QR/バーコード決済(以下、コード決済)の普及により、店が取り扱う決済の種類も急速に増えているが、会計時に自分が使いたいコード決済が利用できるのか、わかりづらくて困っている人も多いのではないだろうか。今回はそうした際に覚えておくと便利な「Smart Code」について紹介する。

  • Smart Code

19のペイが10万店以上で使える

Smart CodeはJCBカードで知られるジェーシービーが、2019年7月から展開している決済スキームで、コード決済事業者と店舗をつなぐ決済情報処理センターの提供や、加盟契約の一本化を行っている。

ユーザー目線で説明すると、Smart Codeに参画しているコード決済は、すべてのSmart Code加盟店で利用でき、逆にSmart Code加盟店では、参画しているどのコード決済でも支払いができるということだ。

  • Smart Codeのイメージ(Smart Code公式サイトより)

2021年1月現在、Smart Codeに参画しているコード決済は以下の通り。

・atone
・ANA Pay
・au PAY
・EPOS Pay
・K PLUS
・ギフティプレモPlus
・銀行Pay(ゆうちょPay、はまPay、YOKA!Pay、OKI Pay、ほくほくPay、こいPay等)
・FamiPay
・pring
・メルペイ
・LINE Pay

  • Smart Codeに参画しているコード決済(Smart Code公式サイトより)

一方、Smart Code加盟店は全国10万店以上あり、コンビニであればローソン、ポプラ、生活彩家で利用可能。2021年春からはファミリーマートでも対応予定となっている。

詳しくは公式サイトで確認できるが、飲食店ではケンタッキーフライドチキン、ウェンディーズ・ファーストキッチン、コメダ珈琲店、日高屋、てんや、ロイヤルホスト、いきなりステーキ、串カツ田中など。また量販店ではヤマダデンキ、ジョーシン、島忠、オートバックス、イエローハット、トイザらスなどで利用可能だ(一部店舗は非対応の場合あり)。

このほか、ドラッグストアやショッピングモールなどでも広がっており、ジェーシービーのモバイルペイメント部Smart Code室室長の川口潤氏によると、今後3年間で50~60万店まで増える計画となっているそうだ。

  • Smart Code対応加盟店は公式サイトで確認できる

「○○ペイで」と伝えなくても支払える

Smart Code加盟店だからといって、特に支払い方法が変わるわけではない。会計時は対応決済のコード画面を提示すれば支払える。

なお、コード決済の支払い方式には、ユーザーがコードを提示して店側が読み取るCPM(Consumer Presented Mode)と、店側が提示するコードをユーザーが読み取るMPM(Merchant Presented Mode)の2通りあるが、現在のところSmart Code加盟店はすべてCPMとなる。

  • Smart Code加盟店ではユーザーがコードを提示して支払う(写真はイメージ。Smart Code公式サイトより)

店員側の操作としては、「コード決済」「バーコード」などのボタンを押せば、どのコード決済が使われても、レジが自動で判別してくれるようになっている。そのため店員が利用できるコード決済の種類を把握していなくても、またユーザーが個別の決済サービス名を伝えなくても、コードを提示して支払うことさえ伝われば問題ない。

川口氏によると、今後MPMへの対応も検討しているとのことで、これが実現すれば、個人経営などの小規模な店舗でも、レジにQRコードを印刷した紙を設置するだけでSmart Codeが導入できるようになる。

ちなみに現在でも、カメラ付きの決済端末(RX100QT)を導入しているJCB加盟店であれば、契約さえすれば決済用機器の置き換えをせず、最短数日でSmart Codeが利用可能となる。

  • カメラ付き決済端末(RX100QT)

加盟店、決済事業者、ユーザーそれぞれにメリット

Smart Codeは加盟店、コード決済事業者、ユーザーそれぞれにメリットがあり、加盟店であれば1つの契約で複数のコード決済を扱うことができ、入金サイクルもまとめられる。またコード決済事業者は、自社の決済が10万店以上で利用できるようになり、地道な努力が必要な加盟店開拓を代行してもらえるのだ。ユーザーにとっても、各コード決済を利用できる店が増え、利便性が向上する。

特に地方銀行の「ペイ」は、そのエリアでしか使えないと思われがちだが、Smart Codeに参画しているのであれば、全国のSmart Code加盟店で利用可能。ファミリーマート専用と思われがちなFamiPayも同様となっている。

自社の決済サービスであるJCBブランドのカードや、電子マネー「QUICPay」だけでなく、他社が提供する決済サービスも取り扱うアクワイアリング(加盟店開拓)業務も行ってきたジェーシービー。これからも、「ユーザーが選択できる決済方法は、できるだけ多いほうがいい」(川口氏)という方針で、サービスを提供していくそうだ。

  • ジェーシービー・モバイルペイメント部Smart Code室室長の川口潤氏

今後はユーザーが還元を受けられるSmart Code独自のキャンペーンも展開していく計画とのこと。Smart Codeのロゴや「S」マークを見かけた場合は、少し意識して利用してみてほしい。

  • スペースの小さな場所では「S」だけのロゴが使われることもある

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