身長160cm以下のお笑い芸人である出川哲朗、田中裕二(爆笑問題)、岡村隆史(ナインティナイン)が、“スモール3”を結成し、ロケを繰り広げるフジテレビ系バラエティ特番『出川と爆問田中と岡村のスモール3』が、きょう22日(21:00~23:10)に放送される。
マイナビニュースでは、このスタジオ収録やロケの模様に密着した。今回は、チーフプロデューサーのフジテレビ・木月洋介氏のインタビュー後編。この番組で、3人が他では見られない一面を出す理由とは――。
ある意味ラジオ感覚
――出川さん、田中さん、岡村さんのトリオとしての相性はいかがでしたか?
3人でやるのは初めてだったから、最初の収録タイミングをスタジオのトークにして、まずチームワークを作ろうと考えたんです。タレントバラエティを1回の収録だけで成立させるのはなかなか難しいので。でも、このトークで、あらためてすごい3人だなと思いましたね。今までずっとトリオだったんじゃないかと思うくらいの見事なチームワークで、盛り上がり過ぎて収録時間も予定の倍になりましたから。
――あれだけで、1本番組が成立するくらいの盛り上がりでした(笑)。ロケバスでの移動中に3人にインタビューさせていただいたのですが、3人でどんどんトークが膨らんでいくんですよ。
それが本番と変わらないのが素晴らしいですよね。3人が自由に気を抜いてしゃべっている場面も多いので、ある意味ラジオ感覚みたいになっているかもしれないです。普段のテレビ番組ではあまり表現できていない部分が出てると思います。
――進行役のアナウンサーも立てていませんもんね。
ロケ企画もご自身のやりたいこと発信なので、なるべく3人にお任せするように作っています。ロケバスの中では、田中さんが爆笑問題を組む前にオーディションに行ったら、そこに実は出川さんがいたんだという話を、古い付き合いなのにそのタイミングで初めてしたんですよ。そういう会話が自然と生まれるんですよね。
――構造としては、出川さんと岡村さんが自由にやって、田中さんがツッコんだり仕切ったりという形になると思いきや、全然違いましたね。
もう縦横無尽でしたね。一見田中さんがずっとツッコんでるのかと思ったら、そういうわけでもない。僕が『笑っていいとも!』で爆笑問題さんの曜日を担当していた時に、太田(光)さんが「実は田中のほうがモンスターなんだ」とよく言ってましたけど、そういう他の番組では見られない部分が表現されたんじゃないかと思います。
――他のお2人の違った一面はどんなところでしたでしょうか?
岡村さんは、結婚相談所でかわいらしい一面が出ましたよね。それを見守る2人も親身になって。出川さんはこの中で一番先輩なので、引っ張っていこうとするんだけど、なかなかうまくできない(笑)
――田中さんと岡村さんが前澤社長にヨイショしてるところに「おい!おまえら!」ってたしなめいてましたよね。
そういう兄貴的役割をされるんですよね。やっぱり人生で初めてのことをしようという企画だから、皆さんとても生き生きしてて、そういう他では見られない関係性が出るんだと思います。
――木月さんといえば『久保みねヒャダ』(久保ミツロウ、能町みね子、ヒャダイン)でもトリオのバラエティを担当されていますが、それに通じる“関係性”の面白さが出ましたか?
出ましたね。それは、もともと出るだろうなと計算してやったわけではなく、うまくハマったという感じです。それが、こういうタレントバラエティの面白いところですよね。
ゆくゆくは『27時間テレビ』に…
――今回は収録日を2日用意して、両日ともに朝から深夜1時頃までという、これでもかというくらいロケを回しましたよね。岡村さんは「こんなストロングスタイルのロケは久しぶりだ」と言っていましたが、この3人だったらそこまで詰め込まなくても撮れ高は十分な気がするのですが…。
3人がそろう貴重な2日ですから、フルに使わせていただきました(笑)。昔はこんなロケばっかりでしたけど、久々でしたね、2時間押して1ブロック飛ばす感じとか(笑)。でも、このスタイルにしたことで、3人の良さがすごく出たと思います。3人の意見が合わないばかりかの展開と思えば、逆にピタッと合って(ZOZOの)前澤(友作)社長に会いたいと言うとか、皆さんが非常にポップなんですよ。
――まだ放送前ですが、第2弾への意欲はいかがですか?
出川さんの相席居酒屋は時間が押してカットになってしまいましたし、田中さんの始球式もシーズンが終わったのでできなかったし、田中さんが希望していた沢田研二さんにも会いに行けてないので、ぜひ次回できたらなと思います。3人もそうおっしゃっていますし、実は前澤社長も第2弾に乗り気なご様子もありましたから(笑)。今回はプライベートジェットがメンテナンス中で乗れなかったので、もし次回もうまく合えば、ジェットでどこかに行きたいですね(笑)
――最後に、あらためまして番組の見どころをお願いします。
人生折り返しても、まだまだ何でもできるんだという非常に勇気をもらえる番組だと思います。それと単純にこの3人がすごくかわいらしいと思える番組になっているので、そのあたりもご覧いただければ。第2弾、第3弾、そしてレギュラー化して、ゆくゆくは『27時間テレビ』をできるようにしたいですね。
1979年生まれ、神奈川県出身。東京大学を卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』『ピカルの定理』『ヨルタモリ』などを担当し、現在は『痛快TVスカッとジャパン』『ネタパレ』『今夜はナゾトレ』『キスマイ超BUSAIKU!?』『超逆境クイズバトル!!99人の壁』『久保みねヒャダこじらせナイト』の演出・チーフプロデューサー。