暗号資産を実際に取引するため、今回は銘柄選びについて解説したいと思います。暗号資産にはたくさんの銘柄があり、その数は2万種類以上ともいわれています。ただし、国内の取引所に上場しているのは安定性などで審査を通った58銘柄※。ここでは国内上場銘柄のうち、取引量の多いものや知名度の高いものなどを中心にご紹介します。

まずはおさえておきたい主要銘柄

ビットコイン(BTC)

BTCは世界で最も流通している暗号資産で、時価総額は約44兆円※。匿名の開発者である「サトシ・ナカモト」と名乗るインターネット上の人物によって2008年に論文が発表され、翌2009年より運用開始された世界初の暗号資産です。暗号資産の代名詞でもあり、BTC以外の銘柄は「BTCの代わりのコイン」という意味で「アルトコイン」と呼ばれています。暗号資産には上限なく発行するとインフレーションを起こしてしまうため、発行上限が設けられている場合があり、BTCの上限は2,100万枚と決められています。すでにその約9割が発行済であり、より希少性が高まることが期待されています。

イーサリアム(ETH)

ETHは2013年に当時19歳だったロシア系カナダ人のプログラマーであるヴィタリック・ブテリン氏が考案、開発したブロックチェーンです。スマートコントラクト(契約)の内容を自動で執行・記録できる仕組みがあることが特徴で、時価総額は今やビットコインに次ぐ第2位となっています。2023年9月までに「上海アップグレード」と呼ばれる大型のアップデートが予定されており、ETHの機能や価格にどのように影響が出るか、投資家の皆さんから大きな注目が集まっています。さらにETHはNFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)で使用されている主要なチェーンでもあり、利用が拡大する可能性もあります。

エックスアールピー(XRP)

XRPはオープンソースの分散型パブリックブロックチェーンである「XRPレジャー」上にあるネイティブな暗号資産で、2012年に発行され、日本の暗号資産取引所で扱われている暗号資産において時価総額が第3位となっています。高速決済、低コスト、スケーラブルで1秒間に1500件の取引が可能、また初めて完全に脱炭素化した最初の主要ブロックチェーンといった特徴を持っています。主な利用例として、米Ripple社が提供する国際送金サービスであるRippleNetにおいて使用されており、二国間での異なる法定通貨の間の橋渡しをすることで、高速で低コストの国際送金を実現しています。

最近注目される話題の銘柄

ポリゴン(MATIC)

MATICは、ポリゴンネットワーク上でイーサリアムとの互換性を保ちつつ、イーサリアムよりも処理が速く低コストの環境を提供しています。国内で上場されるMATICには、ポリゴンネットワーク上のものと、イーサリアムネットワーク上で動くものがあります。いずれも取引所では「ポリゴン(MATIC)」と記載されるので、取引する際にはどちらのMATICなのか確認しましょう。ポリゴンチェーン上のMATICはイーサリアムチェーン上で動かすwrapped MATICと比べて、送金手数料や送金スピードが速く、またNFTを購入しやすいなどのメリットがあります。

ドージコイン(DOGE)

DOGEは、2013年にジャクソン・パルマーとビリー・マーカスの2人のエンジニアによって開発されました。当時インターネット上で流行した柴犬の画像をアイコンにしていたこともあり、当初はジョークコインという評価を受けていましたが、2021年4月にテスラ社のイーロン・マスク氏がDOGEについて発言したことから一時70倍以上に価格が急騰しました。このアイコンのモデルになったのは日本の保育士の愛犬の「かぼす」で、今や世界中にファンがいます。

シバイヌ(SHIB)

D OGEのパロディとして2020年にイーサリアムネットワーク上で発行された暗号資産です。ジョークコインではありながら人気が高く、SHIBを使ったNFTやメタバースなど用途も広がっています。DOGE、SHIBA以外にも秋田犬コイン(AKITA)、紀州犬コイン(KISHU)など「犬系」と呼ばれる暗号資産も登場し愛されています。

暗号資産はそれぞれ特徴があり、独自の機能面から将来性に期待をして購入したり、開発の理念に共感して保有したり、シンプルに「かわいい」「楽しい」という理由でファンになる人もいます。ぜひ暗号資産ひとつひとつの魅力に触れ、ぜひあなたの「推しコイン」を見つけてみてください。

※12月1日時点