スキルや経験を生かした副業が主流

「副業って、本業に近いことをやった方が良いのでしょうか? それとも、普段とは全然違うことに挑戦できるのでしょうか?」というのは、副業未経験者からよく聞かれる質問です。

答えから言うと、「『スキル・経験を生かすことができるもの』が、世の中にある副業の大半」となります。

どんな副業があるのかは、「副業系サービスカオスマップ 2022版」(シューマツワーカー調べ)を見てもらうと、全体像が掴みやすいかもしれません。「副業」の定義も様々ななか、個人が会社に所属する以外で収入を得られる方法を網羅的に記載したものです。

  • 副業系サービスカオスマップ 2022版

バラエティ豊かなスキルが売買される「総合型スキルマーケット」や、出張シェフやDIYなどの特定のスキルに特化した「特化型スキルマーケット」などの様々なカテゴリーがありますが、会社という看板のない場所で個人に求められることは、即戦力としての価値の提供であり、個人が副業という形で、ゼロベースで新しいことに着手するというのはなかなか難しい……ということが見てとれるのではないでしょうか。

キャリアの幅につながる副業先とは

では、副業とはスキルの切り売りでしかないのでしょうか? キャリアの発展につながるような副業は、ないのでしょうか。そんな時に注目してもらいたいのが、右上の「企業で一定期間副業型」という副業スタイルです。

これは、所属企業とは別の企業で一定の期間継続的に仕事をするという形で(週に5~12時間程度が主流)、単発の業務をクラウドソーシングなどで請け負うよりも、「経験を元に、その周辺領域へのスキルを伸ばしやすいタイプの副業」といえます。

例えば、ウェブデザイナーを例に挙げてみましょう。単発の副業案件の場合、「副業を通して、デザイナーとしての仕事の幅を増やす」というのは、実際のところ、なかなか難しいという側面があります。

それは、単発型の外注は、「その作業内容に沿ったスキルを持つ人を、スキルマーケットに集う数多くの応募者のなかから厳選する」という性質のものであり、類似の経験があるかどうか、説得力のあるポートフォリオがあるかという点が重視されがちなことが理由です。

一方、これまで広告バナーの作成を主な仕事としてきたウェブデザイナーが、副業デザイナーとして参画する先で、企業パンフレットや企業のノベルティグッズ、あるいはホームページのデザインといった未経験のデザイン領域の仕事を手掛けるようになっていく、という話は、実はよくある話です。

その理由は、人は、クラウドソーシングなどの「顔の見えない相手」に対して仕事を依頼する状況のほうが、より実績や過去の経験値を吟味する傾向にあり、定期的にコミュニケーションをする機会がある相手に対しては、「とりあえず、できるか聞いてみよう」と、相談をしやすい心理状態にあるから、といえるでしょう。

例えば、翻訳業務を社外に外注するとなれば、資格試験の点数、翻訳経験の職歴などを吟味して依頼者を選定するのに対し、社内の人であれば「あの人、英語得意って言ってたな」くらいで仕事の話がいくのと少し似ているといえば、想像しやすいでしょうか。

つまり、「所属企業の外でも、継続的にコミュニケーションをする関係のある会社がある」というのは、仕事の経験値を増やしていく上では大きなメリットとなるのです。

どんどん打席に立ちたいなら、スタートアップで副業がお勧め

なかでも、設立年数の浅いスタートアップなどは、大企業に比べて業務がまだサイロ化しきっておらず、日々変化が多い環境にあるため、幅広い業務で打席に立てる可能性が比較的高い副業先と言えます。

副業は、選び方と向き合い方によっては能動的なキャリア開拓が可能となる、今の時代に知っておいて損はないライフツールです。

「ずっと部署移動を希望しているけれど、なかなか叶わない」、「今の業界以外の仕事に触れてみたい」ような気持ちを抱えている方、キャリア開拓のチャンスは「社内」と「転職」の間の「他企業での副業」にあるかもしれません。

著者プロフィール:上原里菜


株式会社シューマツワーカーの広報として、パラレルキャリアを通した人生の可能性・副業兼業人材を活用した企業の課題解決法を啓蒙。自身も複業家として活動中。