ハイテク市場調査会社である米Compass Intelligence は、AIチップセットのハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアを提供している企業を業績、マーケット状況、データ分析をはじめとする独自の複数指標に基づき評価した、2019年版AIチップセットランキングを発表した。

同社がここで規定しているAIチップセットとは、CPUやGPUのほか、ニューラルネットワークプロセッサ(NPU)、特定用途向けIC(ASIC)、FPGA、各種アクセラレータなどとなっている。

トップは日本でも謎の半導体企業として一世を風靡したNVIDIA。TeslaやDGXといったソリューションを展開しており、近年はJetsonシリーズを組み込み用途などに普及させようとしている。

なお、Compass IntelligenceのシニアアナリストであるNadine Manjaro氏は「NVIDIAは今のところAIチップセット分野でトップの総合評価を得ているが、AppleのA12や、GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)、AWSのInferentiaなど新規参入組のAIチップが追い上げている。さらにはHorizon Robotics、GraphcoreおよびWave ComputingのようなスタートアップもAI市場に参入してきており、競争が激化している。データセンターは、AIチップセットにとってもっとも大きな収益成長分野であったが、クラウドの容量が過剰になってきたのとAmazonなどが独自のチップを使用するようになったため、今はビジネスが冷え込んでいる。一方で、エッジコンピューティングに対する注目が高まっており、同市場の活発化はこの減速を相殺する可能性がある」としている。

  • AIランキング

    2019年版のAIチップセットサプライヤランキング。11位は米Broadcom、12位に台MediaTek、13位にSamsung Electronics、14位に米Amazon、15位にMicrosoftが入っている。15位までに日本企業の名前は入っていないが、9位の英Armの親会社(持株会社)としてソフトバンクが挙がっている (出所:Compass Intelligence)