価格が高そうな都心のタワーマンションですが、年収がいくらあれば無理なく住めるのでしょうか? 今回は都心のタワマンを無理なく購入できる年収の目安、住宅ローンを選ぶときのポイントについて解説します。

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都心のタワマンに住むには世帯年収1,000万円以上が必要

最初に答えをお伝えすると、都心のタワマンに住むには世帯年収で最低1,000万円以上が必要です。「まぁそれくらいはかかるかな」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ではなぜ1,000万円かというと、下記のポイントから計算できます。

  • 都心のタワマンの相場は5,000万円以上(中古を含む)
  • 住宅ローンの標準的な返済期間は30年
  • 毎月の返済額は手取り月収の25%が望ましい(返済比率)

都心のタワマンとしては比較的安い6,000万円の物件でも、頭金を除いた4,800万円のローンを30年で返済するには、毎月14万円以上の支払いが必要です。返済比率25%を適用すると、手取り年収は676万円以上が望ましいため、税込年収の目安は約920万円となります。

7,000万円以上の物件となると、税込で年収1,000万円が必要になってきます。やはり都心のタワマンを無理なく購入するには、世帯年収で1,000万円以上が必要なことが分かります。

また、新築に限ると1億円以上の物件が多くなるため、さらに多くの年収が必要です。

住宅ローン選びのときに考えるべき4つのポイント

数千万円以上するタワマンを現金一括で支払える方は非常に少なく、ほとんどの方は住宅ローンを借りることになるでしょう。

ここからは、住宅ローン選びで重要なポイントを4つ紹介します。

金利のタイプ

金利はローンの総返済額にも影響してくる重要な項目ですので、真っ先に気にする方も多いのではないでしょうか。金利のタイプは大きく分けて、変動金利と固定金利があります。

変動金利は市場金利の変化に応じて、返済途中でも金利が変動する可能性のあるタイプです。固定金利より低く設定されているのがメリットである一方、将来は金利の上昇によって返済額が増えてしまう可能性があるため、金利上昇を想定して備えておく必要があります。

固定金利は金利が事前に決まっており、返済期間中に金利が変動することはありません。毎月の返済額が変わらないため、返済計画が立てやすいですが、変動金利より高めに設定されているのがデメリットです。

諸費用

住宅ローンを借りる際には、金利だけでなく下記のような負担も発生します。

ローン手数料 ローン保証料 印紙税 火災保険・地震保険 団体信用生命保険 登記費用

これらの諸費用の目安は、住宅ローン借入額の3~8%程度です。たとえば5,000万円の場合の諸費用は150万円~400万円となり、意外と大きな金額になります。

諸費用の負担が大きくて現金で払うのが難しい場合、住宅ローンに組み入れて返済できるタイプの商品を選ぶのも1つの手です。

団体信用生命保険の保障内容

団体信用生命保険は「団信」とも呼ばれ、住宅ローンの返済中に契約者に万が一の事があった場合に補償をしてもらえる保険です。契約者が死亡や高度障害になった場合、住宅ローンの残高が0円になります。

残された家族はローンを返済しなくても引き続き物件に住み続けられるので、団信はいざという時の心強い味方です。家族のいる方が住宅ローンを契約するなら、団信の保障内容や条件も確認しておきましょう。

ただし、健康状態によっては団信に加入できないこともあり、その場合は他の生命保険で補う必要があります。

返済方式

住宅ローンの返済方式には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあります。それぞれメリット・デメリットがあり、自身に合うほうを選ぶことが大切です。

元利均等返済は元金・利息の合計額を毎月均等に返済する方法で、毎月の返済額が一定になります。元金均等返済に比べると、始めの頃は毎月の返済額が少なめですが、結果的に総返済額は多くなるのがデメリットです。

元金均等返済は元金のみ均等に返済する方法で、始めの頃は毎月の返済額が多めです。しかし、ローン残高が減るとそれにかかる金利も減るため、後になると毎月の返済額が少なくなります。

将来に収入が減るリスクに備えたいなら元利均等返済、ローンの総返済額を押さえたいなら元金均等返済が良いでしょう。