インドネシア・バリ島ウブドにて、Wi-Fi環境も整備され時差もないので身体が日本にいなくても日本とリアルタイムに仕事ができる。

今回はLCC航空のairashia.comを利用。往復でも32,000円で燃料サーチャージなし。インドネシアも東京ー大阪間と料金的に差がなくなりつつある。フィリピンーマレーシアーバリ島とネットワークも豊富。すべてウェブで予約だからできるこの価格設定。

■2050年、ニッポンの経済力は1/4にもシュリンクしてしまう

21世紀になってかれこれ10数年が過ぎた。

20世紀の100年間は、今までの19世紀(1900年)にわたる歴史の情報量と人口量を凌駕した100年であった。 そして、2050年、つまり21世紀中頃までにこの規模が世界で約3倍にも伸びようとしている。

ゴールドマン・サックスのレポート「more than an Acronym (2007年3月)」によると、2050年(今から+38年後)までに世界の経済規模は現在の約3.2倍に膨らむそうだ。

しかし、その時の日本は、なんと、GDP世界比率は12%から3%へと1/4にもシュリンクするそうだ。

2050年のGDP世界比率では、中国29%、インド16%、アメリカ16%、ブラジル5%、メキシコ4%、ロシア4%、日本3%、インドネシア3%、の順となる。

かなり世界経済の様相は変化していると思う。もちろん、中国でもエリートになればなるほど英語ができ、インドでもカーストが高いほど英語が堪能ということを考えれば、経済的な指標とした場合、中国、インド、アメリカのGDPトップにおける英語化率は、その3カ国だけでGDP世界比率が61%と考えることもできる。

世界のほとんどは、英語、もしかすると中国語と考えるのが順当な未来予測だ。こうなると日本語の影響力といえば世界の誤差くらいでしかなくなる。いや、ますますマイノリティーな言語となってしまうことは確実だろう。

2006年、日本のGDPの世界比率は約12%
2020年、日本のGDPの世界比率は約8%
2035年、日本のGDPの世界比率は約5%
2050年、日本のGDPの世界比率は約3%

これはまるで日本の消費税の反比例のような話のようだ(笑えないが)。

2050年、日本は残念だが、世界に影響を与えるようなインパクトをまったく持ちあわせていない。

全世界で1割以上もあった日本の影響力が、かつての消費税のような3%程度にシュリンクする世の中の到来が、ほぼ確定している。その要因は「少子化」だからだ。

すでに、一番のボリュームゾーンである団塊の世代(第一次ベビーブーマー1947~1949年 806万人)1947年組が65歳入りをして3,000万人を突破してしまった。日本の人口比で24.1%、つまり日本の人口の1/4が65歳以上となったわけだ。さらに毎年250万人以上が「65歳化」へと続く。この3年間で大きく変化することとなる。

65歳以上3,000万人突破 総務省(2012年09月)

たとえ、今から政治が変わり、少子化が解消したとしても、20~30年後にしか、それらは影響を及ぼさない。だからこそ、1日でも早く少子化に取り組まなくてはならない。

日本の将来推計人口のアニメーションgifを見ると、もう待ったなしであることがよく分かる。

それと同時に「英語教育」もさらに進めなければならないのだ。それは、ニッポンが移民に生活を頼らざるをえないからだ。

■移民大国、Nippon。

2009年での、外国人登録者数は219万人(1.7%)である。国立社会保障・人口問題研究所の人口移動調査(サンプル調査)によれば外国生まれの人口比率は1.1%である。欧米では10~15%前後が平均値であり、現在の日本は極めて移民が少ない国である。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1170a.html
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/images/1170a.gif

観光で来ている外国人は、861万人(2010年)、621万人(2011年東北大震災)であり、彼らのすべてを日本の移民とし計算しても、6.8%で、欧米クラスの移民のやっと半分だ。

つまり、日本に観光で来ている人の2倍の移民で、ようやく先進国レベルの移民数となる。

4人に1人が高齢者、それが3人に1人となった日本の未来では、裕福な高齢者のみが、日本語での介護などのサービスを受けることができるが、裕福でない人たちは、日本人から日本語のサービスを受けることが難しくなると考えるのが妥当ではないだろうか?

現に、コンビニエンスストアの店員さん、居酒屋の店員さんなどは、中国名の名札をつけた人しか見かけなくなっている。レストランでも、いびつな日本語でオーダーされることが多くなった。

「ここは日本だぞ!」と憤慨していても、もう手遅れだ。

ボクたちは完全に、外国の人たちに助けてもらわないと、この国をオペレーションできない状況にいたっている。

そこで想像力をたくましくしてみよう…。

膨大な老人を抱え、税収が徴収できない国家が考えることは、過去の歴史を振り返ると安易に想定できる。 移民を奨励し、納税させる事しかないからだ。それで子孫を増やさせ、人口増を狙うしかない。かつてのブラジルの移民政策と同じだ。

しかも人口ピラミッドの底辺を作るわけだから相当数の移民を受け入れざるを得なくなる。特に工場や物流やサービス分野の労働集約産業だろう。ボクの計算では、30%(3600万人)くらいの移民が必要だ。現在の日本で見かける外国人の3.5倍の外国人がいる世界を想定すると、もはや「日本」は「Nippon」という全く新しい国になろうとしていくのがイメージできる。

中国やインドのたった5%の人が超のつくほど優秀だったとしよう。それだけですでに日本人のすべて1.2億人分の優秀な人がいることになる。人口の母数の差はそれだけ大きい。そして自国のGDPがブレイクするまでには時間がかかる。それまでに、高度なサービス化、高賃金化した日本に最後のビジネスチャンスを求め世界から続々と移民がやってくるのだ。Nipponはそれらの者に働いてもらわないと動けない。

そこで、あなたはどうするのかが問題だ。

■日本ではなく、アジア全域をマーケットとする時代

アジアの国々は、外貨を得るための観光地では、誰もが英語をしゃべる。かつて日本の戦後の子供たちもUSアーミーからチョコレートをもらうためには英語をしゃべってきた。横田基地の売店のおばちゃんや横須賀のおっちゃんも英語が必要とあればしゃべってきた。日本人は英語が喋れないのではなく、必要がないから喋らなかっただけなのだ。

流ちょうにしゃべる必要はない。自分の商売に関することだけ喋(しゃべ)れればよい。ボクがロサンゼルスのホットドッグ売りに、時間を聞いたら、「1ダラー50セント」と答えられ、もう一度聞くと、「2つで3ダラーと答えられた」ことがある(笑)。彼らはホットドッグさえ売れればいいのだ。

インドネシアのタクシーの運転手は、日本語、中国語、英語、マレー語、インドネシア語など、何カ国語も喋(しゃべ)れる人が多い。決して上手な訳ではないが、タクシーで必要な語彙(ごい)は限られているので困らないという。それらはすべて乗客から覚えているという。学校などには行かず、常にOJT(On-The-Job Training)で習得している会話だ。

だから、ニッポンでも移民が増えれば、そんな日常会話程度では困ることはない。 むしろ、日常会話程度ができるというレベルが一番問題かもしれない。

英会話の学習経験がある人ならばわかると思うが、英会話の一番のネックは「緊張」である。これがなくなれば、簡単な会話ならば中・高等教育で十分だ。むしろそれで事足りてしまうことの方が問題だ。日常会話程度できるという自信が英語力の上達をとどめてしまうからである。

日本人の6割は英語がまったく駄目、そして3割が日常会話くらいならば、残りの1割はビジネス英語ができるというような配分のような気がする。

残りの1割のビジネス英語ができるビジネスマンにならないと意味が無いのだ。

ボクはLCCが日本に航行する前からLCCの航空会社を利用してきたが、半年後のチケットを予約しておけば、東京-大阪の新幹線料金でアジアを飛び回ることができる。

現在はインドネシアのバリ島でこの記事を執筆しているが、ロスメン(民宿)からバンガロー、ホテルとさまざまな滞在場所がある。3,000円もあれば、朝食つきでプールもある。おそらく、一ヶ月滞在しても、約9万円で、日本の東京の家賃以下。しかも外食しても高級レストランでもデニーズやロイヤルホストなどのファミレスと変わらない。 ネットで接続できているので、日本のどこかの格安のリゾートにいると思えばいいだけだ。

シンガポール、マレーシア、ベトナムに目を向けてみると、中国や韓国のビジネスマンは多いが日本人のビジネスマンは圧倒的に少ない。日本の国内移動とも料金が変わらない(時期は限られるが)、滞在費が安価、成長度が右肩上がり、これらの国に進出していかない事の方がリスクだと思ったほうがいいだろう。

日本人、日本の企業、特に製造業以外は、マーケットを日本語で限定しているから、自ら首を絞めてしまう。自分を日本人と思わず、アジア人だと思えばいいのだ。一気にアジア全体の市場をマクロで考えてから日本をミクロとして考えてみることを薦めたい。そのためにも、最大公約数的なコミュニケーションとしてのビジネス英語力が必要なのだ。 1割の人たちのビジネス英語になればなるだけ成果も投資効率も10年という長いスパンでみたら大きいはずだ。 これは、年齢が10代>20代>30代>40代>50代>60代と若ければ若いだけ勤労年数が長いだけレバレッジが効く。

英語が苦手であれば、フィリピン英語留学やフィジー英語留学ならば、学校でマンツーマンの英語授業込み、食事付きで月額10万円程度から学校がある。韓国の学生が大半だが、日本人も増えている。韓国は自国だけではビジネスが成り立たないので、海外に出ていく。そのため、韓国の国際企業で働くためには、最低でもTOEICテストで700~800点が取れなければ、ビジネスのテーブルにさえ付けない。だから、英語は必須科目である。しかし国内では満足に学べないので、英語が公用語であるフィリピンやフィジーが留学先として開発されてきた経緯があった。

日本も近い将来、自国だけでは成立しない国家になることがわかっている以上、英語力は必須条件である。

これからシニアになる人は、日常会話ができれば問題ないが、これからあと20~30年も働く人には、単なる日常会話だけでなくビジネス英語が重要となるだろう。

■ビジネス英語力が未来のNipponを助ける!

米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏は、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という。つまり、16年後の2027年には、65%の新たな職業が誕生しているといい替えることができる。

例えば、Googleがそのいい事例だろう。1998年に創業。2004年からGmailの無料サービスを開始。また同年にNASDAQに上場を果たし、数々の無料のサービスを提供し、そのユーザーに広告を見せるという新しいビジネスの概念を発明し、インターネットにFREEの世界を構築した。さらに、OSまで無償提供し、Androidというスマホ市場をも作った。

そのGoogleでさえ、上場してからたったの8年しか経過していないのだ。だから、16年後のアメリカで、65%の人が新産業、いや、新職種に就労していてもまったく不思議ではない。インターネットの利用がWindows95と共に成長した1995年から17年。どれだけそれまでになかった職種やビジネスが生まれているか考えて見ても容易だ。

幸い、日本のサービスは、世界でも秀逸で最高峰である。

日本は世界で一番レストランにバラエティーに富む国だ。一説には3,000種類もの専門店があると言われる。 うどんの専門店だけでも、立ち食いうどん、関西うどん、讃岐うどん、うどんすき、カレーうどん、天ぷらうどん……そのほかと多岐にわたる。そばにパスタにめん類だけでも想像を絶するほどの専門店が存在する。 だからこそ、海外の日本料理屋では、カレーとすしと天ぷらとステーキとうどんを同じ店で提供しなければならなくなるから日本人は驚く。

まじめな国民性なのかもしれないが、スケジュールどおりに交通機関が動き、ボッたくりのタクシーはほとんどなく、24時間営業しているコンビニが随所にあり、真夜中でも酒が自由に買える。薬でラリっている人もおらず、銃声を聞く事もない。わいろを要求する警察もいない。ましてや徴兵もない。こんなにも平和で自由で戦争がなく、テロやクーデターがない国も珍しいほどだ。

外国人からすればあこがれの国にならないことが不思議だ。日本人はもっと未来のNipponをセールスする必要がある。そのためにもビジネス英語力がもっともっと大量に必要だ。 世界で起きている最新のビジネスや新たな産業、新たな職種をいち早く取り入れることによってビジネスチャンスもさらに拡大化される。

グローバルの波が押し寄せるとよく言われるが、グローバルの波は勝手にこっちに来てくれない。スルーされるだけだ。グローバルの波は、乗りにいかなければ乗り遅れると言った方が正解かもしれない。このままではNipponは老齢大国で沈み行く船である。たとえ政治で空白な状況が続いても、経済が国を支えなければならない。そのためには、ビジネス英語力が最も必要だ。

ではまた来週!

文/Paul toshiaki kanda 神田敏晶

■著書プロフィール

神田敏晶
KandaNewsNettwork,Inc. 代表取締役
ビデオジャーナリスト / ソーシャルメディアコンサルタント

神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピューター雑誌の編集とDTP普及に携わる。その後、 マルチメディアコンテンツの企画制作・販売を経て、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。

1999年に米国シリコンバレーに進出、SNSをテーマにしたBAR YouTubeをテーマにした飲食事業を手がけ、2007年参議院議員選挙東京選挙区無所属で出馬を経験。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。