人に教えることが自分の癒やしに - 大好きな香りと紅茶を楽しむ副業

副業元年と言われた昨年から、さまざまな副業が注目されているが、実際には副業をしたくても、何をどうすればいいのか分からないという人が多いのが現状だ。そこでオススメなのが「自分の得意なことを仕事にしてしまう」というパターン。この連載では、これまで起業の相談に応じてきたクライアントの中から、スキマ時間とこれまでの経験をいかし、自分の得意なことで収入を生み出している人を紹介していく。

第26回となる今回は、法人の代表を務めるかたわら、アロマやハーブ・紅茶の講座を開催している濱田恭子さん(46歳)を紹介する。

そもそものきっかけは、子どもが生まれたとき。「在宅でできる仕事を」と考え、フラワーやカラーの資格を取得したり、ハーブや紅茶にハマったりしたことが、やがて仕事につながっていったのだそうだ。

講座ではハーブや紅茶を趣味で楽しむだけでなく、資格取得の授業も行っているという。

副業も大切、家族の時間はもっと大切

軌道に乗るまでは、時間管理が大変だったという濱田さん。

「とにかく好きなことなので、のめりこんでしまうんです。その中で子育てや、夫との時間をどう確保するかがとにかく課題でした。最初は自分にできるのかな、と悩んだこともありました」

たしかに、副業は「ただ稼げればいい」というものではない。「いかに楽しむか」に加えて、本来ならそのせいで減ってしまうであろう「家族との時間」をいかに大切にするか、ここも成否を分ける重要なポイントとなる。たとえ収入を増やすための副業とはいえ、家族をないがしろにしての成功はないからだ。

そして「いかに楽しむか」のほうのポイントについても、濱田さんはしっかり意識をされている。

「自分自身がいつもどれだけフレッシュな気持ちを失わないでいるか、が重要みたいです。生徒さんにはテレパシーがあるの? と思うくらい(笑)、同じようにお知らせしていても、私がウキウキして開催する企画は参加率が急上昇なのに、ウキウキ度の低いものはそうじゃないんです。私自身のワクワク、ウキウキをキープすることが一番重要な気がします」

• 大切なのは、自分の気持ちを見失わないことだという

楽しむことを優先する

それをキープするためにも、濱田さん自身が月に一度、採算度外視のお茶会を開き、その季節のアロマやハーブや紅茶を紹介しながら楽しむことでリフレッシュしているという。

「どんなことをすれば自分自身もみなさんも楽しめるのか、見失うとモチベーションが保てないので、そこも楽しみながら探っています。これぞ趣味起業ですね!」

こんなふうに、楽しみながら、時間の工夫をしながら、副業を軌道に乗せてきた濱田さんだが、収入は月によりまちまちだという。

「しばらく本業が忙しかったので、副業の収入が安定しないのですが……。アロマやハーブ＆紅茶の講師養成講座を開催すると収入は多くなりますが、それがないときはワンディ講座だけになりますので、収入はほとんどなしになります。ですので、月ごとの売り上げは0円～100万円とバラバラです」

• 利益だけでなく、人との縁や感謝の気持ちを大切にしている

今ではその副業も法人化して、あまり利益を追い続けるのではなく、楽しむことを優先しているとのこと。

「ここまでこられたのは、みなさんのご紹介があったからです。講座の内容や私のことを信じてくださった方々がご縁をつないでくださったからこそ、ここまでくることができました。私もこれからはそういうお返しができる人になりたいなあと思っています」

人とのつながりが大切な時代

とにかく目の前の人が笑顔になってくれることが、何よりの励みになっていると濱田さんは言う。良い香りには、それを嗅いだ瞬間、人を笑顔にする効果があるのだそうだ。

「おいしいハーブや紅茶もそうなのですが、香りは触れるよりも早く脳に信号を送ってくれるんです。香りの信号は0.15秒、触れるのは0.9秒。生徒さんと一緒に香りを楽しむ時間を持つことで、実は私が一番癒やされています」

話を聞くにつれ、まさに濱田さん自身の趣味と楽しさを兼ね備えつつ、周りの人を楽しく幸せにする、最高の副業に取り組んでおられるのだと感じた。

そんな濱田さんに今後の展望を聞いてみた。

「これからは、人とのつながりがとても大事な時代だと思うのです。本業のマインドのお仕事もそうですが、アロマもハーブも紅茶も、やはり時間の豊かさ、味わうことや五感の重要性を訴えています。AIの時代だからこそ、もっと人間らしさを大切にすることが、これからますます重要になってくると思うのです。また、今年は香りのオンラインセミナーを今度スタートするので、これからもどんどん楽しもうと思っています」

これからは人と人のつながりが大切な時代、これに筆者も激しく同感。副業も趣味起業もそこに重きをおいた人が成功へのチャンスを掴むことができるだろう。