ジャパンディスプレイ(JDI)は12月4日、戦略発表会「JDI Future Trip」を開催。レッドブル・エアレースのパイロットで2017年のワールドチャンピオンである室屋義秀選手と、技術連携を図っていくことで合意したことを明らかにした。

今回の技術連携は、JDIが8月に発表したヘッドアップディスプレイ(HUD)をヘルメットのバイザー部分に設置、そこにさまざまな情報を表示する「XHD-01 スパルタ」の技術に興味を持った室屋選手側からの打診を受けて実現したもの。

既報のとおり、2018年シーズンの室屋選手の最終成績は5位となり、連覇はならなかった。各大会ごとに機体の改良を行なうなど、そのたびに変化する機体の特性に苦心するシーズンだったとも言える。実際に、本戦において「インコレクト・レベル」(機体を水平にせずにゲートを通過)のペナルティであったり、「エンジン回転数オーバー」や「オーバーG」による失格も経験するなど、ほんのわずかな操作の違いによる影響がもろに成績に反映されたこともあり、室屋選手が、こうした技術に興味を示したこともうなずける。

JDIでは、「極限の環境下における操縦技術精度の向上を目指した技術提携」と今回の提携を表現するほか、JDI 常務執行役員 CMOの伊藤嘉明氏も「必要な情報を瞬時に取れるようになることが最高の操縦パフォーマンス向上を支援につながる」と説明。2019年シーズンでのチャンピオン奪還に向け、すでにテストを開始しているとのことで、今後もJDIとして、室屋選手を技術的な面でバックアップしていければ、としていた。

  • JDIが室屋選手を技術支援

    ディスプレイ技術で極限環境における操縦パフォーマンスの向上の支援を目指す。登壇しているのはJDI 常務執行役員 CMOの伊藤嘉明氏