成田国際空港(NAA)は6月13日、成田空港のさらなる機能強化として新たな滑走路を整備すること等に関する計画段階環境配慮書を公表。環境保全の見地から、一般に意見書を求めている。
NAAは現在、首都圏の航空需要に対応していくため、空港の発着容量を拡大させるとともにより利便性の高い空港を目指し、成田空港のさらなる機能強化について検討を行っている。同配慮書は環境影響評価法の規定に基づいてとりまとめられたもので、6月9日付けで、国土交通大臣、千葉県知事、成田市長、芝山町長、多古町長、横芝光町長、山武市長、茨城県知事、河内町長及び稲敷市長宛てに送付。6月11日には先行して日刊新聞紙8紙(朝日、読売、毎日、日経、産経、東京、千葉日報、茨城)で公表され、13日よりNAAのホームページで公表された。
羽田空港の空港処理能力は年間44.7万回、運用実績は年間42.6万回(2014年実績)、成田空港は空港処理能力が年間30万回、運用実績は年間23.2万回(2015年実績)であり、航空需要は増加傾向にある中で、2020年代前半には現在の両空港におけるの処理能力約75万回のほぼ限界に達する見込みとなっている。そのため、成田空港は主都圏の国際競争力の強化、訪日外国人旅行者のさらなる増加への対応、国内各地への経済効果の波及等につなげることを目的とし、滑走路の新設・延長を伴う飛行場およびその施設の変更の事業を掲げている。
滑走路の新設案はセミオープンパラレルで2案ある。ひとつは、到着専用滑走路として2,700mのC(第3)滑走路を新設し、既存のB滑走路を出発専用滑走路とするために2,500mから3,500mに延伸する。もうひとつは、南風時の出発専用滑走路として3,500mのC滑走路を新設し、既存のB滑走路を北風時の出発専用滑走路とするために2,500mから3,500mに延伸する。この計画で、年間約4万回から約16万回の発着回数増が見込まれるという。
事業実施想定区域およびその周囲における影響に関しては、騒音や水質、動植物、生態系、廃棄物、温室効果ガス、文化財、飛行コース等の観点から検討していく。
同配慮書の縦覧期間は6月13日~7月15日(土日曜日を除く)の9時~17時で、成田国際空港の機能強化ホームページにおいても閲覧可能。意見書の提出は意見書の提出は7月15日までで、FAX、メール、郵送で受け付けている(FAX、メールの場合は7月15日17時まで、郵送の場合は7月15日の消印まで有効)となり、意見書の応募先など詳細はホームページを参照。