米IC Insightsは、2018年の電子機器市場は前年比5%増となる1兆6220億ドルに達するほか、半導体市場も同14%増の5091億ドルと史上初めて5000億ドルを超すと、市場予測の更新を行なったほか、併せて、2018年の電子機器への半導体搭載率(電子機器製造原価に占める搭載半導体価格の割合)は、史上最高比率を達成した2017年の28.8%を上回る31.4%に達するとの予測も公表した。

  • 電子機器への半導体搭載率(%)の変遷

    電子機器への半導体搭載率(%)の変遷(2018年以降は予測) (出所:STMicroelectronics、TI、IC Insights)

歴史的に、電子機器市場より半導体市場のほうが成長率が高いのは、電子機器に搭載される半導体の価値が向上したり、数量が増加しているためである。2018年の携帯電話の出荷数量は前年比1%減、自動車は同3%増、PCは同1%減とアプリケーション市場そのものは大きな成長が見えないが、その中で半導体市場が2桁成長を遂げているのは、これらの機器に搭載される半導体の数量や種類が増加するためである。

過去30年にわたって半導体を搭載する機器は増加傾向にあるが、2018年の電子機器への搭載率の増加は、主に半導体メモリの平均販売価格(ASP)の急騰と、それに伴う電子機器のASPの上昇によるものであると予想される。また、半導体搭載率は 2020年に30.2%に一度下落した後、2022年に再び31.5%へと上昇するとIC Insightsでは予想しており、2022年までの予測期間を通じて半導体搭載率が30%を下回ることはないとしている。

ただし、電子機器への半導体搭載率の上昇は限界がある。半導体のみで電子機器は構成されるわけではないためで、IC Insightsでは、将来、どこかで最終的な上限に達するならば、半導体産業の年間平均成長率は、電子機器市場の年間成長率である年間約4~5%に近づくことになるとしている。