旅行や出張に行くときや、急に帰省しなければならなくなった時。「愛犬や愛猫を、どうしたらいいの?」と戸惑うことがあると思います。食事や水、トイレの問題。病気になったらどうしようなど、飼い主さん同士で情報交換しても、なかなか正解が分からないですよね。かといって、改まって獣医さんに聞くのも、ちょっとためらう……ここでは、そんな留守中の対応を全5回に分けてご紹介。4回目は動物病院にお泊りさせる編です!

これまでのお話はこちら

  • 動物病院のメリットとデメリットは?

いざというときの安心感は、動物病院が一番

わたしたち人間と違って、ペットは「頭がいたい」「体がだるい」など、体の不調を声に出すことができません。だからこそ、知識的にも経験的にも豊富な人がペットの側にいてくれると、飼い主さんも安心できますよね。

動物病院に併設されたペットホテルなら、先生がその場にいるので、大切なワンちゃん猫ちゃんの異変に、素早く気付いて対応してくれます。病院なので、お薬もあるし、何かあったときの安心感は絶大! かかりつけの病院であれば、ペットのカルテを確認しながら、適切な治療を行ってもらえます。お泊りする方法はいろいろありますが、「動物病院だからこそ」の安心は、とても大きな魅力と言えるでしょう。

だけど、動物病院ならどこでも良いのか……というと、そうではありません。かかりつけの病院でお泊りできない場合、信頼できる先生がいる病院を見つけておく必要があります。信頼できる病院がもう1つあれば、お泊り以外でも「いざ!」という時に、セカンドオピニオンとして先生に相談することができます。

動物病院を選ぶときのポイント3つ

1.先生との相性
獣医さんと言っても、千差万別。動物が大好きな人、犬好きの人、猫好きの人、家業を受け継いで獣医を選んだ人などさまざまです。そんな中から、相性のいい獣医さんに出会えたら、一生の宝。先生との相性を見極めるポイントは、次の3つの項目があげられます。

・飼い主さんの話を最後までよく聞いてくれるか
・不明な点を聞き返すと、嫌な顔をしないか
・説明は専門用語を使わずに、わかりやすく話してくれるか

自分から何も言えないペットに代わって、飼い主さんが先生にいろいろと説明をしないといけません。そのやりとりをスムーズに進めるためにも、リラックスして話せる相手であることが大切です。

2.病院との距離
自宅から動物病院までの距離は、短いほうがペットのストレスになりません。事前に見学に行き、病院までの最短ルートを確認したり、どのくらい移動時間がかかるのかを把握しておきましょう。

3.清潔な環境かどうか
動物病院を見極めるとき、新しいか古いかよりも、清潔感があるかは重要なポイントになります。動物病院独特の獣臭がなく、お掃除が行き届いた院内は、ペットにとってもリラックスできる環境です。ホームページの見栄えの良さと、実際の清潔感は比例しません。いきなりお泊りを申し込むのではなく、その前に足を運んで、清潔な環境かどうかをチェックしましょう。

いろんなペットが来る場所だから、ワクチン接種は必須

お泊りする動物病院が決まったら、次に気をつけたいのはワクチン接種。動物病院には、飼い主さんがいるペットだけでなく、野良犬や野良猫がやってくることもあります。

もともとケガした病気になった動物たちが集まるのが動物病院。だからこそ、お泊りする際には、ワクチン接種をしていることが必須になります。猫ちゃんの場合、お泊り時にノミ・ダニ予防をお願いする病院もあるので、確認しておきましょう。

ワクチン接種については、接種日から1年以内の証明書を提示するのが基本。うっかりワクチン接種を忘れていた場合は、あずかり時に注射をしてくれるところもあります。これも動物病院ならではのメリットですよね。

もし、ワクチンも一緒にお願いする場合は、宿泊料金に加えて3,000円~5,000円(3種ワクチン)ほど高くなります。ホームページで、料金の目安を確認しておくといいでしょう。初めて行く病院でワクチン接種をする場合は、初診料もかかってきますのでご注意を。

お願いするときに持っていくもの

いよいよお泊り当日。持ち物は、いつもペットが食べている食事、ワクチン接種の証明書、ペットの匂いがついたタオルや毛布などがあると便利です。

なるべく普段と同じ環境にしてあげるほうが、ペットの負担は少なくなります。食事については、あらかじめ1食分ずつ小分け袋に入れておくと、スタッフが食事の量を間違える心配もありません。

動物病院ではどうやって過ごしているの?

猫の場合、病院ではほとんど1日ケージの中で過ごします。病院は人や動物の出入りが多い場所。狭いところが嫌いな子や、他の人や動物に慣れていない子には、ストレスになってしまうことがあります。猫ちゃんの性格を考えた上で、動物病院を利用するかどうかを決めましょう。

猫にとって「家」という縄張りから出ていくことは、とても不安です。そんな不安感を少しでも和らげるためにも、下記2つの条件を満たしてくれる病院をおすすめします。

・犬と猫が別部屋になっている
・先生がときどき見回りに来てくれる

犬の場合、ケージに入れっぱなしではなく、1日2回(朝・夕)のお散歩もやってくれるところがほとんどです。そのとき回るお散歩コースは、当然ながらワンちゃんは初めて。最初は戸惑うかもしれませんが、いつもと違う景色や匂いにワクワク楽しみながらお散歩してくれると思いますので、安心してお任せしましょう。

ただし、気をつけたいのが、おあずけ中の様子が分かる報告サービス。ペットホテルのように、メールやラインで毎日まめに送ってくれるところは、あまり多くありません。実際には、お迎え時に報告書を渡すだけだったり、口頭でおあずけ時の様子を伝えるだけだったり。また、報告書自体がない病院もあります。

ここはホテルではなく、あくまでも動物病院。お泊り以外のケアは、いたってシンプルだと思っておいてくださいね。

ケガや体調不良になってもケアしてくれるから安心

ワンちゃんも猫ちゃんも、体に不調があった場合、本能的にそれを隠そうとしてしまいます。そのため、飼い主さんがペットの不調に気づいたときには、すでに体調が悪化していることも……。健康そうに見えても、実はとっても繊細なペットたち。健康面を重視するなら、動物病院のお泊りもおすすめですよ。