既婚者で、奥さんと小さな子どもの3人家族。例えば新しくマンションを買ったばかりで、スタイリッシュなデザインの2人用~3人用のソファを買いたい…そんな読者には、どんなソファが合うのだろう?

「都市部で小さな子どもとの3人暮らしなら、広さは2LDKくらい、リビング・ダイニングで12畳くらいが一般的なようです。だとすると、幅1,600~1,800mmが理想的ですね。この層のポイントは、スタイリッシュなデザインが頭にありつつも、小さなお子さんがソファを汚してしまう心配。それならメンテナンスを考慮してレザーがオススメ。このセリューソファは、3人でもゆったり座れるサイズで、幅200mmあるアームが絶妙な存在感を醸し出しているソファ。また、本革製品は夏涼しく、冬は暖かく使えるので、そういう点でもおすすめですね。

上質な本革張りのセリュー ソファ(左)とTMD-チヨダ S01(右。写真は一人がけ)

一方、クラス感あるスタイリッシュさを追求したいという人には、TMDチヨダ SO1もオススメ。こちらは都ホテル東京、千代田生命ビル(現目黒区役所)などを手掛けた著名な建築家 故・村野藤吾氏のデザイン。名前の通り、千代田生命ビルに納めていたソファをリプロダクトした作品です。1960年代の日本で北欧デザインをいち早くプロダクトに落とし込んだデザイナーで、狭い日本家屋に合うようにデザインをしました。

建築やプロダクトデザインへの関心が高く、本物志向の方にはピッタリなんじゃないかと思います。強烈な個性を持ちながら、生活スタイルが変わっても長く使えるソファと言えますね」

今回見せてもらったイデーのソファに共通して感じることだが、このソファも前後左右どの方向から見ても佇まいが素晴らしい。アームの形状、足下の軽さ、しっかりとした座り心地……ソファのプロ・三嘴さん自身が「イデーの中で最も欲しいと思っている」というTMDチヨダSO1、数あるソファの中でも信頼できるプロダクトの1つと言えるだろう。

同じようなソファで、なぜ値段に違いが生まれるの?

ところで、ここまで当記事をご覧になってきたところで、「同じようなソファで、なぜ値段に違いが生まれるのだろう?」と疑問に思われた読者もいることだろう。読者アンケートでも

「値段の差がどこで出てくるのか不明」(女性30代)
「値段の違いはどこに現れるのか」(男性40代)

など、同じ様な形状のソファで、なぜ値段が大きく違うのか疑問に思った読者が多く見られた。せっかくなので、その点についても三嘴さんに聞いてみよう。

同じ様な形状のソファで、なぜ値段が大きく違うのか…

「最終的にはそのソファがつくられた背景や、メーカーの考え方によって異なると思いますが、単純にソファ制作に関わるコストという点で見ると、直接的なものとして
・材料費
・工賃・輸送費
・開発費

がかかります。

また、間接的なものとしては
・アフターケアの体制
・宣伝費

などがかかっているわけですね。例えばソファの価格を下げるという点で考えると、同じ形のものを大量に生産することで材料費を抑える、中国など海外で生産することで工費を抑える、原価を抑える等の方法が考えられます。

お客様側の選択肢は限られてしまいますが、メーカーも経験とリサーチから厳選した色や素材を採用するので、自分の気に入るものと出会えれば、とてもお得だと思います。

逆に、受注生産やカスタムオーダーの場合、お客様の好みやこだわりを追求できる一方で、材料を大量に仕入れることができないため、材料仕入れの単価が上がり、それがソファの価格に反映される、国内の技術力の高い職人に制作を頼むことでそれなりに工費が上がる…ということが考えられます。

イデーはSPA(注:製造から小売までを一貫して行う業態のこと)である利点を活かし、お客様が気に入った家具を、修理や張替えなどのメンテナンスも行いながらできるだけ長く使っていただきたい、という理念から、現在の生産やサービスの体制を取っています」

なるほど、勉強になります!さて、最後にご紹介いただくのは、既婚で配偶者と子ども2人(小学生)の4人家族の読者にピッタリのソファだ。