就職活動中の皆さんは自分が今後働くかもしれない企業を、どのように調べていますか? ナビサイトで条件を入れて調べたり、TVやSNSなどの広告でお馴染みの企業の採用サイトを調べたり、”就職人気企業ランキング”を参考にしたり、大学の先輩やゼミ・研究室の就職実績から見当をつけたり……というケースが多いのではないでしょうか。

この記事では、社員・元社員の「生の声」で理想の企業が探せるクチコミ情報プラットフォーム「OpenWork」でスコアが高い、つまり、実際に働いたことがある社員・元社員が評価をする企業を、各業界別にランキング形式で紹介しつつ実際のクチコミも紹介します。 「就職人気企業ランキング」では読み取れなかった、前から気になっていた会社や名前も知らなかった会社で実際に働く先輩社員の生の声を読んで、新しい出会いを見つけてみてくださいね。

今回は、「OpenWork」のスコアより、毎年就活生から手堅い支持や興味関心を集める「インターネット業界」を掘り下げます。

  • ※画像はイメージです

「インターネット業界」どんな企業がある?

インターネット業界と聞くと、おそらく漠然とITベンチャー企業や、かの有名なGAFAM、SNSやオンラインゲーム……などなど、耳馴染みのある企業名やサービスは沢山思いつくと思いますが、具体的にどういった業界を指すのか説明が難しいと思います。IT業界の定義や区分は様々ですが、ざっくりと5業界で構成されており、この5業界の総称を「IT業界」と言います。

インターネット業界は定義が広いため、サービス形態や商品区分でさらにジャンルが分かれます。具体的には、Eコマース(オンラインショッピング)、WEB広告、ポータルサイトやウェブサービス、SNS、ソーシャルゲームなどが主な区分・ジャンルとなります。

インターネット業界はここ20年弱で急成長した若い産業であり、GAFAMの時価総額は約7兆ドル(2022年6月時点)など世界経済を席巻しています。日本でも、2021年の「インターネット附随サービス」の売上高は2兆2,418億円(※)であり、前年2020年から+16.4%と増加しています。 ※経済産業省の特定サービス産業動態統計調査

成長スピードが速く、開発技術も目まぐるしく変化する業界ゆえ、年齢や在籍期間よりもスキルを重宝される傾向があり、若手社員も活躍・挑戦しやすい環境といえます。成長業界ゆえ常に人材を募集していますが、インターネットさえあればどこでも働けることを武器に、リモートワークやフリーランスといった選択肢を増やし、待遇を上げることで優秀な人材を獲得しようとする企業も多く、魅力的な就業環境が多いことも特徴です。

今後ますます成長する業界で自身のスキルを磨き市場価値を高め、自分に合った働き方を選んで行きたい。そんな就活生にはおすすめの業界です。

実際に働いた社員が評価する「インターネット業界」企業の総合評価ランキング

実際に「インターネット業界」で働いてきた先輩たちは自社をどのような評価をつけたのでしょうか? まずは、8つの評価スコアから算出した「総合評価」のスコアが高いTOP10企業をランキングしました。

1位はGAFAMのGに当たる世界的な検索エンジンを有する「グーグル」、2位は顧客管理(CRM)プラットフォームを提供する「セールスフォース・ジャパン」、3位はGAFAMのFにあたる「Facebook Japan」とTOP3は全て外資系企業が並びました。TOP10にランクインしたインターネット業界企業の全てが総合評価4点以上と、高スコアであることも特徴といえます。

外資インターネット企業の社員評価が高い理由は、あくまで「通過点」?

世界的な影響力・知名度を持つ大企業がTOP3に並びました。実際にこの3社で働いたことがある社員の声を覗いてみると、あくまでこの会社に所属していることは今後の自分のキャリアの「通過点」であるという思考が垣間見えます。これまで培ってきた自身のスキル・経験が土台にあり、自走力を持って積極的に仕事を人が活躍できる環境が用意されているため高評価に繋がっているようです。

「この会社に3年以上いるだけでも、日本企業の10年ぐらいの濃密な体験ができます。また、キャリアにこの会社の在職を加えられただけでも、退職後もその実績がついて回ります。その大きな理由は、OB達が、Googleの採用基準の高さ、"Googley"の精神を完全に理解しており、それに対して完全に信頼しているため、転職・キャリアプランに非常に有利になります。なので、私も次のチャレンジを非常に見つけやすく、Googleの待遇+30%の条件ですぐに決まりました。」(技術、男性、グーグル)

「非常に働きがいのある職種だと思う。急成長する企業でスピード感があり、この会社のビジネスの成長に貢献しているんだなと実感することが多い。そのため、仕事に対する意欲が高い社員が多く、このような環境で働けることはファーストキャリアとして最適だと思う。入社してから間違いなく成長したと思う。ビジネスパーソンとしてだけでなく、人間としても成長させるような環境である。また、キャリア形成の柔軟性が非常に高く、卒業メンバーは様々な業界のトップファームで活躍されている方が多い。」(ソリューションエンジニア、男性、セールスフォース・ジャパン)

「日本オフィスの営業職においては新卒採用を行なっていないため、手取り足取り仕事を教えてくれるような体制はあまりない。自分で仕事を見つけ、自分で解決できるような能力が求められる。プラットフォームが優れているため、必死に営業をしなくてもある程度の成果は出せるが、その中でいかにユニークな仕事をするかが重要であり、受け身でいると評価に繋がらないため、積極的に仕事を取っていく姿勢が大事。またチームワークやコミュニケーション能力が重要視され、いわゆる『良い人』が評価される傾向があるように思う。」(営業、女性、Facebook Japan)

しかしながら、こういった3社に新卒で入社できるのはごく僅かであり、そもそも新卒採用を行なっていない会社も多いのが現実です。

誰もが知っているあのIT企業の「働きがい」の秘訣とは? 社員クチコミから深掘り

幅広い業種・産業を擁するインターネット業界なので、皆さんが日々馴染みのあるサービス・商品も多いと思います。実際に著名なサービス・商品を展開するあの会社を、OpenWorkの評価スコアと社員クチコミから深掘りしてみましょう。

サイバーエージェント

国内トップクラスのWEB広告事業を展開し、ソーシャルゲームや「AbemaTV」といったメディア事業まで手がける日本のインターネット最大手企業のひとつ。「社員の士気」「20代成長環境」スコアが高く、実際の社員クチコミからも闊達な組織文化がうかがえます。

「若手から裁量権を持って働けるので責任は伴いますが、他社では経験することの出来ない仕事ができると考えます。成長は、経験の総量と困難と逆境の数で変化すると考えますが、サイバーエージェントでは両軸補うことができるので若手から圧倒的な成長ができると思います。」(営業、男性、サイバーエージェント)

「組織体制は業界の流れに合わせて良く変わります。それが強みでもあるし、大変だと感じる時もあります。上層部の方針がしっかりしているので、将来への不安は少なく、目の前の業務に取り組めます。また、企業文化もとても良いと思います。素直で良いやつ、が多い会社で、明るく前向きに頑張る人が多いです。」(営業、女性、サイバーエージェント)

メルカリ

日本初のユニコーン企業(時価総額1,000億円以上のスタートアップ企業)。業界トップクラスのフリーマーケットサービスを展開している企業です。満遍なく高スコアですが、企業文化の浸透施策を通じた「待遇面の満足度」「人事評価の適正感」スコアが高いようです。

「半年に一回査定があり、上がり幅は平均的な会社と比べれば高い。評価制度は頻繁に改善する動きが見られる。入社当初から考えるとだいぶ基準も明確になってきている。課題の発見解決からまでができる人が評価されるイメージ。結果の出し方も千差万別で、皆がそれぞれの得意なところを活かせている。」(ソフトウェアエンジニア、男性、メルカリ)

「会社のValueを非常に大事にしている。日々の業務においてももちろんであるが、入社時はValueを体現できる人物であるかを重要な選考要素として、入社後もValueに沿った行動ができているか否かが重要な評価基準としている。」(管理部門、男性、メルカリ)

Uber Japan

米国発、世界900都市以上でライドシェア事業や「Uber Eats」といったデリバリー事業を展開する企業。スピード感のある企業成長は、「風通しの良さ」や「20代成長環境」スコアの高さにも表れているようです。

「かなりのスピードで変化・進化を常に続ける宿命である業界とご時世なので、ビジネス展開のグローバルの方向性や組織編成の見直し等が活発にされる環境です。変化への適応力が低い方、あるいは苦手な方はあっていない環境だと思います。」(営業、男性、Uber Japan)

「非常にオープン、カジュアルで全体的に風通しのいい環境。自分は伝統的な日本の古いカルチャーには全く合わないので、自分にとっては非常に居心地がいいです。」(人事、男性、Uber Japan)

Bytedance

2021年には世界ユニコーンランキング1位になった、動画共有サービス「TikTok」などを運営する企業。「人事評価の適正感」スコアが高く、実力主義な組織風土がうかがえます。

「外資にしてはベース給の割合が大きい。営業成績がダイレクトにインセンティブへ反映される。インセンティブもある程度の達成率基準が設けられる。自身の力量でインパクトが大きく変わってくるため、実力成果主義が徹底されている。それ以外の昇給昇格は半期に一度、事前に設定した評価指標から上司、同僚、自身の評価から決定する。成長期かつ拡大期のフェーズゆえにポジションはあいているため、役職者になるチャンスも多く転がっている。」(営業、女性、Bytedance)

「本当にグローバルでフラットな環境です。入社前からそのような環境をイメージしていましたが、想像以上でした。"Bytestyle"と呼ばれるいくつかの企業文化があり、社員さんも会社の文化にフィットしている人が多いので本当に働きやすいです。」(QA、女性、Bytedance)

ZOZO

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」やコーディネイトアプリ「WEAR」などを展開する企業。「風通しの良さ」「社員の相互尊重」スコアの高さを裏付けるような、チームワークの良さや社員同士の仲の良さといった声が多くみられます。

「風通しがよく、下から上へ意見を言いやすい環境が整っていると思います。あだ名文化があり、かなり風通しもいいです。社外コミュニケーションを必要としない部署では厳格なビジネスマナーが求められるような場面も少ないです。」(エンジニア、男性、ZOZO)

「上司との距離が近く、頑張り次第で成長できる環境だと思います。また、社内には社内公募制度があり、自身の興味のある部署へ異動希望を出すことが可能です。この制度を利用し、自分自身を成長させていく方々も沢山いらっしゃいました。」(カスタマーサービス、女性、ZOZO)

今後ますます隆盛のインターネット業界。栄枯盛衰の世界で活躍するには

OpenWork上のインターネット業界ランキングTOP3の3社や、有名なサービスを手がける5社のスコアやクチコミを見てきましたが、同じインターネット業界であっても組織文化や求められるスキルセット、成長スピードといった側面でそれぞれ企業のカラーが異なります。

一方で、インターネット業界は特に「人材の長期育成」スコアが低い傾向にありました。成長スピードが速く、開発技術も目まぐるしく変化する業界ゆえ、栄枯盛衰の世界でもあります。人もサービスも技術も常に新陳代謝することが求められることを理解し、自身の市場価値を意識しながら成長を続けることが今後のインターネット業界で活躍できる人材の必須要件であると言えます。OpenWorkの「先輩社員の声」を上手に活用して、自分に合いそうな企業をチェックしてみてくださいね。

OpenWorkとは?

「OpenWork(オープンワーク)」は、実際に働いた経験に基づく社員・元社員の声を共有しているクチコミ情報プラットフォームです。その会社で働いていた先輩社員はOpenWorkにクチコミを投稿する際、8つの評価(待遇面の満足度、社員の士気、風通しの良さ、社員の相互尊重、20代成長環境、人材の長期育成、法令順守意識、人事評価の適正感の8項目で数値評価)を付け、8カテゴリのクチコミから合わせて500字以上を投稿します。

企業の社員・元社員から情報を収集しているWEBサイトとしては、国内最大規模のクチコミ数と評価スコア(1,330万件超)が蓄積されており、会員数は約500万人(2022年7月時点)となっています。またOpenWorkを就活時に活用した22卒学生は24.9万人。おおよそ毎年就活生は50万人いるとされているため、単純計算では就活生の2人に1人が活用しているサービスです。

就活生の多くは、自分が気になった企業の評価や社員クチコミを調べる企業研究にOpenWorkを活用するケースが多いのですが、先述した8つの評価スコアを元に調べることで、OpenWork上で自分が求める・大切にしたい事を軸に検索をかけて、企業を探すことができます。