月18日から、米ラスベガスで年次カンファレンス「Dell Technologies World 2026」(以下、DTW 2026)を開催している。

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データセンター関連では、ストレージ・コンピュート・サイバーレジリエンスの各領域でのアップデート、Dell Automation Platformの強化などを発表した。

フラッグシップストレージアレイを2年ぶりに全面刷新する新製品「PowerStore Elite」は、ハードウェア・ソフトウェアの両面で大幅な強化が施された。

CPUの高性能化、メモリの高速化、ソフトウェアの抜本的な改善を組み合わせた結果、旧世代比で最大3倍のIOPS・密度・スループットを実現した。また、運用面ではAI駆動の自動チューニングが組み込まれており、手動作業を最大95%削減できるとしている。

PowerStore Eliteは複数CPUの世代をまたいだ拡張性と、データを移行することなく性能を追加できるデータインプレースアップグレードにも対応。「最後のストレージプラットフォーム」(シニアバイスプレジデント インフラソリューショングループのVarun Chhabra氏)として設計されており、ライフサイクル延長プログラムにより経済性とアップグレードプロセスの簡素化も図る。

ハイパーバイザーのサポート面でも幅広い柔軟性を確保しており、VMware by Broadcom、Red Hat、Nutanix、Microsoftのいずれにも対応。仮想化戦略が流動的な現在の市場環境において、顧客がベンダーロックインなくプラットフォームを選択できる基盤となる。

新世代のPowerEdgeが登場、量子耐性ファームウェアも搭載

Dell PowerEdgeの新世代となる新サーバー群も発表された。発表されたサーバーファミリーは3系統ですべてのサーバーにAI対応が組み込まれている。

AIトレーニングや最大級のGPUワークロード向け「XEシリーズ」、Power Rack 7000に対応しラック密度最大480キロワットをサポートする「M9825を含むMシリーズ」、シングル・デュアルソケット構成で幅広いワークロードをカバーする「Rシリーズ」だ。

前世代比で最大70%の性能向上を実現し、シングルソケットプラットフォームがデュアルソケットのワークロードを引き受けられるようになったことで、旧世代サーバーとの比較で最大13:1のサーバー統合率を達成できるという。Chhabra氏は、Dellがこれまでに出荷した中で「最も広範なシングルソケットラインアップ」と述べた。

また、量子耐性ファームウェアとセキュアブートも全モデルに搭載した。2027年から連邦機関や規制産業に適用されるポスト量子暗号要件に先行して対応した格好だ。

サイバーレジリエンスの領域では、「PowerProtect One」と「Dell Cyber Detect」を発表した。

「PowerProtect One」は、PowerProtect Data ManagerとPowerProtect Data Domainを単一の制御プレーンに統合したサイバーレジリエンスプラットフォームだ。オープンアーキテクチャを採用し、導入時間を最大75%短縮、管理オーバーヘッドを最大50%削減できるとしている。業界最高水準の75:1のデータ重複排除率を誇り、世界で650エクサバイト以上のデータをPowerProtectシステムで保護しているという。

Dell Cyber DetectはAIを活用したフルコンテンツベースの分析により、メタデータやシグネチャに頼らずデータをバイトレベルで検査、99.99%の精度で整合性を検証するという。PowerStoreおよびPowerMaxのプライマリーストレージと、サイバーリカバリーボールト内のイミュータブルなバックアップの両方を検証できるため、ランサムウェア攻撃後のリカバリーの確実性を高めるとした。

Dell Automation Platformに「AIエージェント層」が追加

ITインフラ運用の「Dell Automation Platform」では、新たにエージェントAI層を追加する。ストレージ・コンピュート・ネットワーク全体からテレメトリを収集し、AIエージェントが継続的に分析することで問題を事前に検知・解決する。

IT担当者は自然言語でタスクを記述するだけで、保守や最適化を自動的にスケジュール・実行できる。自然言語で必要なメトリクスやコンテキストを得られる生成AIベースのUI「Intelligent UX」なども加わった。

「Dell Private Cloud」はハイパーバイザーサポートを拡充し、VCF 9.1・Nutanix(PowerStore連携を含む)・Microsoft Azure Local対応を新たに追加。従来型HCIモデルと比較して65%のコスト削減を実現できるとしている。

エッジ・分散環境向けの「Dell Distributed Private Cloud(旧Dell Native Edge)」も強化され、ゼロタッチデプロイメントによる迅速なサイト展開と、数千拠点にわたるワークロードの自動オーケストレーションを実現する。

さらにDell Private CloudやDistributed Private Cloudの上にカスタムの自動化処理を構築できる「Automation Studio」も加わった。パッケージソフトウェア・内製ソフトウェアを問わず、あらゆるワークロードの自動化・オーケストレーションに適用できる。

このほかにも、「Dell Integrated Rack Controller(IRC)」の強化、冷却液分配ユニット「Dell PowerCool CDU-C7000」など、多数の新製品や強化が発表された。