テクノロジーが進化し、AIの導入などが現実のものとなった今、「働き方」が様変わりしてきています。終身雇用も崩れ始め、ライフプランに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本連載では、法務・税務・起業コンサルタントのプロをはじめとする面々が、副業・複業、転職、起業、海外進出などをテーマに、「新時代の働き方」に関する情報をリレー形式で発信していきます。

今回は、インドネシアのバリ島でデベロッパー事業を、日本では経営戦略・戦術に関するアドバイザーも行っている中島宏明氏が、自身の実体験をベースに「最先端の情報が集まりやすい仕事」について語ります。


白状しますと、実は求人広告をきっかけに株を買おうと思ったことがあります

私は、表面上は「ライター」と名乗っています。名刺を持っていないので、肩書きは特にないのですが、「お仕事はなにを?」と聞かれれば「ライターですかね」と答えるようにしています。文筆業で個人事業主として届け出もしていますしね。

私のライター業としてのスタートは、求人広告でした。ライターやディレクター、デザイナーを育成したり、組織づくりをする仕事もしていました。25~27歳頃のことです。

毎日のように8~10本ほどの求人広告を書いていましたので、速く書くスキルはメキメキ上がっていたと思います。そして、それだけ毎日書いていると、無意識に余計な詮索をするようになります。

「求人広告を頻繁に出す、あるいは出し続けるくらい採用にコストをかけている」
「反響がないからまた求人広告を掲載するのではなく、反響があっても出し続けている」
「成長するための攻めの採用のようだ」
「ということは、業績が伸びるということ?」
「今のうちに株を買ってみようかな」

という具合です。求人広告ひとつを取ってみても、情報は捉え方次第でいろいろなことにつなげられるものです。とは言っても、株価が上がるかどうかという視点で求人広告を書いているようなライターはほとんどいないでしょう。

インドネシア不動産投資信託(REIT)の最先端情報も入ってくる

JASDAQに上場している株式会社シノケングループは2019年7月29日に、インドネシア現地子会社であるシノケン・アセットマネジメント・インドネシアが、インドネシア金融庁(OJK: Otoritas Jasa Keuangan)から不動産ファンドの運営を企図した投資運用業のライセンス(不動産投資信託、REIT)を正式に取得したことを発表しました。

私がこのニュースリリースを知ったのはもちろん公式発表後のことですが、ライターという立場ですから、「インドネシア不動産に興味があるので、取材させてくれませんか?」というアプローチはしやすいです。私は同じインドネシアのバリ島でアパート運営もしていますから、私からなにか提供・貢献できることもあるかもしれませんしね。

こちらから積極的に動けば、相手も情報を提供してくれるようになります。そういう意味では、ライターというのは便利な仕事なのかもしれません。

ちなみに不動産投資信託(REIT)というのは、間接的な不動産投資のようなものです。

不動産投資となると、「マンション」「アパート」「オフィスビル」「商業施設」など、用途を絞ってエリアも絞って、最終的には極地投資になります。同じような立地、同じような面積、同じような建物の不動産であっても、大通りを挟んで北と南(あるいは東と西)にある不動産が同じリターン(利回り)を生むとは限りません。それに、ある程度の資金が必要になります。マンションやアパートであればまだ投資のハードルは多少低いですが、オフィスビルとなれば1億円以上の資金が必要になるでしょう。

一方、不動産投資信託であれば、マンションやアパート、オフィスビル、商業施設など複数の用途の不動産に間接的に投資することができます。単一用途に特化した不動産投資信託もありますが、シノケングループが発表した今回のインドネシアの不動産投資信託には、自社開発したサービスアパートメント・桜テラスや、日系企業の展開する工場、倉庫、インフラ設備、工場団地、ホテル、ショッピングモールといった商業施設などが含まれるそうです。

リスク分散の観点からも、幅広い用途の不動産に間接的に投資できるのは良いですよね。不動産投資信託への投資の最低金額はまだ不明ですが、シノケングループは「スマホで投資できるほど、海外不動産投資を身近にしたい」とも発表していますので、おそらく取り組みやすい金額設定になるでしょう。

また、不動産投資は流動性が低く換金するのがやや大変ですが、不動産投資信託であれば株式と同じように取引できるので換金性が高くて便利です。

仮想通貨関連でも最先端情報は入ってくるが……

私は、別稿「今からでも遅くない? 経験者が語る仮想通貨の現在とこれから」で仮想通貨に関する連載もさせていただいていますので、仮想通貨の関連企業からのお問い合わせもときどきあります。

多くの場合、「弊社のコインを記事にしてほしい」「弊社の取引所を取材してほしい」という内容なので「メディアの公平性から、ポジショントークは致しかねます」とお断りしてしまうのですが、中には有益な情報もあるのかもしれません。ただ、仮想通貨の世界はまだまだ草創期ですから、安全性が確認できない限りは特定のコインや取引所を取り上げることは避けたいと思っています。

しかし、情報発信をしていると新しい情報が入りやすくなることは確かです。今は、ブログやSNSなどで誰でも気軽にメディアになれる時代ですから、偉大で小さな第一歩としてまずは書いてみるのも良いかもしれませんね。

次回以降も、実体験をベースに、起業や副業・複業、海外進出、テレワークなどをテーマに役立つ情報をご紹介します。

執筆者プロフィール : 中島 宏明

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。
オフィシャルブログも運営中。