元国税職員さんきゅう倉田です。好きなポケモンは「ゼニガメ」です。

個人事業者になって、13年になります。
文化的な生活を送れるくらいの収入を得るようになったのは、およそ7年前。

取引が増えてくると、不払いや支払い遅延に悩まされるようになります。公務員だった時は、お金を払わない会社が世の中に存在するなんて思ってもみませんでした。

毎月同じ日にお給料が振り込まれる会社員の方は、遅延なんて気にしたことがないかもしれません。でも、会社員の方々にも不払いや支払い遅延にどれくらい弊害があるか、個人事業者がどれくらい怯えているか知っておいていただきたい。

まず、3年くらい前にぼくに起こった支払い遅延をご紹介します。

数ケ月に渡って取引のあった業者の方とのやりとり

(末締め翌月末払いです)

12月末 12月分の請求書(1)を送る
1月末 1月分の請求書(2)を送る

2月初 (1)の入金がないため、メール送信
返信「明日か明後日には確認できます」

3日後 連絡がないため、再度メール。
返信「もう一度請求書を送ってもらえますか?」
→「えーーー!」と思いつつ、送付

5日後 連絡がないため、ドキドキしながらメール。
返信「明日までに、決済日を確認します」
翌日の返信「請求書(1)と(2)どちらも2月25日の振込になります」

3月1日 2月25日の振込がなかったため、「なんで!?」と思いながらメール
返信「もう一度、(1)と(2)の請求書を送っていただけますか」
→びっくりしながら送付
返信「3月12日の振込になります」
→「遅ーーー!」と思いながら、11日後に入金を確認。終了。

前提として、ぼくは怒ってないんですよ。誰にでもミスはあるし、ミスに対しては感情が動かないので。

ただ、入金の約束を守ってあげないと個人事業者はとっても困るんだよ、ということを知っていただきたい。

決済日を過ぎているのに入金がない場合、多くの個人事業者が何度も銀行に確認します(さんきゅう倉田調べ)。

「2~3日は遅れることもあるだろう」と寛容な心で受け入れます。
オンラインで確認できる人もいれば、毎日ATMに行って記帳して確認する人もいるでしょう。

とても面倒です。
痺れを切らしたところで、取引先に連絡します。でも、入れ違いになるかもしれない。連絡の直前にも念のため入金を確認します。

それから、とても丁寧に、「もしかしたら入金がないかもしれない」といった控えめな雰囲気で確認します。「おい! 入金ないぞ!」などと言ったら、万が一こちらの確認ミスだった場合に恥をかくので、絶対に言いません。

このように連絡すると、すぐに入金してくれます。
今回の業者の方のように請求書を紛失したり、連絡がなかったり、3月1日に確認したのに11日後に振り込むなんてことはまずありません。

どんな場合にせよ、遅延や未払いによって個人事業者は何の意味もない作業を強いられます。督促は予め契約した仕事の中に含まれていません。2回督促させたら、お詫びのお手紙のひとつも送ってほしいところです。

今回の取引は金額が大きかったので入金が確認できるまで連絡を続けました。でも、1回5,000円くらいの取引も世の中にはたくさんあります。そんな取引で、何度も入金を確認させられたり、何度もメールや電話をさせられたりすると、利益がなくなってしまう。

個人事業者の対応をしているときも、入金する側の会社の社員には賃金が発生しています。でも、個人事業者は無給です。本来、別の仕事をすれば報酬がもらえるのに、1円にもならない督促をしなければならない。なんて悲しいことなのでしょうか。

さらに、遅延している側はそんなに大変なことだと思っていない。この温度差にも個人事業者は悩まされています。

結局、ぼくが12月に行った仕事の振込は3月12日になりました。これが、新入社員だったらどうでしょう。4月から働き始めて、最初の給料が7月12日入金だったら、動揺しませんか。理不尽に絶望しませんか。

こちらから請求しないと給料を入金しない会社の社員として定年まで働けるでしょうか。

個人事業者は、常にそういう恐怖と手をつないで仕事をしています。これからフリーランスになる方は督促する勇気を携えて参入することをお勧めします。

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