■給与の手取り額をシミュレーション

では、手取り収入はどのように計算するのでしょうか? ここでは、以下のモデルケースを用いて手取り収入をシミュレーションします。

基本給:205,000円
残業手当:40,000円
報酬月額(総支給額):245,000円(205,000円+40,000円)
勤務地:東京
職業:一般の事業
加入する健康保険:全国健康保険協会(協会けんぽ)
年齢:23歳
扶養する家族の人数:0人

なお、今回のシミュレーションでは、報酬月額と総支給額は同じ金額としますが、実際は異なる場合があります。

▼天引きされる健康保険料・厚生年金保険料

「令和3年における協会けんぽの保険料額表」によると、勤務地が東京、年齢が40歳未満である場合、健康保険の料率は9.84%です。また報酬月額が245,000円である場合、標準報酬月額は240,000円となります。

出典 : 全国健康保険協会 「令和3年における協会けんぽの保険料額表」

そのため給与から天引きされる健康保険料は、以下の通りです。

健康保険料=標準報酬月額(標準賞与額)× 保険料率 ÷ 2
=240,000円×9.84%÷2
=11,808円

厚生年金保険料の料率は、18.3%であるため、以下の金額が給与から天引きされます。

厚生年金保険料=標準報酬月額(標準賞与額) × 保険料率 ÷ 2
=240,000円×18.3%÷2
=21,960円

▼天引きされる雇用保険料を計算

モデルケースおいて、給与から天引きされる雇用保険料は、以下の通りです。

雇用保険料=総支給額×保険料率
=245,000円×(3/1,000)
=735円

▼源泉徴収される所得税を計算

源泉徴収される所得税を計算するときは、社会保険料の合計金額を先に求める必要があります。シミュレーションの条件における社会保険料は、以下の通りです。

社会保険料=健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料
=11,808円+21,960円+735円
=34,503円

よって社会保険料控除後の給与金額は、以下の通りです。

社会保険料控除後の給与金額
=245,000-34,503円
=210,497円

「令和3年分の給与所得の源泉徴収税額表」によると、給与所得者の扶養控除等申告書の提出があり、社会保険料控除後の給与金額が209,000円以上211,000円未満、扶養家族の人数が0人である場合、源泉徴収される所得税額は5,130円です。

出典 : 国税庁 「令和3年分の給与所得の源泉徴収税額表」