この半導体ニュースのまとめ

・パワー半導体向けウェハ市場は2035年に8168億円と2025年比2.9倍に拡大
・中国需要を背景にSiCベアウェハが市場成長をけん引
・SiC/GaNウェハ加工市場も8インチ/12インチ化で拡大が見込まれる

富士経済は、パワー半導体向けウェハおよびSiC/GaNウェハ加工装置市場の調査結果を調査レポート「2026年版 パワーデバイス向けウェーハ/加工装置市場の最新動向・技術トレンド」としてまとめたこと、ならびにパワー半導体向けウェハ市場が2035年に8168億円と、2025年比で約2.9倍に拡大するとの見通しを示した。

  • パワー半導体向けウェハ各種の市場推移予測

    パワー半導体向けウェハ各種の市場推移予測 (出所:富士経済)

SiCウェハが市場拡大をけん引

現状のパワー半導体市場はシリコンウェハとSiCベアウェハが大半を占めているが、その中で市場の成長をけん引しているのはSiCとなる。

特に中国のウェハメーカーによる積極的な展開と、中国国内の旺盛な需要を背景にSiCベアウェハ市場は拡大傾向にあり、市場全体の成長ドライバーとなっている。

一方でシリコンウェハは、IGBTやMOSFET向け需要はあるものの、パワー半導体の在庫調整の影響を受け、短期的には伸びが抑制されている状況にある。

大口径化が成長を後押し

今後のパワー半導体市場の成長の鍵を握るのがウェハの大口径化となる。

シリコンでは従来の6インチ・8インチに加え、自動車や電装用途の拡大を背景に12インチへの移行が進むと見られている。またSiCも、主流の8インチに加えて12インチの開発が進んでおり、生産性向上に向けた動きが加速している。

次世代材料の開発も進展

また、GaNや酸化ガリウムといった次世代材料も、今後の実用化と大口径化により中長期的に市場拡大が見込まれているほか、ダイヤモンドや窒化アルミニウム、二酸化ゲルマニウムといった次々世代材料の研究開発も進んでおり、特にダイヤモンドウェハは2026年ごろから採用が本格化するとみられている。

加工装置市場は一時的に縮小

一方のSiC/GaNウェハ向け加工装置市場は2025年に前年比24.0%減の117億円となり、一時的な縮小局面にある。

これは2023年前後の需要拡大に伴う設備投資の反動減によるもので、ワイヤーソーやグラインダーで過剰発注の影響が顕在化したためだという。

今後については、2027年から2029年にかけては再び拡大が予測されており、背景にはSiCウェハの普及と8インチ化の進展に伴い、中国および北米を中心に加工装置需要が増加することが見込まれるためだとする。

特にポリッシャ市場は、8インチ化に加えて12インチ化の進展も重なり、2035年には310億円と2025年比6.2倍の成長が予測されているという。

  • SiC/GaNウェハ向け加工装置市場推移予測

    SiC/GaNウェハ向け加工装置の市場推移予測 (出所:富士経済)

なお、今回の調査対象となったウェハは「シリコンウェハ」、「GaNウェハ」「窒化アルミニウムウェハ」「SiCベアウェハ」「酸化ガリウムウェハ」「二酸化ゲルマニウムウェハ」「SiCエピウェハ」「ダイヤモンドウェハ」の8品目、加工装置は「ワイヤーソー」「グラインダー」「ポリッシャ」の3種類が対象となっている。