超能力を持ってしまったがために苦悩する兄弟・霧原直人、直也の姿を描いたTVドラマ『NIGHT HEAD』。1992年に放送された際は深夜帯でありながらカルト的な人気を誇り、映画化をはじめ小説、ゲーム、アニメとメディアミックス化されて社会現象を巻き起こした。
そして2021年7月、TVドラマ・映画で、脚本・監督を務めた飯田譲治の脚本により、新たな物語『NIGHT HEAD 2041』としてアニメーション化されることに。
制作を手掛けるのは、実写・アニメーションを問わずハイクオリティな映像作品を世に放ち続けている白組。『revisions リヴィジョンズ』のCG監督などで知られる平川孝充が初監督を務めるほか、キャラクター原案には『エア・ギア』や『天上天下』など人気作を生み出してきた漫画家・大暮維人が迎えられている。
30年近くの時を経て、さらなる広がりを見せていく『NIGHT HEAD』の世界。TVドラマで直也役を演じた俳優・武田真治は、どのように感じているのだろうか。
――『NIGHT HEAD 2041』の制作発表を聞いた時のお気持ちはいかがでしたか?
自分がドラマに出演していた時や2006年にアニメ化された時も「これで終わりではない」と感じていたので、そういう周期がまた来たな、と嬉しかったです。『NIGHT HEAD 2041』ではバトルスーツを着た人物も新たに登場しますし、僕がドラマで演じた直也が主人公の一人として出ているのも光栄ですね。
『NIGHT HEAD』は、超能力という人とは異なる力を持った兄弟の話です。彼らはある種分かりやすいのですが、超能力とまではいかなくても、人との違いに違和感を抱くことは誰にでもあると思います。なので、特殊な設定のようで、実は誰にでも当てはまる題材だなと。
――『NIGHT HEAD 2041』をご覧になった感想を教えてください。
現時点で3話まで拝見しました。霧原直人、直也という僕らの代からいた能力者の兄弟と、黒木タクヤ、ユウヤという能力者を弾圧する側の部隊にいる兄弟が、ストーリーのなかでどう関わっていくのか楽しみです。
僕なんかの思考回路では、直人と直也が兄弟なら、対比となるキャラクターは姉妹にしようかと思いそうですが、なぜタクヤ、ユウヤという兄弟にしたのかも気になります。飯田(譲治)さんに聞いてみたいですね。
――キャラクターの原案は大暮維人さんが担当されました。直人や直也のビジュアルの印象は?
直人は豊川悦司さんのイメージを踏襲しているように感じました。当時、豊川さんもああいうメガネをかけていたんですよ。なので、その延長線上にあるような気がしました。
直也に関しては、“人と違う”ということに悩む人たち……今だと、LGBTなどがありますよね。そういった時代の流れを受けて、今回はジェンダーレスのような雰囲気なのかなと思いました。もしかしたら、直也というキャラクターが時代を表すんじゃないかな。
「人の考えていることが分かる」ということは、「自分がどう思われているかも分かる」ということ。そうなると、時代によって外に見える部分も変わってくると思います。
――『NIGHT HEAD 2041』は、地上波放送に合わせて動画配信サービス「FOD」でも同時配信予定です。また、1992年のTVドラマも配信中なので、両方をご覧になる方もたくさんいると思います。どのように楽しんでいただきたいですか。
TVドラマは深夜帯の放送だったので、極めてローコストで作られていました。なので、言葉を選ばずに言うならば、チープな部分があるんです。壮大な計画から抜け出した二人の兄弟が、街をさまよっていくというように、「秘密組織」的な大きな背景がありながらも、ドラマでは削ぎ落されて描かれなかった。そういった要素が、今回アニメーションとして迫力満点で視覚化されているので見ごたえがありますね。
逆に、アニメーションだとこれだけ手の込んだシーンなのに、実写では生身の人間がやっているんだなと改めて実感しました。ドラマを見るときは、人力でアナログな当時の頑張りを見ていただけたらと思います。
――ドラマの撮影時、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ドラマの現場では、たとえば窓ガラスがパリンと割れるといった特殊効果が必要なシーンでも、実際に窓ガラスを自然に割るという簡単なことができなくて。なぜならお金がないから(笑)。だから、兄さん(直人)がキッと怒ったら、窓からガラスをそっと外して、どこかから拾ってきたガラスの破片をバッと床に散りばめて撮っていました。
なので、飯田さんをはじめエキストラの方やゲストも含めて、いかにリアクションでその状況を表現するかというのを全員が意識していたと思います。飯田さんからの演出や指導は、画面の隅々まで行き渡っていたはずです。
――今回のアニメ化で、『NIGHT HEAD』の世界どのように広がっていくか楽しみですね。
超能力かつ近未来と聞くと、自分には関係ないように思えるかもしれません。ですが、作中には自分の居場所を探してさまよう登場人物が多く登場します。そういう意味では、いつの時代のどんな人にも当てはまる物語ではないでしょうか。
さまよう者たちがこれからどういう場所を見つけていくのか、何に安らぎを見出すのかというところは、この不安定な世の中を生きる上での何かヒントになるかも知れませんし、道しるべになるかもしれません。ご覧いただく価値のある作品だと思います。
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『NIGHT HEAD 2041』は、7月14日(水)よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送開始。動画配信サービス「FOD」では同時配信される。また、TVドラマ『NIGHT HEAD』もFODにて独占配信中。
TVドラマを視聴していた人も、新たに触れ合う人も、『NIGHT HEAD』の持つ独特の世界観にどっぷりと浸ってみてはいかがだろうか。
[PR]提供:フジテレビジョン(FOD)