数カ月にわたる外出自粛期間、みなさんはどのように過ごされただろうか。運動せずに食べてばかり、気が付いたら「コロナ太り」状態の人も多いのでは?
これから露出の増える季節、体形は気になるところ。そこで管理栄養士の真野稔子さんに、コロナ太り解消に効果的な食事について話をうかがった。
食生活のポイント
この自粛期間でダラダラとお菓子を食べたり、インスタント食品ばかり食べたりと食生活が乱れている人は、食生活を見直すことから始めよう。家での食事で心がけたいポイントは以下の5つ。
・食べる時間を決める
朝・昼・夕 毎食同じ時間に食べる。寝る3時間前には食べない。間食は15~16時の間に食べるなど。
・バランス良く食べる
主食、主菜、副菜をそろえて食べる。
・時間をかけて食べる
最低20分かけて食べる。
・三食摂る
朝食、昼食、夕食を摂る。
・量を決める
「手ばかり」がおすすめ。下記の量が1日に食べる量の目安。
主食のご飯は軽く1杯~1.5杯。
主菜は左手に乗る大きさの肉・魚、右手に乗る大きさの豆腐・卵。
副菜は両手に1杯の緑黄色野菜、両手に2杯分のその他の野菜・海藻・きのこ類・こんにゃく。
間食は200kcal以内のものにするか、和菓子、洋菓子、スナックのどれか一つを選んで、和菓子なら人差し指と親指の輪の中に入るサイズのもの。洋菓子なら片手の掌サイズもの。スナック菓子なら片手に乗る量にする。
一見当たり前のようにも見えるが、まずは正しい食生活がダイエットの基本となる。
「例えば、日頃、昼食時間や夕食時間が乱れている方は、この機会に決まった時間に食べることをおすすめします。間食も時間と量を決めれば大丈夫。家だからこそ時間や量、質、食事のバランスも調整しやすいといえるのではないでしょうか。また、早食いの場合でも、家だと時間を気にせずにゆっくり食べることができるかと思います」(真野さん)
ダイエットにおすすめの料理
真野さんによるとダイエットにおすすめな太りにくい食事は「和食」だという。一汁一菜~二菜(ご飯・汁物・1~2つのおかず)を基本摂るようにすると良いそうだ。
しかし、一人暮らしや忙しいときに丁寧に食事を用意するのは、手間がかかって面倒になることもあるだろう。そのようなときに、真野さんは「ちょい足し」できる食材をおすすめしている。
・野菜類
冷凍の野菜、乾燥野菜など。
・海藻類
乾燥カットわかめ、糸寒天、めかぶ、もずく酢、焼き海苔など
・きのこ類
冷凍のきのこ、ナメタケの瓶詰め、缶詰めや瓶詰めのきのこなど。
「いずれも、カロリーが低く、食物繊維も豊富で、ちょい足しできたり、手間がかからずに済みます。また、ストックもできるのでおすすめです。インスタント類や、市販のお弁当などで済ますときは、これらの食材をちょい足しすると、バランスが整います」(真野さん)
運動不足の体におすすめの料理は?
長く続いている外出自粛で、運動量が減った人は筋肉が弱ってしまっている。そこで注目したい栄養素はタンパク質だ。タンパク質は筋肉の主な構成成分で、少ない状態が続くと、体を動かすために必要な筋肉が痩せてしまい、余計に運動が億劫になり体が弱ってしまう。肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれているため積極的に取り入れていきたいものだ。
おすすめの食材
・肉類
赤身肉、鶏胸肉、ささみ、生ハム
・魚介類
イワシ、たらこ、あじ、マグロ、カツオ、うなぎ、ハマグリの佃煮、スモークサーモン
・大豆製品
木綿豆腐、厚揚げ、パック大豆、高野豆腐
ダイエットで気を付けたいこと
最後に真野さんにダイエットで気を付けたいポイントをうかがった。
「食事の偏りは栄養不足を引き起こしますので、無理に食事を減らすよりもバランスを考えて、決まった時間に食べることを心がけてください。食事は体内時計の調節も担っています。また、ダイエットにおいて見落としがちなのが睡眠時間です。睡眠不足はダイエットには大敵。この際だからたっぷりと睡眠をとるようにしてみてください」
無理な食事制限を伴うダイエットは体にとって悪影響となる。正しい食生活を心がけ、体に負担になりすぎないようにしたいものだ。また、運動不足にならないように、軽い筋トレや体幹を鍛えるなど簡単な運動を生活に取り入れたい。健康的な生活を基本にダイエットを始めてみてはいかがだろうか。