新卒入社した会社で、必死に仕事するなか、気づいたら3年目。業務はルーティン化し、「今の仕事で成長できるのか?」と疑問を感じることがある。そんな時はどう行動すれば良いのでしょう。元ヤンキーで、24歳から本格的に勉強を始めて、カリフォルニア大学バークレー校を卒業した鈴木さんに聞いてみました。

  • この仕事で良いのか? と感じた時

就職3年目のいまを無駄にしない

社会人3年目を過ぎると、将来に対して不安になる人、反対に仕事へ充実感を得る人と様々です。

仕事に満足しつつも、今後のキャリアを考えて環境を変えたいとか、今の環境では期待する程の成長はできないと判断することもあるでしょう。

しかし、仕事環境を変えるには時間がかかります。次のアクションに向けて、いまを無駄にしないポイントを紹介します。

仕事で意識する3つのポイント

Q:仕事を通じて新しいことを学ぶためのポイントは?
A:意識しなければいけない3つのポイントを整理する必要があります

同じ仕事をしているのに、自分以上に学びを深めて成果を出している人と会ったことはありませんか? 私もよく経験することですが、それらの人にはいくつかの共通点があります。

それらを見出すには、3つのポイントが必要です。そして、このポイントを自分に当てはめると、今の仕事を通じて学びを深めることができるでしょう。

キャパシティ

キャパシティは仕事に対しての稼働率です。いまの仕事の稼働率が100%だと、もう新しいことを学ぶ余裕はない。ところが、仕事を通じて新しいことを学び会得する人は、効率よく仕事して、低い稼働率で目標を達成し、残りのキャパシティで別の新たな取り組みを行っています。

転職や異動したいと思う優秀な人であれば、今の仕事は自分の稼働率7割くらいで目標を達成できるほど余裕があります。だから、他のことにも取り組める。

もしまだ稼働率が9割以上あれば、先ずは今の仕事効率を上げ余裕をつくることになります。

ケイパビリティ

ケイパビリティは遂行能力があるかということ。既存の仕事のケイパビリティは高くても、新しいことを始めるとそのケイパビリティは低いことが普通です。先ずは自分のレベルを把握すること。

自分が平均的であればそのまま進めばいいし、平均以下なら、社内や社外で評価される人を見つけ、接点を持ったり、新しく学んだりして、ケイパビリティを高めれば、次のアクションにつながります。

マインドセット

マインドセットは目標とする平均ラインを高く持つ姿勢のことです。ケイパビリティと同じく、自分の能力を平均と比較しますが、どのような集団の平均かによって大きく異なります。

桁違いに仕事がデキる人を見て、「あれは別次元」だと片付けてしまうと、それ以上伸びることはなくなります。

そんな人も、昔は自分と同じ能力だったと客観的に理解し、どんなプロセスで今にいたったのかを考え、自分も真似していく姿勢が、成長し続けるために必要なマインドセットです。

執筆者プロフィール : 鈴木琢也(すずき・たくや)

1986年川崎市生まれ。中学生のころ、素行が荒れ暴力を繰り返す不良少年、いわゆる「ヤンキー」の仲間入り。高卒でとび職になる。その後、IT系資格を取得して上場企業に転職。さらに一念発起し、カリフォルニア大学バークレー校へ進学。15年卒業、人材育成支援のグロービス(東京・千代田)入社。マネジメントスクールの運営などを担当。著書に「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」(ポプラ社)『自分を動かし続ける力~元ヤンだった僕がカリフォルニア大学バークレー校で身につけた「最大限に成長する」習慣』(大和書房)がある。