給湯器の修理が必要になる症状
給湯器の修理が必要な症状には下記のようなものがあります。
- お湯になるまで時間がかかる
- お湯の温度が安定しない
- 給湯器から異音が聞こえる
- 給湯器から水漏れが起きている
- エラーコードが表示されている
一つずつ詳しく解説していきます。
お湯になるまで時間がかかる
お湯になるまでに時間がかかる場合、修理が必要になる可能性が高く、主に以下のような原因が考えられます。
- 給湯器の点火不良
- 給湯器の号数が小さく、給湯能力が足りない
- 給湯器を設置した場所とお湯の供給場所が離れている
- 給湯器の寿命
給湯器の点火不良
お湯が作られる過程において、給湯器内部の部品の不具合によって点火不良が起こるとお湯になるまで時間がかかってしまいます。
給湯器の点火不良の場合は、給湯器に「111」や「11」とエラーコードが表示されるため、給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていないかを確認してください。
エラーコード111に関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてください。
給湯器の号数が小さく、給湯能力が足りない
給湯器には号数という給湯能力を示す数値があり、これが使用状況と見合っていないとお湯が出るまでに時間がかかります。
そもそも給湯器の号数とは、「1分間に水温+25℃のお湯をどのくらいの量を出すことができるか」を数値で示したもので、号数が高くなればなるほど、給湯能力は高くなります。
家庭用の給湯器では16号、20号、24号が主に使用されており、目安として4人家族の場合は20号以上、一人暮らしの場合は16号程度の給湯器を選ぶと余裕を持ってお湯を使用できますが、家族構成に見合っていない号数の場合、お湯の供給が間に合わず、お湯になるまで時間がかかる可能性があります。
給湯器を設置した場所とお湯の供給場所が離れている
給湯器を設置した場所とお湯の供給場所が離れていると、給湯器とお湯の供給場所をつなぐ配管は長くなり、お湯が出るまでに時間がかかります。
配管内には水が溜まっていますが、お湯が出るためには配管内に溜まっている水が全て押し出されてからお湯が出るため、給湯器とお湯の供給場所が短い家と長い家ではお湯になるスピードに違いがあります。
給湯器の寿命
給湯器の寿命・耐用年数が近づいているとお湯になるまでに時間がかかってしまいます。
給湯器の寿命は一般的に10年程度と言われているため、10年に近い年数を使用している給湯器であれば、部品等が経年劣化をおこしてしまい、お湯が出にくくなってしまうため、長期間使用している給湯器に関しては寿命が原因であることも考えられます。
給湯器の寿命に関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。
お湯の温度が安定しない
お湯の温度が安定しない場合は、給湯器の修理が必要である可能性がありますが、別の可能性として水栓に不具合が発生している可能性があります。
お湯の温度が安定しないと感じた際、まずはその症状が家全体で起こっているのか、または特定の場所のみで起こっているのかを確認することで、原因をある程度絞ることができます。
例えば、普段お湯を使用する場所であるキッチンや風呂場、洗面所などでお湯の温度が安定するかを確認し、家全体ではなく一部の場所のみで起こっている場合は、温度を調節する水栓の不具合である可能性があります。
しかし一方で、家全体でお湯の温度が不安定になっている場合は、給湯器の不具合である可能性があるため、修理を検討しましょう。
ちなみにお湯の温度トラブルについてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてみてください。
給湯器から異音が聞こえる
給湯器は不具合以外でも音はなりますが、聞き慣れない異音が聞こえた場合、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
具体的には、以下のような音がした場合は注意が必要です。
- ・小さな爆発音のような音
爆発したような音の後にガスの匂いがした場合は、ガス漏れや不完全燃焼の可能性があるため、速やかに使用を停止し、業者に連絡してください。
- ・笛のような音
ファンモーターに不具合が起こっている場合があります。
- ・共鳴音のような音
こちらはウォーターハンマー現象といい、配管の破裂に繫がる可能性があります。
給湯器から聞こえる異音についてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
給湯器から水漏れが起きている
給湯器から水漏れが起きている場合、修理が必要になる可能性もありますが、不具合ではなく自然現象の場合も多いため、まずは以下を確認してみてください。
一つ目は、貯水タンクの中の水がお湯に変わる際に起こる熱膨張による水漏れで、水がお湯に変わる際は熱膨張が起こり、体積が膨張しますが、その膨張した分のお湯が排出される際に、水漏れのように見える場合があります。
二つ目は結露が水漏れのように見えてしまう場合で、結露は外気の温度が下がった場合に、タンクの中の水との温度差により発生するもので、それが水漏れのように見えることがあります。
どちらも水漏れではありませんが、上記にあてはまらないケースは要注意です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
エラーコードが表示されている
給湯器本体やリモコンに、数字3桁または2桁のエラーコードが表示されることがあり、種類によっては修理が必要な場合があります。
実際に点検が必要になる、よく表示されるエラーコードは以下のとおりです。
- ・エラーコード「888」、「88」
「888」や「88」と表示される場合は、不具合ではなく、点検時期をお知らせしているものです。
こちらのエラーコードは不具合ではないため直ちに影響はありませんが、一定の使用期間や使用回数を超えた場合に表示されるため、近いうちにメーカーへ点検の依頼をすることをおすすめします。
- ・エラーコード「111」、「11」
また「111」や「11」は点火不良を表すエラーコードです。先程記したように、給湯器が何らかの原因で点火ができず、お湯が出ないなどの不具合が発生している状態です。このエラーコードは給湯器本体以外の不具合が原因の場合もあり、その場合はご自身で解決できる可能性があります。
これ以外にもエラーコードは数多くあるため、表示されたエラーコードを取扱説明書やメーカーのホームページで調べ、対処方法を見つける必要がありますが、基本的にはどこのメーカーの給湯器を使用している場合でも、エラーコードが示すエラーは同じものになります。
リンナイ、ノーリツ、パーパス、パロマ、長府製作所など、メーカーにより表記方法は異なってきますが、基本的にエラーコードの原因や対処方法は同じですので、使用している給湯器のメーカーを把握し、ウェブサイトにてエラーコードを調べてください。
症状別の修理方法
給湯器の修理が必要な原因をご紹介しましたが、次に以下の症状に対する具体的な対処方法や修理方法についてご紹介します。
- お湯になるまで時間がかかる場合
- お湯の温度が安定しない
- 給湯器から異音が聞こえる
- 給湯器から水漏れが起きている
- エラーコードが表示されている
お湯になるまで時間がかかる場合
お湯になるまで時間がかかる場合はその原因により対処方法が異なります。
点火不良が原因の場合の対処法
点火不良が原因の場合は、給湯器にエラーコードが表示されますのでその場合は取扱説明書やメーカーのホームページにて対処法が提示されているため、そちらに従い、それでも直らない場合は、業者に依頼する必要があります。
給湯器の給湯能力が原因の場合の対処法
給湯器の給湯能力が原因の場合は、不具合ではないため、必要な給湯能力が備わっている給湯器を購入する必要があり、4人家族の場合は20号以上、一人暮らしの場合は16号程度を目安とし、給湯器を選ぶとストレスなくお湯を使用することができるでしょう。
給湯器の設置場所が原因の場合の対処法
給湯器の設置場所が原因の場合は、故障ではないのであまり気にする必要はありませんが、気になる場合は設置場所を変更するしかないため、一度メーカーや業者に相談してみることをおすすめします。
給湯器の寿命が原因の場合の対処法
給湯器の寿命が原因の場合は、お湯になるまでに時間がかかるだけでなく、その他にも不具合が出てくる可能性が高いため、一度修理業者に依頼し、状態を見てもらうことをおすすめします。
状態によっては修理ではなく交換した方が良い場合もあるため、交換も念頭に置いておくと安心でしょう。
お湯の温度が安定しない
キッチンや風呂場、洗面所など、特定の場所のみでこちらの不具合が起こっている場合は、給湯器の不具合ではないため、水栓の修理業者に相談すると良いでしょう。
一方で、家全体でお湯の温度が不安定になっている場合は、給湯器の不具合である可能性が高いため、給湯器の修理業者に問い合わせ、修理や交換の依頼をしましょう。
どちらによる不具合か不明確な場合は、念のため水栓業者と給湯器の業者、両者に相談しておくか、どちらも対応してくれるような業者に依頼すると安心です。
給湯器から異音が聞こえる
給湯器から異音が聞こえた際は、どのような危険があるかわからないため、一度電源を落とし、使用を中止してください。
異音とガス臭が同時に発生しているという状況はガス漏れの可能性や、不完全燃焼の可能性があるため、速やかにメーカーや修理業者に相談してください。
給湯器から水漏れが起きている
貯水タンクの中の水の熱膨張により水漏れのように見える、または結露が原因の場合も、不具合ではなく自然現象であるため、一定時間が経過すればおさまります。ただし、寒冷地などに設置されているために結露が発生している場合は、寒冷地用の給湯器の購入を検討することもおすすめです。
給湯器は、寒冷地や海沿いをはじめとした、特殊な環境に適応したものも販売されていますので、お住まいの環境に適応した給湯器を使用することにより、今より快適に、長持ちさせることができます。
一方で、環境による自然現象が原因ではない場合、給湯器本体や配管の不具合が原因である可能性が高く、修理や交換が必要になりますので業者に点検を依頼する必要があります。
経年劣化の影響で本体や配管に亀裂などが入ることもあり、衝撃などによる部分的な亀裂の場合は修理で済むこともありますが、経年劣化により全体的に傷んでいる場合は交換する方が良い場合があります。
その理由として経年劣化が進んでいるということは、給湯器を長く使っているためその他の部分にも不具合が起こる可能性があり、今回修理をしても別の箇所が故障してしまうというケースも少なくないため、結果的に修理を繰り返すよりも交換をした方が安上がりになる場合があります。
ですので、水漏れを確認した場合その原因を見つけ、仮に亀裂が入っていた場合は、業者に連絡すると共に、業者が到着するまでは水漏れを防ぐために止水栓を閉めておきましょう。
エラーコードが表示されている
エラーコードが表示された場合の修理方法は表示されるエラーコードによって違うため一概には言えませんが、原因により自身で対処できる場合もあります。
例えば「111」や「11」のエラーコードが表示され、大雨や強風、多湿時に給湯器の排気口から水が入り込んでしまったり、強風や多湿により点火不良を起こしている場合は、天気の回復を待ち、給湯器本体のリセットとリモコンのリセットを行うことで対処できる可能性があります。
給湯器本体のリセットは、給湯器の電源プラグを一度抜き、数秒後に再度挿し込む、リモコンのリセットは、リモコンの電源を一度落とし、再度電源を入れる事でリセットができます。
また、「111」や「11」のエラーコードは、ガスの遮断により起こることも多く、ガスの遮断の原因はガス栓の閉栓や、ガスメーターの遮断、ガス切れなどですので、ガスが遮断された状態でお湯を出そうとすると点火不良と判断されこちらのエラーコードが表示されます。
この場合は、ガス栓を開栓や、ガスメーターの遮断解除の操作を行うことで解決できることが多く、それでも解決できない場合はガス切れなどの可能性があるため、ガス会社へ問い合わせが必要となります。
最後に、原因が上のどちらでもない場合は、給湯器の不具合が考えられます。内部の部品のどこかが故障してしまっている可能性があるため、メーカーや給湯器修理業者への修理依頼が必要になります。
ちなみに各メーカーのエラーコード内容はこちらにまとめてありますので、参考にしてみてください。
修理にかかる費用の相場
給湯器の修理にかかる費用は不具合が起こっている場所によって変わりますが、おおよそ7,000円から1万7,000円程となっており、部分的な修理の場合は、このようにあまり高額にならない場合が多くなっています。
またメーカーの保証期間内である場合は修理費用が無償となる場合も多く、そのため給湯器の耐用年数でもある10年までまだ時間がある・他の場所に不具合がないという場合は、修理で済ませると経済的負担も少なくて済みます。
また、修理代に加えて、多くの業者の場合数千円の出張費が掛かります。
一方で、交換にかかる費用は、給湯器本体を購入する際に発生する費用と、工事費用の2つで、給湯器本体はおおよそ6万円から、高いものだと数十万円程度で、工事費用は3万円から6万円程度が相場と言われています。
本体の種類や性能により価格が大幅に変わってくるため、交換を検討する場合は一度メーカーに問い合わせることをおすすめします。
ちなみに、給湯器の修理にかかる費用についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
修理と交換の判断基準とは
給湯器を修理するか・交換するかの判断基準としては以下のような項目を確認してください。
- メーカーの保証期間を確認
- 修理が必要な部品の確認
- 使用年数の確認
メーカーの保証期間を確認
メーカーの保証期間内であれば、ほとんどの場合無償で修理を受けることができますので、保証期間を確認しましょう。
メーカーの保証は購入後1年から3年であることが多く、寿命・耐用年数が8年から10年とされている給湯器の場合、メーカーの保証期間内であれば、寿命も十分に残っていると考えられます。
そのためメーカーの保証期間内である場合は、修理を行うことでしばらくは問題なく使用できる可能性が高いため、交換よりも修理で対応しましょう。
修理が必要な部品の確認
修理が必要な部品がどのくらいあるのか、どんな働きをする部品なのかを確認しましょう。
部分的な修理の場合、修理費用もあまり高額にならないケースが多く、交換よりも安い金額で給湯器が使えるようになるため、かかる費用が少額であれば修理の方がお得です。
一方で、給湯器内部の修理となると修理費用が高額になる傾向があるため、その場合は交換してしまった方がお得になる可能性もあるため、交換することも検討しておきましょう。
使用年数を確認
給湯器の寿命である8年から10年ほど既に使用している場合は修理だけではなく交換も視野に入れておきましょう。
例えば、今回発生した不具合は修理で直すことができるかもしれませんが、寿命が近づいている給湯器であれば経年劣化により他の場所の不具合がまたすぐに起きてしまう場合があり、せっかく修理したのに、すぐに他の場所で不具合が起きてしまう可能性があります。
何度も修理をすることにより結果的に修理費用が高くついてしまったり、問題なく使えたとしても経年劣化により燃費が悪くなり、ガス代や水道代が高くなってしまったりする可能性があるため、長い目で見ると寿命が近づいている給湯器の場合は交換してしまった方がお得なケースもあります。
このように修理と交換で迷っている場合は、事前に両方の見積もりを出してもらい、納得した上で選択することをおすすめします。
修理・交換のメリット・デメリット
実際に給湯器を修理する場合と交換する場合のメリットやデメリットをご紹介します。
メリット | デメリット | |
修理 | ・保証期間内であれば無償修理可能 ・部分的な修理であればコストも掛からず手軽に修理できる |
・交換と比較し、他の箇所が故障する可能性がある |
交換 | ・次回の故障確率がかなり低い | ・初期費用が高い |
修理のメリット
修理の最大のメリットは、メーカーの保証期間内であれば無償で修理を受けることができるという点です。また保証期間外であっても、部分的な修理であれば数千円で済むこともあり、時間もあまりかからないため、手軽に依頼することができます。
修理のデメリット
その場で掛かる費用は安いことが多いですが、交換と比較してすぐに故障を繰り返す確率が高くなります。
そのため、「この前修理したばっかりなのに、今度は他の場所が不具合を起こした」などの理由で再度修理が必要になる可能性があります。
こちらは特に長年使用しており、給湯器の寿命が近づいている場合に起こる可能性が高くなっており、特に不具合が経年劣化が原因の場合は、またすぐに別の不具合が起こる可能性が高くなります。
交換のメリット
交換を行うメリットとしては次回故障確率がかなり低くなることで、給湯器は長年使用していると、老朽化による不具合が発生したり、燃費が悪くなったりします。それらの問題を全て解決できるため、交換後しばらくは修理の必要がありません。
万が一修理が必要となった場合でも、数年はメーカーの保証期間内であることが多いため、無償で修理を受けることができます。また他のメーカーの給湯器に変えたり、他の機能がついている給湯器に変えたりすることができます。
交換のデメリット
初期費用が高いことが交換の一番のデメリットです。
修理に比べ、その場で掛かる費用はかなり高くなり、工事にかかる時間も修理に比べると長くなります。そのため給湯器の寿命も近づいておらず、使用年数も少ない場合には交換することはあまりおすすめしません。
まとめ
自身で対処ができない不具合が起きてしまった場合は、速やかに業者への相談をすることがおすすめです。
給湯器の修理業者はとてもたくさんあるため、その中から信頼できる業者を自身で判断する必要があり、無資格の者が自己判断で修理をすると、かえって悪化してしまう場合があります。
業者の情報はホームページや口コミ、事前の電話対応などである程度入手することが可能です。
水回りのレスキューガイドでは信頼できるおすすめ業者をご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
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