コロナ禍が始まってそろそろ1年、リモートワークにも慣れる方もいる一方、環境が変わったり、一緒に働くメンバーが変わることで「リモートだとうまくコミュニケーションできない……」という悩みは尽きないものです。そんな悩みを解決するヒントとして、『リモートワーク大全』(ポプラ社刊)を上梓したシックス・アパートの広報・壽かおりさんに、「リモートワークのコミュニケーション」のコツを伺います。

"雑談専用チャンネル"はちょうどよい息抜き場所

リモートワークでは、丁寧で正確なコミュニケーションも大事ですが、互いの状況を共有している同僚同士での気楽な雑談や無駄話も必要です

ビジネスチャットの雑談用のチャンネルは、誰かが話題のニュースを引用して意見していたり、新製品情報に対してコメントしたりスタンプを送りあったりして気軽に楽しむ場所です。

私が所属するシックス・アパートのビジネスチャットの雑談チャンネルには、ポケモンGO、野球、自転車、映画、ガジェットなどのテーマごとのチャンネルがあり、話題があるときにはそれぞれ賑わっています。

ダイレクトメッセージでの雑談も

仲の良い同僚にダイレクトメッセージで「調子どう?」「Aさんの家の近くにできたもつ鍋屋、良さそうじゃない?」みたいな気楽なメッセージを送り合うこともしょっちゅうあります。

チャットの良いところは、自分宛にメッセージが来ていても、雑談に乗りたい気分だったら即返信すればいいし、作業中でそれどころじゃなければ手が空くまでほっといて良いのも点です。一人作業で煮詰まっているとき、誰かに気楽な話をされると気が紛れて楽になることもよくあること。

ビジネスチャットならば、隣にいなくても、いつ話しかけてもいいし、いつ返信してもいいので気楽です。

"独り言チャンネル"を設ける

ビジネスチャットに社員ごとに専用のチャンネルを作って、いまやっていることや考えていることを気楽につぶやける場所を設けている会社もあります。これを日報ならぬ「分報」といいます。

「#times_kotobuki」のような、分報専用の接頭辞「times」と自分の名前を組み合わせた名前のチャンネルを作り、そこにメインで書き込むのは自分のみ。誰でも読みに来て、いつでもコメントしてくれていい。そんな場所です。ビジネスチャット上に、Twitterの自分のタイムラインを作るイメージです。

わざわざ誰かに話しかけるほどでもない。ちょっと息抜きにつぶやきたいだけ。誰かが反応してくれてもうれしいし、スルーしてくれてもいい。そういう時に便利です。スタンプで互いにはげましあったり、詰まっていることを書いたら誰かがコメントをくれたりすることが、気持ち的に大きな支えになります。

自分の仕事が途切れたときにも同僚の独り言チャンネルを見に行って、スタンプやコメントで反応するのも良い気分転換です。みんながんばってるんだな、自分もがんばろうという気持ちになれることも多々あります。

ゲーマー向け音声チャット「Discord」で雑談しよう

一人暮らしの人は、オンライン会議以外一言もしゃべらず1日が終わることもあるかもしれません。そんなときにはゲーマー向け音声チャットサービス「Discord」をチームで使ってボイスチャットで雑談しながら仕事する手もあります。

Discordにログインしている間は気軽に話しかけて良いよというサイン。こちらはミュートにして同僚の雑談を聞いているだけでも良いし、話しかけられたらミュートを解除して雑談に参加するといった使い方ができます。

オンラインランチやおやつ会を開催しよう

オンライン会議ツールを使ってオンラインランチ会やおやつ会を開催するのも良いでしょう。

ご飯やお菓子を食べながら雑談するだけでもいいし、オンラインクイズアプリやオンラインゲームなどを用意するのも盛り上がるはずです。

SNSも息抜きに

雑談の相手は社内だけとは限りません。会社のルールにもよりますが、SNS利用がOKな会社であればSNSに投稿したりシェアしたりするのも良い息抜きになるでしょう。

ちなみにシックス・アパートでは、ソーシャルメディア利用ガイドラインを設けた上で業務時間中であってもSNSで情報収集や発信することは自由です。SNS上で同僚と雑談していることも多々あります。

雑談が好きなタイプじゃないなら無理しなくて良い

いろいろ紹介してきましたが、みんながみんな雑談に乗るタイプの人じゃなくて良いと思うのです。絵文字も無理に使わなくて良いし、必要なことをきちんとやれば良いでしょう。仕事への貢献は、行動や姿勢でちゃんと伝わります。

参考書籍:『リモートワーク大全』(壽かおり著、ポプラ社刊、税込1,870円)
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、「会社に出社しない」働き方を導入し、リモートワーク・テレワークを実施する会社が増えてきている。本書は、主に一般のビジネスパーソンが、リモートワーク・テレワーク時に必要なことがすべて書かれた一冊。ツールやアプリ、会議・打ち合わせの効率的なやり方から、家族や子どもとの接し方まで、読むだけでリモートワーク・テレワークに必要なことがすべて身に付きます。