本日の立ち食いそば巡りは、半蔵門に向かう。当連載でも何店舗か取り上げている、このまち。皇居まで徒歩圏内、国立劇場や最高裁判所、各国の大使館など、日本のへそと呼んでも過言ではないエリアだが、同時に、今回紹介する「天かめ」のような激安の立ち食いそば屋も店を構えている。
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「牛肉コロッケそば」(340円)
具体的な立地としては、東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅徒歩1分。半蔵門通りと東京FM通り(今、地図で調べて初めて知った名前)が交差するところにある。間口の狭い、小さなビルの1階にのれんやメニュー看板が出ている。営業は早朝から始まっているようだ。
この上ないお財布に優しい価格に驚き
到着したのは平日の午前10時頃。戸は開け放たれていて、そのままズカズカと中に入る。入口脇に券売機があり、店内は外観からの予想通り、うなぎの寝床型のL字カウンター。ただ、思ったよりも奥深く、広い。聞こえてくる音はテレビではなく、ラジオ。それほど古い店には見えない。先客は女性が1名。厨房には大将がひとり。
メニューは特に目立ったものはなく、いつもの顔ぶれが並ぶ。月見、たぬき、わかめ、かき揚げ、とろろ、カレーなどだ。天ぷらやカレーを流用した丼メニューとセットもある。目を引くのはその値段。かけそばは240円、一番高い海老天そばでも450円とワンコインでお釣りがくる。最高でもセットメニューの550円と、この上なくお財布に優しい価格設定。土地も家賃も目玉が飛び出るほどのはずだが、どういうカラクリになっているのだろうか。
何はともあれ、そばを頼もう。チョイスしたのは「牛肉コロッケそば」(340円)。これも安い。3杯食べてもそれなりだ。食券を無愛想を絵に描いたような(失礼)大将に渡す。
シンプルイズベストなコロッケそば
待ちはなかったが、2～3分はかかった。「おまたせ」の一言で、丼を受け取る。そばは細麺。ツルッとしまっており、歯ざわりも喉越しも良い。立ち昇る湯気は鰹の風味が強力で、嫌でも食欲をそそる。コロッケはこぶりだが、肉のコクが味わえる立ち食いそばにぴったりの一品。レンタルフォトやフリー素材にでもなりそうな、シンプルな見た目も美味しい一杯だ。欲を言えばもう少しボリュームがあれば◎。これなら本気で2杯食べてもいいかもしれない。
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東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅徒歩1分の「天かめ」
店を出て斜向いには「バン・ドゥーシュ」というちょっと変わった名前の銭湯がある。これまた大人は460円で入れるので、「皇居ラン→銭湯→立ち食いそば」とコンボを決めても1,000円で十分。近くに職場がある人は、一度いかがだろうか。
