実際に勤務経験がある会社員・職員が評価する企業の総合評価ランキングにおいて、官公庁業界でトップとなった特許庁。「特許」という言葉自体は便利グッズなどの商品開発や技術の発明でおなじみですが、特許庁の実態は謎のベールに包まれていますよね。そこで特許庁広報室に突撃インタビューを行い、仕事の実態や働きやすさの秘密のほか、特許権や商標権など、知的財産にまつわるあれこれについて聞いてみました。

「特許庁で働く」とは? 突撃インタビュー

就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社が発表した「退職者が選ぶ『辞めたけど良い会社ランキング2022』」で、特許庁は第4位にランクイン。官公庁業界では見事第1位となりました。その理由をひもとくために、特許庁で働く魅力ややりがいについて深掘りします。

松浦安紀子さん
お話をうかがったのは……
特許庁 広報室 松浦安紀子さん

大学卒業後、特許庁に入庁。特許審査官を経て、現在は広報室室長を務める。

特許庁の仕事を徹底解剖! 業務内容は? やりがいは?

―特許庁には、どのような仕事がありますか?

特許庁には、大きく分けて「審査系職員」と「事務系職員」がいます。前者はそれぞれの専門性を生かす専門職で、特許審査官、商標審査官、意匠審査官の3つの職種があります。後者は行政官として日本の知財行政を担い、企業の知財活動を支援するなどの役割があります。 いずれも、国家公務員としての責任が求められる大変な仕事ですが、普段からそれぞれの立場を尊重し合い、自由闊達に意見を交わしています。

―特許庁の「働きやすさ」には、そうした雰囲気があるからかもしれませんね。審査官の業務内容も気になります。例えば特許審査官は、具体的にどのようなことをしていますか?

ひとことで言うなら「発明に特許権を付与できるかどうかを判断すること」。特許審査官は裁量権が大きく、自分が担当する特許出願に対して特許権を付与するかどうかを審査官個々人が判断しています。大きな責任を伴いますが、とてもやりがいのある業務です。

―幅広い知識が必要になりそうですね。特許審査官には、どのようなバックグラウンドを持つ方が多いのでしょうか?

特許審査官には技術の知識が欠かせません。したがって、全員が理系出身者になります。物理や化学、機械、電気など、それぞれが専門の知識を持っていますから、互いをリスペクトし合う組織風土があります。 出願された発明を理解できなければなりませんから、テクノロジーの進化など、最先端技術の動向をキャッチし続ける姿勢は欠かせません。

さらに、特許法をはじめとする法律の知識も欠かせませんが、こちらは入庁後の研修で学ぶことができます。実務を通じて見識を広げ、自分を成長させ続けられることは、特許審査官の良さだと思います。

―職場の雰囲気は、いかがですか?

風通しがよくて、性差なく働くことができるフラットな環境です。個人のペースで業務ができる特許審査官はワークライフバランスがとりやすい仕事といえるのではないでしょうか。近年はさらに業務改革が進んでいて、テレワークやそれに伴う新ツールの導入、職場のフリーアドレス化などは、仕事のしやすさにもつながっています。

特許庁の「中の人」が登場! コラボ動画をチェック

特許庁と農林水産省がYouTubeで奇跡のコラボ。なんとなくお堅いイメージのある特許庁ですが、その実態は…… !? 特許庁で働く人はもちろん、なかなか入ることができない特許庁の内部も見られます。

●特許庁にバズマフ襲来!?  知財愛を白石さん・野田さんにぶつけてみた!


●デザインの特許!? 特許庁にBUZZ MAFFが再びやって来た!!


そのほか、「知財ってよく分からない」といった方々に向け、知財の魅力・重要性を分かりやすく伝える動画チャンネル「JPOちゅーぶ」でさまざまな情報を発信しています。

特許庁「JPOちゅーぶ」をチェック

そもそも「特許庁」の役割とは? 「知財」を理解しよう

―あらためて特許庁の役割について教えてください。

「知財で日本の成長、発展を支えること」です。知的財産は、イノベーションの原動力になるものです。知的財産権には特許権や実用新案権、意匠権、商標権などがありますが、これらを適切に保護し、活用を促してイノベーションを推進していくことが特許庁の役割です。

―特許庁では出願審査や登録だけでなく、知財を活用するサポートも行っているのですね。

その通りです。具体的には、中小企業やスタートアップ企業に知財の専門家を派遣するなど、伴走型の支援も行っています。 ほかにも広報活動を通じて企業の知財の活用事例を紹介し、これから知財を活用していきたいと思っているみなさんへ情報提供もしています。

―ちなみに特許を例にあげると、年間の出願件数はどれくらいあるのですか?

2021年度の場合ですと、約29万件にのぼります。この数字は世界第3位を誇ります。日本には、それだけたくさんのイノベーションの種があると言えるのかもしれません。

実は誰もが「知財」と関わっている

―若手社会人や大学生が「知財」と関わるシーンはありますか?

理系学部の大学生・大学院生やメーカーに勤務している人の中には、特許出願をしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。 ありがちなのは特許出願前に研究結果や成果を論文や学会で発表してしまい、特許を取得できなくなってしまうこと。いったん世に出た発明は原則として特許を取得できないので、発表と出願の順番は間違えないようにしないといけません。

―特許や商標などの権利があると、どのようなメリットがありますか?

特許や商標などの知財権は、商品のブランド力や信用度を高めることにもつながります。 例えば、特許権を取得したグッズを製品化するとき、ネーミングやロゴマークなどを保護する商標権、グッズのかたちやデザインなどを保護する意匠権を取得しておくことは、模倣品対策にもなります。今は新しいサービスや製品が次々と世に出る時代ですし、スタートアップなら創業期から知財戦略を練っておくことも大切です。ビジネスを動かすことにもつながるんですよ。

社会の至るところに「知財」。特許庁の広報誌『とっきょ』で最新の動向をチェック

広報誌『とっきょ』は、最新の知財トピックをわかりやすく紹介することをコンセプトに、企業などの知財活用事例などを紹介するフリーペーパーです。特許庁関連機関で配布されているほか、Webサイトからも無料で閲覧可能です。

「とっきょ」Webサイトをチェック

あなたは分かる? #特許庁クイズ にチャレンジ

特許庁の公式Twitterには、特許にまつわるユニークなクイズもありますよ。早速チャレンジしてみましょう!

Q.1

あなたは、世界で初めて「じゃんけん」のルールを思いついた人です。あなたは、このルールについて、(日本で)特許を受けること はできるでしょうか?

特許庁のTwitterで答えをチェック

ショート動画 で答えをチェック

Q.2

特許庁は業務で「くじ引き機」を使用します。何に使用されるものでしょうか ?

特許庁のTwitterで答えをチェック

ショート動画 で答えをチェック

みなさんに知ってほしい、「知財」について

みなさんの日常生活、学業や仕事のすぐそばには知財があります。身の回りの知財に意識を向けてみると、世の中を見る目も変わるはず。知財を身近に感じていただくために、特許庁はさまざまな情報を発信しています。ぜひお役立てください。

■INFORMATION
もっと知りたい! 特許庁のこと
特許庁は、実はみなさんの生活にとてもなじみのある官公庁です。知財の知識はビジネスにも欠かせません。特許庁のWebサイトや広報誌で最新の情報をチェックしてみましょう。

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