SNS総フォロワー180万人超。常にポップで、にっこり笑顔の佐伯ポインティさんが、みんなのお悩みに軽やかにアンサー! Spotifyチャート最高順位1位を獲得した絶好調ポッドキャスト「佐伯ポインティの生き放題ラジオ」を書籍化した『おいでよ ポインティの相談天国』(祥伝社刊)より、“共感度高め”な相談を抜粋してご紹介。「どんなささいなお悩みも、自分にとっては一大事。お気楽な回答で、あなたの心が軽くなるといいな~!」
【お悩み】どうしたら面白い小説を書けるようになりますか?
ポインティさんこんにちは。私は会社員をしながらアマチュアで小説を書いています。きっかけはラジオにメール投稿をよくしていて、私の書く文章が短編小説みたいと褒められて気をよくしたからです。ここ4年ほど、年に2作くらい書いてコンテストに送っていますが、未だに一次選考も通りません。どうしたら面白い小説を書けるようになると思いますか?(ポイズンプリン 38歳女性)
【ポインティの回答】
■「作り方から作る」ことを考えてみるといいかも
ポインティは面白い小説を書いているわけじゃないけど、新卒で就職したのが漫画の編集者っていうお仕事だったから、物語を作ることにちょっと興味があるというかね。アマチュアながらお答えさせていただくと……。
まず大前提として、「面白い小説とは何か?」っていう素晴らしい問いに「ポイズンプリン」はたどり着いている! しかも年に2作くらい書いているわけじゃん。書き切っているわけじゃん。そこがすごいよね! そしてそれを超えて、「どうしたら面白い小説を書けるのか」「じゃあその面白い小説って何か」ってことに悩んでるんだね。
多分それらの問いは、「面白い」と「小説」の2つに分けられると思う。
まずは「面白いってなんだろう」を考えるとしたら、これおそらく真理なんだけど、すでにみんなが知ってる「既知の要素」と「未知の要素」の掛け合わせ、なんだと思う。これはよく“面白い”の定義みたいなものとして言われてるよね。たとえばヤンキー漫画。読んだことあるよね? **でも、それがタイムリープすると……? あっ! 『東京卍リベンジャーズ』だ! みたいな(笑)。
他にも、作品のテーマとして学校生活や寮生活みたいなイメージがあるとする。家はつまんなくて、学校がワクワクする場所って感じ。怖い先生とか優しい先生とか、色んな友達、先輩がいる設定はみんなよく知ってるじゃん。それが魔法学校だと……おもしれぇ~~~! っていうね(笑)。
つまりは掛け算だよね。既知の要素と未知の要素の掛け算を、人は面白いと思うんだよ。そこで、「ポイズンプリン」が書いている小説は文章のみで成立させる物語だから、キャラ、舞台、展開をどう掛け合わせていこうかな、人が気になる掛け合わせはないかな、っていうことを考える必要があるよね。
じゃあ、それをどう生むか。「発想法」について感が手みたいんだけど……。佐藤究っていう小説家がいてね、『テスカトリポカ』で直木賞受賞したのね。ポインティは佐藤究古参ファンとして言わしてもらうと直木賞を獲る前から作品が大好きで全部読んでるし最新作も読んでる(早口)。「どうしたらこんな掛け算とか、アイデアの発想ができるんだろう?」って気になるくらいに面白すぎる。
あるインタビュー記事で佐藤究が話してたんだけど、彼は取材したり、資料を集めてコピーしたり、新聞を切り抜いたりしたら、スケッチブックみたいなものにいっぱい貼っていくんだって。で、それを光に透かしてみたり、パラパラパラーってめくって見たりすると、「これとこれの要素は繋がる気がする」とか「これの掛け算は面白そうだぞ」って思い浮かぶんだってさ。まずは1度きっちりと取材して、それをあえてランダムに繋げたり、無意識的に連結させる。いわば「ゲシュタルト崩壊」みたいな感じなんだって。
佐藤究は色々と貼り付けたものを「ゲシュタルトブック」って呼んでた。「か、かっけ~~!!」って思うよね(笑)。作家に創作の秘訣を聞いた時にさ、「ゲシュタルトブック」って答えてきたら……、そりゃめっちゃ面白そうやん(笑)。
あと素晴らしいなって思ったのが、スティーヴン・キングの物語のつくり方。伝説的ホラー作家で『IT』とか『シャイニング』とか、あとホラーに限らず『ショーシャンクの空に』とか『グリーンマイル』の原作も描いたり、色んな小説を書いてる有名な作家なんだけどね。彼はまず一気にバーッて書く。物語を書いて、それを読み直して、そこから「この作品のテーマは●●なんだ」って定めるんだって。
書いた後に読んでみたら、「これは父と子の関係の話なんだ」ってテーマが見えてきたとするじゃん。そしたら、その後にはテーマに沿った要素を足して、沿ってないものを引いていく。一通り書いてから、テーマを付与するっていうやり方なんだって。
ここから言えるのは、「ポイズンプリン」の小説は、もしかしたら「作り方から作る」必要があるのかもしれないよね。取材とかもそうだし、友達の話を聞くとか、それぞれやり方があるから、調理方法が面白いと作品自体も面白くなるんじゃないかなってね、ポインティは思うよ。
……ちょっと長くなっちゃった! でも、いいテーマだよね。面白い小説とは何か。すごい深遠なテーマを楽しんでいってほしい!
『おいでよ ポインティの相談天国』(祥伝社)
著者:佐伯ポインティ
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絶好調ポッドキャスト「佐伯ポインティの生き放題ラジオ!」を書籍化。佐伯ポインティさんが、恋愛・結婚、性・自意識、仕事、人間関係など、「私のことかも……」と共感度高めなお悩み50個に、「ポインティならこうするよっ」と軽やかにアンサー。しっかり悩み、顔を上げて生きるためのお気楽回答集。書籍限定の書き下ろしコラム「遅刻の技術」「ポインティ、恋のお話」も収録。Amazonで好評発売中です。