日産自動車、パナソニック オートモーティブシステムズ、パナソニックの3社は4月19日、日産自動車のコネクテッドカー(NissanConnect)とパナソニックの家電を連携させるサービスを開始した。コネクテッドカーの状態を、パナソニックの「音声プッシュ通知」に対応した家電から声で通知する。
クルマと家電がシームレスに連携することによって、日々の生活がより便利に、移動がより快適になる環境を目指す。対応するコネクテッドカーと家電のユーザーなら、今回の連携機能は無料で使える(NissanConnectの基本料金は必要)。
サービス開始時点の機能は下記の5つだが、車種によって対応している機能に違いがあり、詳細は日産自動車のWebサイトを参照のこと。
- お出かけ前の通知
- 乗る前エアコン推奨通知
- ゾーンアラート通知
- 充電に関する通知
- 防犯通知
将来的な機能拡張も考えられており、「クルマが自宅に近づくとリビングの照明をつけてエアコンを動かす」といったことも構想にあるそうだ。
また、パナソニックの「音声プッシュ通知」が使える家電は、テレビおよびポータブルテレビ、ドアホン、LEDシーリングライト、ロボット掃除機の一部。こちらも詳細な型番などはパナソニックのWebサイトを参照いただきたい。
お出かけ前の通知・乗る前エアコン推奨通知
お出かけ前の通知は、スマートフォンのNissanConnectアプリに出かける時間や目的地を設定しているときに、家を出る時刻が近づくと家電が「もうすぐ出発の時間です」と音声で知らせてくれる。
セレナやノートといった「乗る前エアコン」に対応した車種だと、さらに「(車種名)の乗る前エアコンをONにする場合は、スマホのアプリから行ってください」という音声も流れる。
家の中に複数の対応家電があるときは、製品ごとに連携の有無を切り替え可能。例えば、別々の部屋の家電から同時に「もうすぐ出発の時間です」と音声が聞こえてくると、家族みんなのお出かけ準備もスムーズに進むだろう。
ゾーンアラート通知
これはクルマが自宅に向かっているときの機能。あらかじめ設定した範囲にクルマが入ると、家電が「(車種名)が設定エリアに入りました」と通知する。設定範囲は自宅から半径何kmなどと柔軟に設定でき、クルマで外出した家族の帰宅タイミングが分かることで、通知が来たら食事の用意を仕上げるといった使い方も便利そうだ。
充電に関する通知
EVコネクテッドカーに関する機能。自宅やステーションでEVコネクテッドカーの充電を始めると「(車種名)の充電を開始しました」、充電が終わると「(車種名)の充電が終了しました」と通知する。
防犯通知
クルマが物理的にイタズラされたり、不審者がドアを開けようとしたりして「カーアラーム」が作動すると、宅内の家電から「カーアラームが作動しました。お客様の(車種名)が不正に操作された恐れがあります」という音声が流れる。加えてクルマが動き出すと、家電から「(車種名)の始動を検知しました。スマホのアプリから車両位置を確認できます」という音声が。
クルマの盗難が増えている昨今、盗まれない対策をしておくことは大前提。しかし万が一盗まれてしまったときこの機能によってすぐに気付けば、すみやかな110番通報やクルマの追跡につながり、取り戻せる可能性が少しでも高まるかもしれない。
今後の展開は?
日産自動車のコネクテッドカー(NissanConnect)とパナソニックの「音声プッシュ通知」対応家電の連携は、サービス開始時はクローズな環境だ。NissanConnectとパナソニック以外の家電、およびパナソニックの家電と日産自動車以外のコネクテッドカーでは、今回の各種機能は利用できない。
ただ冒頭の3社によると、相互接続の仕様をオープンにすることも検討はしているとのこと。日産自動車とパナソニックに限らず、現在はインターネットやスマホアプリにつながるコネクテッドカーもIoT家電もかなり増えている。どのメーカーのクルマや家電を買ってもユーザーが難しいことを考えずにつながり、暮らしが便利になる未来を期待したい。