連載3回目は、嘔吐です。子どもが吐いてしまう原因に、どのような病気が考えられるのでしょうか。また、受診が必要な症状は?

Q.子どもの嘔吐、どんな病気が考えられますか?
大きく3つの病気が考えられます。ひとつはノロウイルスやロタウイルス、食中毒などの感染症。そしてもうひとつは、潰瘍など、消化管の異常により起こる病気です。また、危険なケースであれば脳腫瘍や、髄膜に細菌やウイルスが入って炎症を起こす髄膜炎など、頭に何か問題がある場合もあります。

Q.どんな時に受診が必要ですか?
嘔吐の回数が多く、物が食べられなかったり、子どもがぐったりした様子だったりした際は、病院に来てほしいと思います。さらに、もし頭をぶつけた後に嘔吐の症状が出た場合には、すぐに受診しましょう。けがによって頭蓋骨の中に血のかたまりができる病気「急性硬膜下血腫」の可能性もあります。

※未就学児童の症状を対象にしています
※危険だと感じた場合は、本記事の内容に関わらず、病院での受診をお勧めします

イラスト: 山本ユウカ

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。以後、広島市立広島市民病院小児科などで勤務し、現在に至る。1児の母でもある。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている